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【故事成語】「水魚の交わり」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「水魚の交わり」について解説する。

端的に言えば水魚の交わりの意味は「親密な間柄」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んだ。一緒に「水魚の交わり」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「水魚の交わり」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「水魚の交わり(すいぎょのまじわり)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「水魚の交わり」の意味は?

「水魚の交わり」には、次のような意味があります。

《「蜀志」諸葛亮伝から。劉備が諸葛孔明と自分との間柄をたとえた言葉》水と魚との切り離せない関係のような、非常に親密な交友。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「水魚の交わり」

「水魚の交わり」とは故事成語のひとつ。水があるからこそ魚は生きていけるという様子から「かけがえのない友の存在」をたとえた言葉で、“切っても切り離せない関係”“非常に親密な関係”をたとえて使います。また、友人だけでなく夫婦の関係や、深い主従関係で用いることも可能です。

なお漢文や四字熟語では「水魚之交(すいぎょのこう)」と訳す場合もありますが、意味は変わりません。

「水魚の交わり」の語源は?

次に「水魚の交わり」の語源を確認しておきましょう。この言葉は中国の三国志に由来しており、『蜀(しょく)志・諸葛亮伝』に語源が見られます。

中国の三国時代、蜀の王となる劉備(りゅうび)諸葛孔明(しょかつこうめい)を軍師として臣下に迎えました。劉備はすぐれた際を持つ孔明を非常に気に入り、二人の仲は次第に深まり、親密になっていきます。ところがその様子は、関羽(かんう)と張飛(ちょうひ)といった劉備の古参の部下には面白くありません。

そうして不満をもらした部下に対し、なだめるように劉備が口にしたのが「孤の孔明あるは、猶魚の水有るがごとし」です。「私たちの間柄は水と魚のようなものだから切っても切り離せない」という意味を持って使われたこの言葉が「水魚の交わり」の由来と言われています。

なお、この言葉が用いられた三国時代は、乱世の生き残りをかけていた時代。つまりこの言葉は「孔明が居なければ私は死んでしまうだろう」という意味も強く含み、腹心の家臣も劉備がそこまで言うのならと納得したと言われています。事実、この後厚い信頼を受けた孔明は大活躍を見せ、劉備は蜀の地を収めることに成功しました。

\次のページで「「水魚の交わり」の使い方・例文」を解説!/

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