

端的に言えば、節を屈するの意味は「自分の志を曲げて人に従う」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んだ。一緒に「節を屈する」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
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ライター/トラコ
全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。
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「節を屈する」の意味は?
「節を屈する」は、慣用句・ことわざです。「節を折る」と同じ意味であり、次のような意味があります。
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《「戦国策」秦策から》自分の志を曲げて人に従う。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「節(せつ)を折・る」
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「節を屈する」は、「節を折る」と同じ意味。読み方は「せつにくっする」です。その意味は、自分の節操を曲げて人に従う、もしくは、節操を守り通そうとする心が挫けること。
福沢諭吉の「学問のすゝめ」(1872‐76)で、「人たる者は天の正道に従ふを以て職分とす。然るに其の節を屈して政府人造の悪法に従ふは」の中に、「節に屈する」が出てきます。
「節を折る」と「節を屈する」、さらに「節を曲げる」も同じ意味です。
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「節を屈する」の語源は?
次に、「節を屈する」の語源を確認しておきましょう。
「節を屈する」の語源は、中国の歴史書「戦国策」です。「戦国策」は、中国・前漢末に劉向(りゅうきょう)が編纂し、戦国時代に中国諸国を遊説した縦横家の策謀を、国別に集めた書物のこと。別名「国策」とも言います。
そもそも「節」は自分の主義・主張・考え、「屈する」は外圧などに負けてくじけること。中島敦の作品「山月記」にも登場します。
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