この記事では「相好を崩す」について解説する。

端的に言えば「相好を崩す」の意味は「笑うこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んです。一緒に「相好を崩す」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/やぎしち

雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。

「相好を崩す」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「相好(そうごう)を崩す」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「相好を崩す」の意味は?

「相好を崩す」には、次のような意味があります。

にこやかな表情になる。顔をほころばせる。「孫の顔を見て―・す」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「相好を崩す」

この言葉は「顔をほころばせて笑う」または「大いに喜ぶ様子」を意味する表現です。まず注意したいのは「相好(そうごう)」という漢字。他ではまず使われない言葉で、書きを聞かれることはないでしょうが、読みはできるようにしておきたいところです。

言葉の由来は次で説明しますが、「相好」自体には「顔つき・顔のかたち」という意味があります。「顔つき」が崩れる=顔がほころぶ=笑うということになるのですね。単語の意味を知っておくと、覚えやすくなりますよ。

辞書によっては、「大笑いする」と「笑みを浮かべる」の意味のように、「笑い方の大きい・小さい」の点が異なるものもありました。厳密にどちらが正しいということは無いようですので、「笑う」という意味を押さえ、文脈からどんな笑い方なのかを読み取るようにしましょう。

「相好を崩す」の語源は?

次に「相好を崩す」の語源を確認しておきましょう。「相好」は「顔つき・顔かたち」のこととお伝えしましたが、もともとは仏教用語で「仏の顔の特徴」を表した言葉として用いられていたものでした。

仏様の顔が浮かびますでしょうか。わからない方は画像検索などで見てみましょう。端正に整っていて、乱れがない様子というものがわかるはずです。そんな、ある意味で冷たい印象を受けるかもしれない顔つきが崩れて、見せる笑いはどのようなものでしょうか。想像してみてくださいね。

ちなみに、「相好」という言葉は、仏様の美しい見た目を意味する「三十二八十種」の略とも言われ、これは「足や手指の形が美しさ」など、顔つき以外も指していたそうです。歴史の移り変わりに伴って、言葉が変化してきたことがわかる話とも言えるでしょう。

\次のページで「「相好を崩す」の使い方・例文」を解説!/

「相好を崩す」の使い方・例文

「相好を崩す」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

・冷たくて能面みたいな顔なんてウワサされる先輩だが、実は彼女が大の猫好きで、肉球を触っている時の相好の崩しっぷりを知っているのは僕だけだ。

・いつもは仏頂面で不愛想な部長だけれど、二人で話していると意外に気さくな性格で、相好を崩したりすることもある。

・部下たちの手前、真顔で真面目な上司の顔つきを維持しようとしていた彼だったが、娘さんがやってきた途端、相好が崩れてお父さんの顔になった。

「笑うこと、表情を崩すこと」といったニュアンスが伝わりますでしょうか。

「崩す」の単語の意味から、「もともと固かった表情が崩れて」という意味合いが含まれているか注目してみましょう。いつもは真面目なあの人が一転して大笑い…というギャップを強調したい意図なども読み取ることができるかもしれません。

笑い方に関しては、先にも書きましたが「大笑いする」でも「くすっと笑う」でも、どちらにも使えるようです。細かい違いではありますが、その人物のイメージに関わる部分でもありますので、特に読解問題の際などには注意しましょう。

「相好を崩す」の類義語は?違いは?

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「相好を崩す」の類義語は「破顔(はがん)する」をご紹介します。

「破顔する」

「破顔する」も、「顔をほころばせて笑うこと」を意味する慣用表現です。「はがん」という読み方に注意しましょう。

「顔」が「破れる」という漢字だけ見てしまうとぎょっとしてしまうかもしれませんが、「硬い表情が崩れて笑顔になる」と理解すれば、まさに「相好を崩す」と同じニュアンスだと言うことが理解できるはずです。セットで覚えてしまいましょう。

またこちらは、「破顔一笑(はがんいっしょう)」という四字熟語もあり、少し微笑むよりも「大きくにこやかに笑う」イメージで使われることが多い表現です。

\次のページで「「相好を崩す」の対義語は?」を解説!/

がちがちに緊張しながらチームで仕事の失敗を報告したのだが、社長は破顔して相談に乗ってくれたので、みんなとても安心した。

「相好を崩す」の対義語は?

「相好を崩す」の対義語は「鉄面皮(てつめんぴ)」、「能面のよう」を挙げてみます。

「鉄面皮」「能面のよう」

「鉄面皮」は「無表情・表情の変化に乏しい」こと。主に「鉄面皮のような顔・表情」という使われ方をしますが、鉄のお面がどのようなものか想像するとわかりやすいでしょう。フランスに実在した囚人にちなんだ言葉という説もあり、恐ろしいイメージも含まれているかもしれません。

また辞書によっては「(鉄のように面の皮が厚い=)厚かましく・図々しいこと」で掲載しているものもありましたので、合わせて覚えておきましょう。

一方で、「能面のよう」も「無表情なさま」を意味しますが、こちらには「顔の容姿が整っている」と褒め言葉になる場合もあります。同じ「お面」を使った表現ながら、西洋と日本の文化の違いも表れていて、面白い点ではないでしょうか。

「相好を崩す」の英訳は?

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「相好を崩す」の英訳は「all smile」などで表すことができます。

「all smile」

「all smile」は「思いっきり笑うこと、上機嫌になること」を意味するフレーズ。「all」の単語から、顔いっぱいで笑っている印象が伝わるのではないでしょうか。

「相好を崩す」は、本来の意味としては「笑う」であるため、「smile」だけで表すことができます。ただ、せっかく慣用表現を用いるからには、その言葉が意味している細かいニュアンスまでを表現したいですね。

たとえば他にも「親しみ」のニュアンスが感じられる場面であるなら、「smile kindly」など適した単語を選んだ表現にして構いません。

She all smiled when she saw her grandson.
彼女は孫の姿を見とめると、相好を崩した。

\次のページで「「相好を崩す」を使いこなそう」を解説!/

「相好を崩す」を使いこなそう

この記事では「相好を崩す」の意味・使い方・類語などを説明しました。仏様の顔=相好という言葉があり、それが崩れたときに見せる表情…という意味合いを持っていた表現でした。

仏様の普段の表情といえば、内面が見えずやや冷たい印象を受けるかもしれませんね。それがふと表情が緩んで微笑んだとしたら、とても優しく感じることでしょう。どんな人が、どんな場面で「相好を崩す」のか、想像してみてくださいね。

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【慣用句】「相好を崩す」の意味や使い方は?例文や類語を元予備校講師がわかりやすく解説!

この記事では「相好を崩す」について解説する。

端的に言えば「相好を崩す」の意味は「笑うこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んです。一緒に「相好を崩す」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/やぎしち

雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。

「相好を崩す」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「相好(そうごう)を崩す」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「相好を崩す」の意味は?

「相好を崩す」には、次のような意味があります。

にこやかな表情になる。顔をほころばせる。「孫の顔を見て―・す」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「相好を崩す」

この言葉は「顔をほころばせて笑う」または「大いに喜ぶ様子」を意味する表現です。まず注意したいのは「相好(そうごう)」という漢字。他ではまず使われない言葉で、書きを聞かれることはないでしょうが、読みはできるようにしておきたいところです。

言葉の由来は次で説明しますが、「相好」自体には「顔つき・顔のかたち」という意味があります。「顔つき」が崩れる=顔がほころぶ=笑うということになるのですね。単語の意味を知っておくと、覚えやすくなりますよ。

辞書によっては、「大笑いする」と「笑みを浮かべる」の意味のように、「笑い方の大きい・小さい」の点が異なるものもありました。厳密にどちらが正しいということは無いようですので、「笑う」という意味を押さえ、文脈からどんな笑い方なのかを読み取るようにしましょう。

「相好を崩す」の語源は?

次に「相好を崩す」の語源を確認しておきましょう。「相好」は「顔つき・顔かたち」のこととお伝えしましたが、もともとは仏教用語で「仏の顔の特徴」を表した言葉として用いられていたものでした。

仏様の顔が浮かびますでしょうか。わからない方は画像検索などで見てみましょう。端正に整っていて、乱れがない様子というものがわかるはずです。そんな、ある意味で冷たい印象を受けるかもしれない顔つきが崩れて、見せる笑いはどのようなものでしょうか。想像してみてくださいね。

ちなみに、「相好」という言葉は、仏様の美しい見た目を意味する「三十二八十種」の略とも言われ、これは「足や手指の形が美しさ」など、顔つき以外も指していたそうです。歴史の移り変わりに伴って、言葉が変化してきたことがわかる話とも言えるでしょう。

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