この記事では「虫の息」について解説する。

端的に言えば虫の息の意味は「死にそうな息づかい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験をもつベテランのKAIKAIを呼んです。このページでは一緒に「虫の息」の意味や例文、類語などを見て語彙力を高めていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「虫の息」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「虫の息」(むしのいきい)の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「虫の息」の意味は?

国語辞典で検索すると「虫の息」には、次のような意味があります。

弱り果てて、今にも絶えそうな呼吸。また、その状態。

出典:デジタル大辞泉(小学館)/コトバンク「虫の息」

「虫の息」とは昆虫の呼吸の比喩表現であり、虫のようなかすかな量の呼吸という意味から、「弱り果てた人の呼吸が今にも絶えてしまいそうなことやその呼吸そのもの」を表現する慣用句です。虫は身近なものですが、決して長くは生きられないはかないものですし、そのはかない虫の行う呼吸は本当にごくわずかなものだと日本人は考えてきたわけですね。

「虫の息」の語源は?

ハエや蜘蛛といった小さな昆虫の呼吸は大変かすかなものだろうと昔の人が想像したためではないかと思われます。

\次のページで「「虫の息」の使い方・例文」を解説!/

「虫の息」の使い方・例文

「虫の息」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.交通事故で運転手は虫の息だったが、結果として搬送中に亡くなってしまった。
2.殺人事件に巻き込まれ彼は虫の息だったがまもなく息を引き取った。
3.血の気を失って倒れた彼女は今は虫の息でもすぐに病院で診断を受ければ助かるかもしれない。
4.父は虫の息で、最後の遺言として家を守る方法を私に伝えた。

「虫の息」は今にも息が止まってしまい、死んでしまいそうな状態を切実に表現しています。そのまま息を引き取ることもありますし、適切に手当すれば奇跡的に回復することもあるのです。いずれのいしても周囲の人は緊迫感をもって見守ったり対処したりしなければなりません。

「虫の息」の類義語は?違いは?

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「虫の息」の類義語は何でしょうか。

その1「青息吐息」

「青息吐息」(あおいきといき)とは「辛いことやトラブルがあった時の状態やその時出てくるため息」のことです。「青息」とは「青ざめた息」すなわち「落ちこんだ時や辛い時に出てくる息」のことになります。「吐息」とは「落ち込んだり悩んだりしているときに重々しく吐く息」のことです。「彼は営業成績が上がらず毎日青息吐息になって出社している」などと使われます。

\次のページで「その2「四苦八苦」」を解説!/

その2「四苦八苦」

「四苦八苦」(しくはっく)とは仏教用語から生まれた言葉で、「精神的に追い詰められて苦しい様子」を表わす言葉です。しかし、「青息吐息」ほど追い詰められているほどではなく、まだ十分挽回の余地を含むニュアンスで使われます。「彼は四苦八苦しながらも営業成績が上がるように努力していた」などと使うのです。

その3「気息奄々」

「気息奄々」(きそくえんえん)とは「なんとか息ができているような今にも死にそうな苦しい状態」のことです。「気息」とは「呼吸」のことで「奄々」とは「呼吸が止まりそうな弱弱しい状態」のことになります。由来は中国の「文選」という書物にからです。「彼の会社は経営が苦しくて気息奄々の姿だ」などと使います。

「虫の息」の対義語は?

「虫の息」の対義語は何でしょうか。

その1「蘇生」

「蘇生」(そせい)とは「呼吸が止まっていた人が息を吹き返すこと」という意味と「活気をなくしていたものが勢いを取り返すこと」の意味があります。「蘇」の字は「よみがえる」という意味があるのです。同じ読み方で「甦生」と書く場合もありますが、この場合も同じような意味ですが、医療関係では「蘇生」の字が使われることが多いようですね。「おぼれていた人に人工呼吸を実施したところ蘇生したようだ」などと使われます。

その2「回復」

「回復」(かいふく)とは「一度悪い状態になったものが元の状態に復旧する」あるいは「一度無くなったものを取り返す」という意味です。前者の意味では景気、天気、病気といったものがあります。後者の場合は名誉、権利、意識といったものがあるのです。「恢復」と言う漢字を用いる場合もあり、意味が同じになります。また、「快復」と書いた場合は、特に「病気が良くなる」という意味で使われるのです。「彼の病気は回復の兆しが見えてきた」などと使います。

その3「復旧」

「復旧」(ふっきゅう)とは「一度壊れたり崩れたりしたものが人の作業によって元通りになること」です。交通機関や施設に関して使われる場合が多いですね。「復」は「元に戻る」という意味があり、「旧」は「以前の」という意味です。これに対して「回復」は、人工的なものではなく健康や名誉、景気と言った抽象的なものが対象で、悪い状態にあった人や物がもとに戻るという意味に使われます。「電車の事故の復旧に時間がかかっている」などと使われるのです。

\次のページで「「虫の息」の英訳は?」を解説!/

「虫の息」の英訳は?

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「虫の息」の英訳は何と言うのでしょうか。

「faint breath」

日本語の「虫の息」は英語では「faint breath」と言います。あるいは「dying whisper」「at death's door」「be breathing very fainty」「be hardly breathing」「be almost lifeless」とも言うのです。単語では該当ありません。

She is breathing faintly.(彼女は虫の息だ)
She is dying.(彼女は虫の息だ)

「虫の息」を使いこなそう

この記事では「虫の息」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「虫」をキーワードとすることわざや慣用句はたくさんあります。昔から日本人は生活の中で虫を身近に感じ、いろんな虫からたくさんのことを学んできたのですね。独特の視点で虫を観察し、そのイメージからたくさんの虫のつくことわざや慣用句が生まれてきたのです。言葉の語源を探ってみることは面白いですね。これを機会にいろんな言葉の語源を調べてみましょう。

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国語言葉の意味

【慣用句】「虫の息」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの文章を扱ってきたライターがわかりやすく解説!

この記事では「虫の息」について解説する。

端的に言えば虫の息の意味は「死にそうな息づかい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験をもつベテランのKAIKAIを呼んです。このページでは一緒に「虫の息」の意味や例文、類語などを見て語彙力を高めていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「虫の息」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「虫の息」(むしのいきい)の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「虫の息」の意味は?

国語辞典で検索すると「虫の息」には、次のような意味があります。

弱り果てて、今にも絶えそうな呼吸。また、その状態。

出典:デジタル大辞泉(小学館)/コトバンク「虫の息」

「虫の息」とは昆虫の呼吸の比喩表現であり、虫のようなかすかな量の呼吸という意味から、「弱り果てた人の呼吸が今にも絶えてしまいそうなことやその呼吸そのもの」を表現する慣用句です。虫は身近なものですが、決して長くは生きられないはかないものですし、そのはかない虫の行う呼吸は本当にごくわずかなものだと日本人は考えてきたわけですね。

「虫の息」の語源は?

ハエや蜘蛛といった小さな昆虫の呼吸は大変かすかなものだろうと昔の人が想像したためではないかと思われます。

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