この記事では「腰抜け」について解説する。

端的に言えば腰抜けの意味は「臆病なこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「腰抜け」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「腰抜け」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説してい来ます。

「腰抜け」の意味や語源・使い方まとめ

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「腰抜け」と聞くとどんな事を思い浮かべますか?根性なし・ヘタレなどの「弱虫」に分類される言葉を連想させますね。憶病なイメージがありますが果たしてイメージ通りなのか、どのような場面で用いるのが正しいのか、今回は「腰抜け」という言葉について詳しく解説をしていきます。

それでは早速「腰抜け」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「腰抜け」の意味は?

「腰抜け」には、次のような意味があります。

1.腰の力が抜けて立てなくなること、また、その人。
2.意気地がなく、憶病なこと。また、その人。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「腰抜け」

「腰抜け」とは「こしぬけ」と読み、文字通り「腰が抜けている状態」の意。ビックリしたり怖い思いをして腰の力が入らなくなって立てなくなる状態を言いますよ。これに派生して「意気地がなく、憶病な人」のことを侮蔑する表現としても用いられています。「とんだ腰抜けだな」「腰抜けには用はないよ」のような使い方をしますよ。

「腰抜け」の語源は?

次に「腰抜け」の語源を確認しておきましょう。語源は至ってシンプルで前章の言葉の意味の所でも少し触れている通り、「腰抜け」は臆病で何に対しても消極的だったり、いざという時でも行動を起こせない人のことを「腰抜け」と言います。

いつから使われているのかを調べてみましたが、明確な情報を得る事はできませんでした。ですが「腰抜け風呂」という言葉が江戸時代の国語辞典『俚言集覧(りげんしゅうらん)』に載っていることから、少なくとも江戸時代より前から使われていたことが分かりましたよ。ちなみに「腰抜け風呂」とは「お風呂場で腰が抜けたのではないかと思われるほどの長風呂」の事を指しますよ。

\次のページで「「腰抜け」の使い方・例文」を解説!/

「腰抜け」の使い方・例文

「腰抜け」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.男の子なのにとんだ腰抜けね。
2.小さい子対象のお化け屋敷で絶叫するなんて、パパは意外と腰抜けね。
3.あの腰抜けに忘年会の幹事が務まるのかな。

例文を3つ挙げてみました。例文1と2は、男性に対して侮辱するような言い方ですね。現代で「男のくせに・女だから」のような言い方をしようものなら、かなりバッシングされる世の中になりましたよね。ですが「腰抜け」のように古い歴史がある言葉には、そういった意味合いが含まれている事が少なくありません。「腰抜け」という言葉は男性に対して使われますが、女性に対して用いられる事はほとんどありませんよ。

例文3は元々の性格をこのような言い方で小馬鹿にしている例ですよ。何に対しても消極的で逃げ腰な人は、よく言えば「いじりやすい」ですし、体育会系など「優しさ」を「貧弱」・「穏やか」を「弱気」と捉える世界もあるでしょう。いづれにしても、「腰抜け」という言葉は、男性を侮辱する言葉ですので使う人やシーンをかなり選ぶ必要がありますよ。

「腰抜け」の類義語は?違いは?

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弱虫の代名詞とも言える「腰抜け」という言葉には、どんな類義語があるでしょうか?

「ふぬけ」

「ふぬけ」とは、「意気地がないこと」の意。「腰抜け」の言い換え表現としても辞書に載っていますよ。「ふぬけ」は漢字にすると「腑抜け」になり、はらわたを抜き取られた状態を指すことから「しっかりしていないこと」を表す言葉になりました。

「腰抜け」「腑抜け」どちらもよく似た言葉で類義語になりますが、両者の違いは「腰抜け」は「消極的な人・いくじなし」を表現する時に用いられます。一方「ふぬけ」は「気力や精神力が弱い人」を指しますよ。軽微な違いで分かりにくいですが、極端な言い方をすると「腰抜け」は「へたれ」と言われる気が小さい人、「ふぬけ」は不安などを抱えていたり精神的に弱々しい人、と覚えておくと良いでしょう。

\次のページで「「腰抜け」の対義語は?」を解説!/

「腰抜け」の対義語は?

次に「腰抜け」の対義語を見てみましょう。

「勇猛果敢」

四字熟語を紹介しましょう。「勇猛果敢」「ゆうもうかかん」と読み、「勇ましくて力強く、決断力があるさま」の意。恐れずに思い切って実行する・危険や困難を恐れずに、力強く思い切りのよい決断をして行動することを表します。何とも猛々しい言葉ですね。意気地がなく臆病なさまとは反対の意味ですので、「腰抜け」の対義語としてふさわしいでしょう。

他にも「物怖じしない」「気後れしない」など打ち消しの助動詞をつける事で、対義する言葉の種類が増えますよ。

「腰抜け」の英訳は?

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次に「腰抜け」の英語表現を見ていきましょう。

その1「chicken」

映画の影響でしょうか、最近はカタカナ語として日本でも浸透していますよね。「チキン野郎」なんて言葉を聞いたことはありませんか?ネイティブの間でも有名な表現で本来は「鶏」の意味ですが、「弱虫・臆病者」と言いたい時に使うスラングですよ。

その2「coward」

「coward」「腰抜け」の意味を持つ英単語です。他にも「weenie」は「弱虫」「pussy」は「女々しい」など色んな表現方法がありますが、「weenie」も「pussy」も男の子のケンカなどで、相手をバカにするような表現として使うので、「腰抜け」のニュアンスとしては「coward」がしっくりくるでしょう。例文を挙げるので参考にしてください。

「He's a coward.」(彼は臆病者です。)

「He is  such a chicken .」(彼はひどい腰抜けだね。)

\次のページで「「腰抜け」を使いこなそう」を解説!/

「腰抜け」を使いこなそう

この記事では「腰抜け」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しましょう。「腰抜け」とは「腰が抜けた状態」を表す言葉ですよ。そこから派生して臆病者や気が小さい人を侮辱する意味でも使われています。

職人さんやアスリートなどの厳しい世界では「この腰抜けが!」と今でも使うようですが、個を尊重する現代では聞く機会も少なくなっている気がします。侮辱する意味で投げかける言葉としては非難されるかもしれませんが、叱咤激励を目的とするなら、使い方によっては悪いばかりの言葉ではないのかもしれませんね。他人に投げかける言葉としては強めなので使いづらいですが、自身の頑張り時など、自分自身に喝を入れるために活用してみてはいかがでしょうか。

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国語言葉の意味

「腰抜け」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「腰抜け」について解説する。

端的に言えば腰抜けの意味は「臆病なこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「腰抜け」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「腰抜け」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説してい来ます。

「腰抜け」の意味や語源・使い方まとめ

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「腰抜け」と聞くとどんな事を思い浮かべますか?根性なし・ヘタレなどの「弱虫」に分類される言葉を連想させますね。憶病なイメージがありますが果たしてイメージ通りなのか、どのような場面で用いるのが正しいのか、今回は「腰抜け」という言葉について詳しく解説をしていきます。

それでは早速「腰抜け」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「腰抜け」の意味は?

「腰抜け」には、次のような意味があります。

1.腰の力が抜けて立てなくなること、また、その人。
2.意気地がなく、憶病なこと。また、その人。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「腰抜け」

「腰抜け」とは「こしぬけ」と読み、文字通り「腰が抜けている状態」の意。ビックリしたり怖い思いをして腰の力が入らなくなって立てなくなる状態を言いますよ。これに派生して「意気地がなく、憶病な人」のことを侮蔑する表現としても用いられています。「とんだ腰抜けだな」「腰抜けには用はないよ」のような使い方をしますよ。

「腰抜け」の語源は?

次に「腰抜け」の語源を確認しておきましょう。語源は至ってシンプルで前章の言葉の意味の所でも少し触れている通り、「腰抜け」は臆病で何に対しても消極的だったり、いざという時でも行動を起こせない人のことを「腰抜け」と言います。

いつから使われているのかを調べてみましたが、明確な情報を得る事はできませんでした。ですが「腰抜け風呂」という言葉が江戸時代の国語辞典『俚言集覧(りげんしゅうらん)』に載っていることから、少なくとも江戸時代より前から使われていたことが分かりましたよ。ちなみに「腰抜け風呂」とは「お風呂場で腰が抜けたのではないかと思われるほどの長風呂」の事を指しますよ。

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