この記事では「浮かない顔」について解説する。

端的に言えば浮かない顔の意味は「沈んだ表情」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「浮かない顔」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「浮かない顔」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していきます。

「浮かない顔」の意味や語源・使い方まとめ

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「浮かない顔」をしているね、と言われたことはありますか?それはどんな時に言われるでしょうか?周囲の人のどんな時に「浮かない顔」をしているな、と感じますか?良くない事が起きているような言葉ですね。今回はネガティブな印象の「浮かない顔」と言う言葉について詳しく説明していきます。

それでは早速「浮かない顔」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「浮かない顔」の意味は?

「浮かない顔」には、次のような意味があります。

1.心が晴れやかでなさそうな表情をしていること。
2.暗い顔つきになっていること。
3.浮かぬ顔。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「浮かぬ顔」

「浮かない顔」は、辞典によると「心が晴れやかでなさそうな顔つき」の意味になります。何か心配な事や憂い事があって、そのために暗い表情や沈んだ顔つきになっている事を「浮かない顔」と言いますよ。日常生活でもよくあることではないでしょうか。例えば試験がうまくいかなかった時や頑張ったつもりのプレゼンで周りの反応が薄かったりすると、何がいけなかったのだろう・もう少しがんばらないといけなかったかな、などと次から次に思いを巡らせますよね。そんな時になる表情が「浮かない顔」ですよ。

「浮かない顔」の語源は?

次に「浮かない顔」の語源を確認しておきましょう。そもそもなぜ「浮かない」という表現をするのでしょうか。答えは至ってシンプルなのですが、ワクワクする時や楽しみが待っている時に使う「浮かれる」の反対の意味からきていますよ。「浮かれる」とは「心がウキウキして調子づく」の意。ウキウキも漢字にすると「浮き浮き」となり、心が弾んで楽しそうなさまを指していますよ。この「浮き」を否定形にすることで、「沈んだ・暗い」を表現しています。「浮かぬ顔」も同じく否定形ですので、同じ意味になりますよ。

\次のページで「「浮かない顔」の使い方・例文」を解説!/

「浮かない顔」の使い方・例文

「浮かない顔」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.浮かない顔をしてどうしたの?
2.面接から帰ってからずっと浮かない顔をしているね。
3.遠足の中止を願う娘は、朝窓の外を見て浮かない顔をした。

3つの例文を挙げてみました。例文1から見ていきましょう。いつもニコニコしている人の表情が沈んでいると心配になって思わず声をかけてしまいますよね。例文2は手応えを感じなかったり失敗したと感じているのでしょうか。終わった安堵感よりも心配が先に立っている例ですね。例文3は私の小さい頃の記憶を元に作ってみました。体力がない子や学校が楽しくない子にとっては、遠足は色んな事が心配で仕方がない行事でしたよ。出来ることなら雨で中止になってほしいと願いながらカーテンを開けて、遠足の決行が分かると憂鬱な気分になっていたものです。

このように「浮かない顔」とは、自分にとって心配なことにより気分が上がらない・落ち込むほどではないが心がぼんやりと空白になるような感情が表情として出てしまう事を指しますよ。

「浮かない顔」の類義語は?違いは?

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「浮かない顔」という言葉には、どんな類義語があるでしょうか?

「顔が曇る」

「顔が曇る」心配事などで心や顔つきなどに明るさが失われていくさまを表します。「顔」は目や鼻、口のパーツからなる顔の他に「表情・社会的な体裁・知名度・物の表面」などさまざまな意味がありますよ。また「曇る」にも雲や霧で覆われる以外に、「輝きの無い状態になる・悩みや悲しみで沈んだ暗い表情になる・地味すぎる」などの意味を持っています。これら意味が組み合わさり「気落ちした様子の暗い顔つきになる」という意味になっていますよ。

似た言葉で「表情が陰る」という言い方もありますが、意味は同じなのでこちらも「浮かない顔」「顔が曇る」の言い換え表現になりますよ。

\次のページで「「浮かない顔」の対義語は?」を解説!/

「浮かない顔」の対義語は?

次は「浮かない顔」の対義語を見ていきましょう。ポジティブな意味なのでたくさんの表現ができそうですね。

「浮かれた表情」

「浮かない」の反対の「浮かれた」で表現できますね。「浮かれた顔」「浮かれた表情」「浮かれた態度」など色んな言葉が存在しますが、「浮かない顔」の対義語として考えると「浮かれた表情」がピッタリかと思います。「浮かれる」は「楽しくて心がうきうきする事」の意。気持ちが弾んでじっとしていられない状態は、態度や表情もそわそわしたような明るい雰囲気が滲み出ます。「浮かない顔」の対義語としてふさわしいですね。

「浮かない顔」の英訳は?

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最後に「浮かない顔」を英語ではどのように表現するのか見ていきましょう。

「 long face」

「 long face」は、直訳すると「長い顔」なので驚いた方もいるでしょう。悲しいときや心配なとき、人の顔は伏し目がちになり口角も下がってたるんで見えることから、このような言い回しが使われていますよ。上手い婉曲表現ですよね。確かに笑顔の時は顔の筋肉が横に動きます。悲しみで表情が下がる=浮かない顔と関連づけて覚えると忘れないですよ。

「浮かない顔」を使いこなそう

この記事では「浮かない顔」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しておきましょう。「浮かない顔」とは暗い顔つきをしていたり、沈んだ表情をしている時に使う言葉です。言換え表現では「顔が曇る」を紹介しました。

気分が沈むときや心配事が顔や態度に出てしまう事は、誰にでもありますよね。いつも晴れやかな清々しい気持ちでいる事の方が難しいものです。私は人の顔色を見るのが得意で、気分がすぐれない人がいるとすぐに気づくのですが、残念ながら心配事で心が沈んでいる人を気づく事はあまりありませんよ。こんなご時世ですから暗い顔をしている人もたくさんいるでしょう。そういう人には寄り添ってあげる優しさと強さを持っていたいものですね。この記事が参考になれば幸いです。

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国語言葉の意味

「浮かない顔」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「浮かない顔」について解説する。

端的に言えば浮かない顔の意味は「沈んだ表情」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「浮かない顔」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「浮かない顔」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していきます。

「浮かない顔」の意味や語源・使い方まとめ

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「浮かない顔」をしているね、と言われたことはありますか?それはどんな時に言われるでしょうか?周囲の人のどんな時に「浮かない顔」をしているな、と感じますか?良くない事が起きているような言葉ですね。今回はネガティブな印象の「浮かない顔」と言う言葉について詳しく説明していきます。

それでは早速「浮かない顔」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「浮かない顔」の意味は?

「浮かない顔」には、次のような意味があります。

1.心が晴れやかでなさそうな表情をしていること。
2.暗い顔つきになっていること。
3.浮かぬ顔。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「浮かぬ顔」

「浮かない顔」は、辞典によると「心が晴れやかでなさそうな顔つき」の意味になります。何か心配な事や憂い事があって、そのために暗い表情や沈んだ顔つきになっている事を「浮かない顔」と言いますよ。日常生活でもよくあることではないでしょうか。例えば試験がうまくいかなかった時や頑張ったつもりのプレゼンで周りの反応が薄かったりすると、何がいけなかったのだろう・もう少しがんばらないといけなかったかな、などと次から次に思いを巡らせますよね。そんな時になる表情が「浮かない顔」ですよ。

「浮かない顔」の語源は?

次に「浮かない顔」の語源を確認しておきましょう。そもそもなぜ「浮かない」という表現をするのでしょうか。答えは至ってシンプルなのですが、ワクワクする時や楽しみが待っている時に使う「浮かれる」の反対の意味からきていますよ。「浮かれる」とは「心がウキウキして調子づく」の意。ウキウキも漢字にすると「浮き浮き」となり、心が弾んで楽しそうなさまを指していますよ。この「浮き」を否定形にすることで、「沈んだ・暗い」を表現しています。「浮かぬ顔」も同じく否定形ですので、同じ意味になりますよ。

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