端的に言えば唆すの意味は「仕向ける」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「唆す」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/Hata
以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。
「唆す」の意味は?
「唆す」には、次のような意味があります。
1.その気になるように仕向ける。特に、おだてて悪いほうへ誘い入れる。
2.早くそうするように勧める。せきたてる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「唆す」
「唆す(そそのかす)」とは“おだてて誘い入れること”と“せきたてる”という意味を持つ言葉。基本的に、相手を悪いことへ促す際に用いる言葉で、悪事へ誘い込む状況などで使われます。
なお「唆す」の読み方は「そそのかす」です。ほかにも「嗾す」と書くことも可能ですが、常用漢字である「唆」が一般的に用いられます。
「唆す」の語源は?
次に「唆す」の語源を確認しておきましょう。「唆す(そそのかす)」は、「そそ」と「退かす(どかす)」という二つの言葉が由来と言われています。
「そそ」とは“急かす”という意味。また「退かす」は“他の場所へ移す”という本来の意味から転じて、“行かせる”という意味を持っています。この二つが組み合わさることで“急かして(どこかへ行かせるように)仕向ける”という意味になり、「そそのかす」となったのです。
また「唆」という字の成り立ちも確認しておきましょう。この「唆」の左側はくちへん。そして右側の上部は“頭の秀でた人”を、右側の下部は“下向きの足”を表す象形文字で成り立っています。つまり“頭の秀でた人が何度も往復しては何かを伝えている”という状況を表したのが「唆」という漢字です。
これらのことから「唆す」という言葉が生まれたと言われています。
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