この記事では「大それた」について解説する。

端的に言えば大それたの意味は「とんでもない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「大それた」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻。「webライター」なんて大それた肩書が付いてはいるが、自分ではせいぜい「記事作成者」くらいに考えている。「雑学大好き」なのは事実だ。

「大それた」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「大それた」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「大それた」の意味は?

「大それた」には、次のような意味があります。

身分・常識などから大きく外れているさま。とんでもない。度外れた。「大それた考えを抱く」「大それた罪を犯す」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「大それた」

大それた」だいそれた)とは、「身分や常識などから大きく外れた」という意味があります。

この場合の「身分」は上流とか中流とかではなく、「身の丈」とか「身の程」と考えるべきでしょう。つまり、自分の能力や人並みからは大きく外れていることが「大それた」です。

「大それた」の語源は?

次に「大それた」の語源を確認しておきましょう。

「大」は文字通り「大きい」です。「それた」は漢字で「逸れた」と書きます。「逸れる」には「別の方向へ行く、目標から外れる」という意味があり、道理や常識から大きく外れてしまったので「大それた」というわけです。

\次のページで「「大それた」の使い方・例文」を解説!/

「大それた」の使い方・例文

「大それた」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.そんな大それた話ばかりしていると信用を失うよ。
2.私が次期プロジェクトのリーダーだなんて、そのような大それたオファーをいただけるとは滅相もないことでございます。
3.彼は事業を起こして大金持ちになり、2040年までに宇宙へ移住するなどと大それたことを言っているが、彼の知性や行動力があればありえなくはないのだろう。

よく「大それた」が使われる場面は、ビジネスシーンなどで自らを謙遜して言うときです。例文2がその典型と言えるでしょう。その場合は敬語表現が用いられます。

逆に「大それた」を他人に対して使う場合もありますが、その場合はいい意味では使われません。例文1を見れば分かりますが、自分の立場をわきまえていないことへの非難として「大それた」が使われます。

「大それた」の類義語は?違いは?

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ところで、「大それた」の類義語は何でしょうか。違いとともに見ていきましょう。

「身の程知らずの」「身の丈を超えた」

途轍もない」(とてつもない)や「突拍子もない」(とっぴょうしもない)など、「大それた」の類義語はいくらでも挙げることができるでしょう。しかし、ここでは「身」を使った2つの表現に絞って説明します。

まずは「身の程知らずの」(みのほどしらずの)です。辞書には、「自分の能力や身分をわきまえない」などと意味が記載されています。「大それた」と似ていますが、「大それた」は「能力や身分から大きく外れた」であり、「わきまえない」わけではありません。つまり、「大それた」は自分の能力などを知っていてそのような言動を起こす可能性があり、自分の能力などを把握していない「身の程知らずの」とはその点で違うと言えます。

では、「身の丈を超えた」(みのたけをこえた)はどうでしょうか。辞書には「身の丈」までしかないことが多いので、まずはその意味を確認してみましょう。すると、「分相応」(ぶんそうおう)とあります。この「分相応」は「その人の身分や能力にふさわしいこと」ですので、「身の丈を超えた」とは「その人にふさわしい身分や能力を超えた」と解釈できるでしょう。よって、「大それた」とは意味がほぼ同じと言えます。

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「大それた」の対義語は?

さらに「大それた」の対義語も見てみましょう。

「変哲もない」「何の変哲もない」

「大それた」が「身分や常識から外れた」という意味です。であるならば、その対義語はおのずと導かれるでしょう。

普通の」「平凡な」「人並みの」などがまずは思い浮かぶはずです。その他にも、「凡庸な」「ありふれた」「ありきたりの」なども対義語と言えるでしょう。また「変哲もない」または「何の変哲もない」という言葉もありますが、この「変哲」(へんてつ)とは「普通と変わっていること、違っていること」です。よって、「(何の)変哲もない」とは「特に変わったことはない」という意味となります。

「大それた」の英訳は?

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では、「大それた」を英訳するとどうなるでしょうか。

「outrageous」「monstrous」

「大それた」の英訳を検索サイトなどで調べると、「outrageous」や「monstrous」など、一見難しく見える単語が検索結果として表示されるでしょう。しかし、2語は意外と聞き覚えのある言葉に近い単語です。

まずは「outrageous」ですが、「大それた、法外な、非道な、風変わりな」などの意味があります。そして、形容詞「outrageous」のもととなっている名詞が「outrage」ですが、これなら聞いたことがあるのではないでしょうか。「outrage」をカタカナで表記すれば「アウトレージ」となり、映画のタイトルにもなっているものであると分かります。ちなみに「outrage」の意味は「非道(な行為)、憤慨」などです。

また、「monstrous」(大それた、巨大な、奇怪ななど)もカタカナで表せば分かりやすいでしょう。「モンストリアス」と読めれば、「monster」(モンスター)と関係がありそうだと推測できます。実際に「monstrous」と「monster」は語源が同じです。

「大それた」を使いこなそう

この記事では「大それた」の意味・使い方・類語などを説明しました。

ビジネスの世界では、自分のことを大きく見せたほうがいい場面があるのかもしれません。しかし、そうでなければ相手に対して自分のことを謙遜して言うはずです。大役を任されてうれしいのに、「そんな大それたことなど」とへりくだります。面倒かもしれませんが、それが日本ではマナーであるということなのでしょう。しかし、相手への気遣いを忘れないことは、必ずやビジネスシーンで役立つはずです。

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国語言葉の意味

「大それた」の意味や使い方は?例文や類語を雑学大好きwebライターがわかりやすく解説!

この記事では「大それた」について解説する。

端的に言えば大それたの意味は「とんでもない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「大それた」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻。「webライター」なんて大それた肩書が付いてはいるが、自分ではせいぜい「記事作成者」くらいに考えている。「雑学大好き」なのは事実だ。

「大それた」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「大それた」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「大それた」の意味は?

「大それた」には、次のような意味があります。

身分・常識などから大きく外れているさま。とんでもない。度外れた。「大それた考えを抱く」「大それた罪を犯す」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「大それた」

大それた」だいそれた)とは、「身分や常識などから大きく外れた」という意味があります。

この場合の「身分」は上流とか中流とかではなく、「身の丈」とか「身の程」と考えるべきでしょう。つまり、自分の能力や人並みからは大きく外れていることが「大それた」です。

「大それた」の語源は?

次に「大それた」の語源を確認しておきましょう。

「大」は文字通り「大きい」です。「それた」は漢字で「逸れた」と書きます。「逸れる」には「別の方向へ行く、目標から外れる」という意味があり、道理や常識から大きく外れてしまったので「大それた」というわけです。

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