
その1「erupt」
「爆発する、噴火する」のほか、「噴出する、噴き出る」の意味もあります。erupt in tearsと言えば、「堰を切ったように泣き出す」を表すことができますよ。日本語でも「感情を爆発させる」などと言いますからイメージしやすいですね。
その2「open the floodgates」
「floodgate」は「水門、(怒りなどの)はけ口」のこと。これを「開ける」のですから、まさに「堰を切る」ですね。
「open the floodgates to~」と使えば「(主語によって)~が氾濫する結果になる、~が次々と起こる」という意味。いわゆるMe Too運動の際、一人の女性のツイートがきっかけで多くの女性が「私もセクハラ被害を受けた」と次々と名乗りを上げたことを表す際に使われたのを見かけました。

よしよし、「堰を切る」についていろいろな角度から解説できたな。辞書の説明でも挙げられているが、この慣用句の「せき」は「関」ではない点にも気をつけてくれよ。「関所」と使うようにこの字にも「さえぎり止めるもの」という意味はあるが、水がどっと流れ出るとなると「堰」がふさわしいとわかるだろう。
「堰を切る」を使いこなそう
この記事では「堰を切る」の意味・使い方・類語などを説明しました。毎年夏の時期はゲリラ豪雨などによる洪水の被害が起きていますね。自然の猛威を人間がコントロールできるものでもなく、できるのはせめて備えを万全にしておくことでしょうか。これから先も、少しでもそうした災害が起きないことを祈ります。
そう考えると、感情の面での「堰を切る」もまた自制するのは難しいようなあふれる思いを表していますね。意識的に泣くことでストレスを解消する「涙活(るいかつ)」という活動もあり、イベントも行われているようです。努力や我慢ばかりではなく、時には自分を解放するシーンも必要なのでしょうね。