この記事では「右と言えば左」について解説する。

端的に言えば右と言えば左の意味は「他人の言うことになんだかんだと反対する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んです。一緒に「右と言えば左」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/fleur

小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。

「右と言えば左」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「右と言えば左」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「右と言えば左」の意味は?

「右と言えば左」には、次のような意味があります。

人の言うことにすべて反対すること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「右と言えば左」

「みぎといえばひだり」と読みます。右と左は反対ですから、何を言っても反対の意見を言ったり拒否したりすることを表す慣用句です。

ほぼ同じ意味の言葉に「山と言えば川」というものもあります。批判的で鋭いというよりも、特別な根拠なく反対し続けることを指すためネガティブな意味合いでの使用が多い言葉です。

「右と言えば左」の使い方・例文

「右と言えば左」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「右と言えば左」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.うちの子は反抗期みたいだ。右と言えば左で、振り回されるよ。
2.右と言えば左で有名でみんなが恐れる部長をうならせたのか、すごいな。

1は幼い子供特有の「アレが嫌だ、コレも嫌だ」を表すのに使っている例です。まさに渡したおもちゃに目もくれず他のもので遊び始める様子が想像できますね。

2では「頑固者」のようなニュアンスで使われている例です。いつも批判的な人物であることを示し、相手の力量を褒める効果を発揮しています。

「右と言えば左」の類義語は?違いは?

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次に、「右と言えば左」と似た意味を持つ単語や関連する表現について見ていきましょう。

その1「ああ言えばこう言う」

他人に言われたことに対し理屈を述べたり言い訳したりして反発し続けることを指します。

「右と言えば左」のように反対のことを言うわけではありませんが、反論をしている点で似た意味を持つと言えるでしょう。

指示語が例に使われていることでどんな場面にも対応する便利な表現です。

その2「売り言葉に買い言葉」

相手が発した挑発的な言葉に乗っかって喧嘩腰で返すことを言い表します。

明確な由来は不明ですが、物を売買するときの「売り文句」「買い文句」や「喧嘩を売る」などの表現から派生してできたという説も。

「右と言えば左」は喧嘩のような激しい言い合いのニュアンスはありませんが反発するという点で近いと言えるでしょう。

\次のページで「その3「へりくつをこねる」」を解説!/

その3「へりくつをこねる」

曲がった理屈を並べることで言い逃れしようとすることを指します。

漢字で書く場合は「屁理屈」と書き、「屁でもない」などの表現からも分かるように「屁=くだらない」という意味から「筋の通らないくだらない理屈や理由」という意味の言葉です。

「こねる」は「だだをこねる」のように「あれこれと言い続ける」という意味を持っています。言葉遣いとしては丁寧なものではないので仕事の場などでは使わない方が良いでしょう。

「右と言えば左」の対義語は?

つづいて、「右と言えば左」と反対の意味を持つ言葉について学んでいきましょう。

その1「柳に風」

相手の言うことに対し反発しない、またはうまく受け流すことのたとえ。

柳の木が風に逆らわずゆらゆらと揺れ動く姿から来た表現です。また、そうしてかわすことで害を受けないでいられるという意味を持つこともあります。

「馬耳東風」のように人の言うことを聞き流す、という意味の言葉とは微妙にニュアンスが異なるので注意しましょう。

その2「尻馬に乗る」

深い考えもなく他人の意見に賛同し続けることを指します。

他人が乗っている馬に飛び乗る様子から、軽はずみに他人の発言に乗っかることを示すようになりました。

馬を操縦するのは先に乗っていた人物ですから、大きな責任も背負わずついていくだけ、という皮肉なニュアンスが含まれており考えなしに批判を重ねる「右と言えば左」と対照的ながらも似た表現だと言えます。

その3「付和雷同」

自分自身にはこれと言った意見や考えがなく、周りの言うことに無批判に賛同してしまうことを指します。

出典は中国の「礼記」から来ており、他人の意見にやたらと同意したり自分の意見かのように語ったりすることを表しました。

「雷同」は雷鳴に周囲のものが震わされる姿から他者の意見を確認もせずすぐに同調や共感をしてしまう様子を示します。

「右と言えば左」の英訳は?

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最後に、「右と言えば左」を英語で表す方法についてご紹介します。

\次のページで「その1「Whatever I say, you say the opposite.」」を解説!/

その1「Whatever I say, you say the opposite.」

私が何を言っても、あなたはいつも反対のことを言う。」という意味です。

「右と言えば左」の正反対のことを言い続ける様子をストレートに分かりやすく表すことができるので、場面を選ばず使えるでしょう。

主語を変えることで簡単に対象の人物を変えることもできますので、覚えておきましょう。

その2「She/He’s full of But’s and If’s.」

彼女(彼)は『でも…』や『…たら…』でいっぱいだ。」という意味です。

日本語で言う「たられば」という言い訳チックな印象が伝わりますね。「full of」と表すことで話し手のうんざりしている雰囲気が出るのもポイントです。

反発してくる、と言うよりも言い訳が多いというイメージで他の表現と使い分けると良いでしょう。

その3「always talk back to me」

いつも言いかえしてくる」という意味です。

言い返す、というと「口答え」のような生意気な雰囲気が出るので対象者は上司や年長者に対して目下の人物や年下、こどもなどを想定すると良いでしょう。

その2と対照的に、言い訳というよりは反発する姿勢を表すのでそれぞれ分けて覚えてください。

「右と言えば左」を使いこなそう

この記事では「右と言えば左」の意味・使い方・類語などを説明しました。

なんでもかんでも反論する人物はどこにでもいますよね。しかしそうした方にこちらも反発していては埒があきません。冷静に対処できるよう、語彙力や知識を身に着け私たちは「柳に風」を目指したいものですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「右と言えば左」の意味や使い方は?例文や類語を現役文学部生ライターがわかりやすく解説!

この記事では「右と言えば左」について解説する。

端的に言えば右と言えば左の意味は「他人の言うことになんだかんだと反対する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んです。一緒に「右と言えば左」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/fleur

小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。

「右と言えば左」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「右と言えば左」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「右と言えば左」の意味は?

「右と言えば左」には、次のような意味があります。

人の言うことにすべて反対すること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「右と言えば左」

「みぎといえばひだり」と読みます。右と左は反対ですから、何を言っても反対の意見を言ったり拒否したりすることを表す慣用句です。

ほぼ同じ意味の言葉に「山と言えば川」というものもあります。批判的で鋭いというよりも、特別な根拠なく反対し続けることを指すためネガティブな意味合いでの使用が多い言葉です。

「右と言えば左」の使い方・例文

「右と言えば左」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「右と言えば左」の類義語は?違いは?」を解説!/

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