この記事では「辻褄が合う」について解説する。

端的に言えば辻褄が合うの意味は「筋道がよく通る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「辻褄が合う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「辻褄が合う」の意味や語源・使い方まとめ

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「〇〇さんの説明は辻褄が合いません」など、皆さんも一度は「辻褄」という言葉を聞いた事あるのではないでしょうか。「辻褄が合う」という言葉は、日常生活やビジネスシーンなど、幅広い場面で使われる言葉です。それでは早速「辻褄が合う」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「辻褄が合う」の意味は?

「辻褄が合う」には、次のような意味があります。

筋道がよく通る。理屈が合う。「二人の証言はまるで―・わない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「辻褄が合う」

「辻褄が合う」とは「つじつまがあう」と読み、「筋道がよく通る。理屈が合う」という意味があります。少し言い換えると、「話や物事の前後に矛盾がない」という事です。反対に、話の筋道が通っていなかったり、話に矛盾があった場合には「辻褄が合わない」と言います。

「辻褄が合う」の語源は?

次に「辻褄が合う」の語源を確認しておきましょう。「辻褄が合う」の語源を確かめるためには、まず「辻褄」という言葉の語源を知ると早く理解できます。道理や道筋の事を表現する「辻褄」ですが、この「辻褄」は実は着物に関係している言葉なのです。

「辻」とは、「和服の縦横の縫い目が直交するところ」を表現する言葉で、「褄」は「物のはしの部分」を表現する言葉になります。この「辻」と「褄」は、どちらも着物で綺麗に合わせるべきところで、そこから道理や道筋などが合う事を「辻褄が合う」というようになりました。

\次のページで「「辻褄が合う」の使い方・例文」を解説!/

「辻褄が合う」の使い方・例文

「辻褄が合う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼女の話は全く辻褄が合わない。嘘をついている可能性がある。
2.私と彼女は、話の辻褄を合わせるために口裏合わせをしていた。
3.これで話の辻褄が合うな。

これらの例文について、1つ1つ詳しく見ていきましょう。

例文1の「辻褄が合わない」は、「辻褄が合う」の言い回しの1つです。「彼女の話は辻褄が合わない」とすると、「彼女の話は道理や道筋が合わない」という意味になります。

例文2の「辻褄を合わせる」は、「辻褄が合う」の言い回しの1つです。「辻褄」は話の道理や道筋を表現する言葉なので、「辻褄を合わせる」とすると「話の道筋や道理を合わせる」という意味の言葉になります。つまり、例文2は「私と彼女は話の道筋を口裏合わせをしていた」という意味の文章という事です。例文3も同様に考えると、「これで話の道筋が合うな」という意味の文章という事が分かります。

「辻褄が合う」の類義語は?違いは?

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「辻褄が合う」には「筋道がよく通る。理屈が合う。」という意味がありました。そんな「辻褄が合う」の類義語についても見ていきましょう。

その1「矛盾がない」

「辻褄が合わない」の類義語には、「矛盾がない」という言葉が挙げられます。「矛盾」とは、「一般に、理屈として二つの事柄のつじつまが合わないこと。」という意味があり、「矛盾がない」とすると、「辻褄が合う」と同じ意味合いになります。

\次のページで「その2「一貫性がある」」を解説!/

・彼女のアリバイには矛盾がないだろう。

・彼は矛盾がなく、話に一貫性があるため信用出来る。

・2つの要素は互いに矛盾するものではない。

その2「一貫性がある」

もう1つの類義語には、「一貫性がある」という言葉があります。「一貫性」とは、「最初から最後まで、ブレずに芯が通っていること」という意味です。「一貫性がある」とすると、「最初から最後まで、ブレずに芯が通っている」という事になります。「辻褄が合う」には「筋道がよく通る。理屈が合う。」という意味があるので、類義語といえるでしょう。

双方の違いとしては、「一貫性がある」は、人や性格に対しても使う事があります。例えば、考えや主張が変わりやすい人を「一貫性がない人」と言ったり、周囲から信頼が厚い人を「一貫性がある人」という事もあるのです。

・あの政治家の主張はには一貫性があるため、多くの支持を得ている。

・説明に一貫性があるから、彼には説得力がある。

・コンセプトに一貫性があることが、売り上げが好調の理由だと思う。

「辻褄が合う」の対義語は?

これまで類義語について見てきましたが、次に「辻褄が合う」の対義語について見ていきましょう。

「矛盾」

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前述で、「辻褄が合う」の類義語に「矛盾がない」という言葉がありましたが、反対に対義語でも「矛盾」という言葉が挙げられます。「矛盾」とは「物事の筋道や道理が合わないこと、つじつまが合わないこと、一貫性が無いこと」という意味があり、意味に「辻褄が合わないこと」とあるように、「辻褄が合う」の対義語と言えるでしょう。

「矛盾」は、ビジネスシーンは勿論、日常生活や友達との会話など、どんなシーンでも使う事が出来る言葉です。是非、覚えておきたい言葉の1つでしょう。

・先日は、今日予定があると言っていたのに、昼になると暇だと言っていて矛盾している。

・上司が良く、「丁寧にやりつつも、急いで作業を終わらせなさい」と言っているが、私は矛盾していると感じる。

・寒い寒いと言いながら、薄着をするなんて矛盾してない?

\次のページで「「辻褄が合う」を使いこなそう」を解説!/

「辻褄が合う」を使いこなそう

この記事では「辻褄が合う」の意味・使い方・類語などを説明しました。「辻褄が合う」は「つじつまがある」と読み、「筋道がよく通る。理屈が合う」という意味です。「辻褄」とは、実は着物に関係している言葉で、「辻」とは、「和服の縦横の縫い目が直交するところ」を表現する言葉で、「褄」は「物のはしの部分」を表現する言葉になります。この「辻」と「褄」は、どちらも着物で綺麗に合わせるべきところで、そこから道理や道筋などが合う事を「辻褄が合う」というようになりました。類義語には、「矛盾がない」「一貫性がある」が挙げられ、それぞれ言い換え語としても使う事が出来ます。

話しの辻褄が合わないと、相手にも不信感を与える事になり、話の辻褄を合わせるために嘘をついたとしても、後からバレて信頼を失う事になるでしょう。正直で居る事は大切です。

「辻褄が合う」は、話の道筋がきちんとあっている時や、逆に矛盾している時など、日常生活やビジネスシーンでも、様々な場面で使う事が出来る便利な言葉になります。正しい意味と使い方をしっかり理解し、実際に使って表現の幅を広げていきましょう。

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【慣用句】「辻褄が合う」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「辻褄が合う」について解説する。

端的に言えば辻褄が合うの意味は「筋道がよく通る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「辻褄が合う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「辻褄が合う」の意味や語源・使い方まとめ

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「〇〇さんの説明は辻褄が合いません」など、皆さんも一度は「辻褄」という言葉を聞いた事あるのではないでしょうか。「辻褄が合う」という言葉は、日常生活やビジネスシーンなど、幅広い場面で使われる言葉です。それでは早速「辻褄が合う」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「辻褄が合う」の意味は?

「辻褄が合う」には、次のような意味があります。

筋道がよく通る。理屈が合う。「二人の証言はまるで―・わない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「辻褄が合う」

「辻褄が合う」とは「つじつまがあう」と読み、「筋道がよく通る。理屈が合う」という意味があります。少し言い換えると、「話や物事の前後に矛盾がない」という事です。反対に、話の筋道が通っていなかったり、話に矛盾があった場合には「辻褄が合わない」と言います。

「辻褄が合う」の語源は?

次に「辻褄が合う」の語源を確認しておきましょう。「辻褄が合う」の語源を確かめるためには、まず「辻褄」という言葉の語源を知ると早く理解できます。道理や道筋の事を表現する「辻褄」ですが、この「辻褄」は実は着物に関係している言葉なのです。

「辻」とは、「和服の縦横の縫い目が直交するところ」を表現する言葉で、「褄」は「物のはしの部分」を表現する言葉になります。この「辻」と「褄」は、どちらも着物で綺麗に合わせるべきところで、そこから道理や道筋などが合う事を「辻褄が合う」というようになりました。

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