この記事では「目を覚ます」について解説する。

端的に言えば目を覚ますの意味は「目覚める」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「目を覚ます」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/柊 雅子

イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。学生時代、毎朝「目を覚ましてはまた眠る」を繰り返す息子たちを叩き起こしてきた彼女が「目を覚ます」について解説する。

「目を覚ます」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「目を覚ます」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「目を覚ます」の意味は?

「目を覚ます」には、次のような意味があります。

1. 眠りから起きる。目覚める。

2.迷っている状態から正しい状態に戻す。

3.何かがきっかけとなり、それまで気づかなかった自分の性質などを自覚する。

4.びっくりする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目を覚ます」

デジタル大辞泉に掲載されていた「びっくりする」という意味で「目を覚ます」が用いられることは現在ではありませんので、ここからは省くことにします。

我が家の息子たちが高校生だった頃、毎朝が戦争でした。起きて来ない息子たちの携帯を何度も鳴らし、それでも起きて来ない時は最終的に布団をめくりに行くという毎日。お弁当も作らなければなりません。お母さんは忙しいのです。お母さんの手を煩わさず、ちゃんと目覚めて自分で起きるように。起こしてもらうとしても、一度の「起きなさい!」で目を覚ましましょう

例えば綺麗なおねえさんから色々と頼み事をされる男性がいたとします。周りからすればどうみても「いいように利用されているだけ」なのに、本人は「こんなに頼られているなんて幸せ…」と思ってしまう。恋の病にかかってしまったら、目を覚ますのはなかなか難しいものです。

2015年のラグビーワールドカップでは日本が南アフリカを破り大番狂わせをおこし、2019年には日本でワールドカップが開催されました。それまで「3K(キツイ、汚い、ケガをする)」と言われ、マイナースポーツだったラグビーに注目が集まりましたね。子供のラグビー教室も大人気。ラグビーの才能を目覚めさせた子供たちも沢山いるでしょう。

「目を覚ます」の語源は?

次に「目を覚ます」の語源を確認しておきましょう。

「覚ます」には「意識をはっきりとさせる」という意味があります。「目を覚ます」はただ「睡眠から目覚める」という場合に用いられるのではなく、「生きる意味に目覚める」「文学に目覚める」と、さまざまな場面で用いられているのです。最近私が目覚めたことは「子育て」。卵から孵ったメダカの赤ちゃんを育て、大きくなっていくのを見るのはとても楽しいものです。

\次のページで「「目を覚ます」の使い方・例文」を解説!/

「目を覚ます」の使い方・例文

「目を覚ます」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.私の名前を呼ぶ委員長の声で目を覚ました。声のする方向を見て、眠い目を無理にあけるとその委員長は私を睨み、「居眠りをしていないで、ちゃんと音楽会についての話し合いに参加してください」と言った。

2.私が拾ってきた子猫を見た我が家の愛犬。母性愛が目を覚ましたのか…その子猫を大変可愛がり、よく面倒をみた。

3.その書籍を読んで、私の心に変化が起きた。私の中で「アフリカへ行って、井戸を掘ろう」という思いが目を覚ましたのだ。私は自分の心に従い海外青年協力隊に参加した。

例文1:この「目を覚ました」は「睡眠から目覚めた」という意味。高校生の頃は睡眠へと導くホルモンを分泌する時間が遅くなってくるため眠くなり難く、就寝前のパソコンやスマホの利用も「夜型生活」に関連しているといえます。その結果、学校で居眠りをしてしまうのですね。

例文2:もともと飼っていた犬が子猫や小鳥を可愛がるという話はたまに聞きますね。子猫や小鳥を我が子のように可愛がるのはその犬の母性が目覚めたように思いますが、長年その家族と共に暮らしてきた犬は飼い主が連れて来た生き物を「新しい家族」と位置付け、可愛がるという一面もあります。

例文3:高校生に入学し、初めての古文の授業。先生が「古文は英語ではない。現代語に訳せればそれでいいというものではない」と言って、古文の面白さについて書かれた本の一節を読んでくれました。その本のタイトルはわかりません。しかし、その内容を聞いた私は古文に興味をもち、志望校も英文学科から国文学科へと変わりました。一冊の本が私の目を覚ましたということですね。

「目を覚ます」の類義語は?違いは?

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「目をさます」の類義語をみていきましょう。

「覚醒」

「覚醒」とは「目が覚めること」「間違いに気付くこと」

「覚める」「醒める」の読み方はともに「さめる」。一般的には「(眠っていた状態から)目がさめる」は「覚」「酔いがさめる」は「醒」が用いられます。酔いがさめるということは酔っぱらった状態から正気に戻るということ。なので、「正気を取り戻す」という意味での「目をさます」は「醒ます」と表されます。

我が家の三男は小さいころ、ゲームで「覚醒」という言葉を覚えました。「覚醒」という言葉の意味は大体理解していたようです。「〇〇(三男の名前)はカクセイした」と言いながら、ある朝、お気に入りパンダぬいぐるみを抱いて、くまさん柄の腹巻をしたまま起きて来ました。随分かわいい「カクセイ」でしたよ。

\次のページで「「目を覚ます」の対義語は?」を解説!/

「目を覚ます」の対義語は?

続いて対義語です。

「夢中」

夢中「熱中して、他のことが見えなくなる」という意味。「目を覚ます」がもつ「正しい状態に戻す」という意味に対しての対義語です。

何かに興味を持つのは悪いことではありませんが、それも程度問題。夢中になる対象にも依りますね。ギャンブル等に夢中になってしまっては全てを失ってしまいます。自分の大切なものを失ってしまってから後悔しても、もう手遅れ。そうならないように周りから与えられる忠告に耳を傾け、本人が目を覚ますことが第一歩です。

「目を覚ます」の英訳は?

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「目を覚ます」を英語で表現してみましょう。

英文1.  He was lying in the kitchen with a severe state when he woke up. And, because of a hangover, I was not able to stand up.

目が覚めたとき、彼はひどい有様で台所に横たわっていた。 そして、二日酔いで立ち上がれなかった。

英文2.  He said, “Snap out of it. You are only deceived by her.”

「いい加減に目を覚ませ。オマエは彼女に騙されてるだけだ」と、彼は言った。

英文1「woke up」「目を覚ました」と言う意味です。この「目を覚ます」は「眠りから目覚める」という意味の「目を覚ます」ですね。ところで、こいいう寝方はいけません。風邪をひく原因になります。

英文2Snap out of it.」「正気を取り戻す」という意味の「目を覚ます」。Snap out of it.」は「元気をだせ」「くよくよするな」とも訳され、「吹っ切る」が直訳です。

\次のページで「「目を覚ます」を使いこなそう」を解説!/

「目を覚ます」を使いこなそう

この記事では「目を覚ます」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「目を覚ます」には「目覚める」「正しい状態に戻す」「気づいていなかった自分の性質等を自覚する」といった意味があり、類義語は「覚醒」「対義語は「夢中」、英語では「wake up」(目覚める)、「Snap out of it.」(正気を取り戻す、目を覚ます)と表現されることがわかりましたね。

私のようなおばさんにも、時には「新しい何かに目覚める」ということがあります。若者は可能性の塊。隠れた可能性に目覚める日は近いかもしれませんね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「目を覚ます」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「目を覚ます」について解説する。

端的に言えば目を覚ますの意味は「目覚める」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「目を覚ます」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/柊 雅子

イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。学生時代、毎朝「目を覚ましてはまた眠る」を繰り返す息子たちを叩き起こしてきた彼女が「目を覚ます」について解説する。

「目を覚ます」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「目を覚ます」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「目を覚ます」の意味は?

「目を覚ます」には、次のような意味があります。

1. 眠りから起きる。目覚める。

2.迷っている状態から正しい状態に戻す。

3.何かがきっかけとなり、それまで気づかなかった自分の性質などを自覚する。

4.びっくりする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目を覚ます」

デジタル大辞泉に掲載されていた「びっくりする」という意味で「目を覚ます」が用いられることは現在ではありませんので、ここからは省くことにします。

我が家の息子たちが高校生だった頃、毎朝が戦争でした。起きて来ない息子たちの携帯を何度も鳴らし、それでも起きて来ない時は最終的に布団をめくりに行くという毎日。お弁当も作らなければなりません。お母さんは忙しいのです。お母さんの手を煩わさず、ちゃんと目覚めて自分で起きるように。起こしてもらうとしても、一度の「起きなさい!」で目を覚ましましょう

例えば綺麗なおねえさんから色々と頼み事をされる男性がいたとします。周りからすればどうみても「いいように利用されているだけ」なのに、本人は「こんなに頼られているなんて幸せ…」と思ってしまう。恋の病にかかってしまったら、目を覚ますのはなかなか難しいものです。

2015年のラグビーワールドカップでは日本が南アフリカを破り大番狂わせをおこし、2019年には日本でワールドカップが開催されました。それまで「3K(キツイ、汚い、ケガをする)」と言われ、マイナースポーツだったラグビーに注目が集まりましたね。子供のラグビー教室も大人気。ラグビーの才能を目覚めさせた子供たちも沢山いるでしょう。

「目を覚ます」の語源は?

次に「目を覚ます」の語源を確認しておきましょう。

「覚ます」には「意識をはっきりとさせる」という意味があります。「目を覚ます」はただ「睡眠から目覚める」という場合に用いられるのではなく、「生きる意味に目覚める」「文学に目覚める」と、さまざまな場面で用いられているのです。最近私が目覚めたことは「子育て」。卵から孵ったメダカの赤ちゃんを育て、大きくなっていくのを見るのはとても楽しいものです。

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