端的に言えば「噂をすれば影がさす」の意味は「ある人の噂をすると当人がそこに現れるもの」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「噂をすれば影がさす」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/flicker
仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。
「噂をすれば影がさす」の意味は?
「噂をすれば影がさす」には、次のような意味があります。
人の噂をしていると、不思議に当人が姿を現す。
出典:コトバンク
「噂をすれば影がさす」は「噂されるとくしゃみする」という俗信と同じで、言葉のもつ霊力(言霊)が人に影響をもつという古い信仰の表れだと言える慣用句です。
「噂をすれば影がさす」の語源は?
次に「噂をすれば影がさす」の語源を確認しておきましょう。「噂をすれば影がさす」は江戸時代後期に書かれた十返舎一九の滑稽本東海道中膝栗毛に由来していると言われています。ちなみに、十返舎一九は歌舞伎に詳しく江戸の風俗を詠んだり風刺したり草双紙や黄表紙、洒落本を出版した戯作者ですね。それでは「噂」と「影」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「影」はかざる意味を表す「彡」とはっきりする意味の音を示す「章」とを合わせた字。はっきりした模様を表すことから、後に「あきらか」「あらわす」の意味に使われるようになりました。
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