この記事では「檜舞台」について解説する。
端的に言えば「檜舞台」の意味は「たいへん立派で名誉な発表の機会や場所を表す語」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「檜舞台」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「檜舞台」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「檜舞台」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「檜舞台」の意味は?

「檜舞台」には、次のような意味があります。

1 檜材で床を張った舞台。能舞台や大劇場の舞台。

2 自分の手腕を人々に見せる晴れの場所。

出典:コトバンク

「檜舞台」はヒノキの床を張った立派な舞台で、大劇場などの一流の舞台であることから、ここに出演できるのは名優といわれる役者に限られました。転じて、自分の腕前を披露する晴れの場所の意にも、第一の意にも用いられますよ。

「檜舞台」の語源は?

次に「檜舞台」の語源を確認しておきましょう。檜の痛手張った能楽・歌舞伎などの格の正しい舞台。転じて、自分の腕前を表す晴れの場所。それでは「舞」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「舞」は両足の向きを反対にした形と、袂をひるがえしてしまう意味の音を示す文字を合わせた字。人が着物の袂をひるがえし、足踏みしながら舞う、つまり「おどる」意味を表しますよ。

\次のページで「「檜舞台」の使い方・例文」を解説!/

「檜舞台」の使い方・例文

「檜舞台」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.彼は甲子園と言う檜舞台に立ち胸を熱くしていた。

2.姉はバレエコンクールでステージという檜舞台に立てた。

例文1からは心を一つに甲子園出場という目標を掲げ、今日という日まで毎日練習に励んできた球児たち、普段の練習の成果を充分発揮して決勝まで進んで欲しいという思いに駆られますね。また、例文2からは精進を重ねた結果、努力が実りエントリーした大芝居に立てた彼女に、余すところなく実力を発揮してほしいという気持ちが溢れてきます。

「檜舞台」の類義語は?違いは?

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「檜舞台」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「派手」

「派手」は色彩などが周囲から際立って人目をひく様子を表しますよ。「彼女ははでな色を好む」「この服はうちの母にはちょっとはでだわ」のように目に見えるものについて用いるのが最も一般的ですが、「この曲はトランペットが入るはでな曲だ」「この作家は装飾的な語句を駆使したはでな文体に特徴がある」のように音楽の華やかさや美文調の文体について用いることもあります

「派手」は周囲からくっきりと際立って人目を引く様子を客観的に表現し、対象の様子について特に感想を含んでいない点が、際立っていることを美的に感じている「鮮やか」「華やか」や、感嘆の暗示を含む「見事」「素晴らしい」などと異なるでしょう。この「派手」は「艶やか」にも似ていますが、「艶やか」がおもに女性の性的な魅力について言うのに対して、「派手」はもっと一般的で事物についても用いられ、特に性的な暗示は含まれません。なお「檜舞台」との違いは、「派手」は周囲からくっきりと際立って人目を引く様子を客観的に表現するという点です。

その2「派手やか」

「派手やか」は「彼は傍らにはでやかな女性を伴っていた」「悲しいときほどはでやかに振舞ったほうがいい」などのように周囲から際立って人目を引く様子を表します。また、目に見えるものについて用いられることが多く、抽象的なものについては用いられません。「派手やか」は「華やか」や「きらびやか」に似ていますが、「華やか」にある美的な暗示、「きらびやか」にある輝きの暗示はなく、人目をひく様子をやや客観的に表しています

また、「派手」や「派手派手しい」と基本的には同じ意味ですが、「派手」「派手派手しい」が原則としてプラスマイナスのイメージがないのに対して、「派手やか」は対象が人目を引く様子を表していることについてややプラスイメージのある点が異なりますよ。ちなみに「檜舞台」との違いは、「派手やか」は目に見えるものについて用いられることが多く、抽象的なものについては用いられないという点です。

その3「華やか」

「華やか」は「女性が一人いるとオフィスがはなやかになる」「正月にははなやかな装いが似合う」などのように明るく派手で美しい様子を表し、具体的な物も抽象的な物も対象になります。「派手」に似ていますが、「派手」よりも美的な華麗さの暗示が強いでしょう。また「艶やか」にも似ていますが、「艶やか」がおもに女性の性的な魅力を中心に言うのに対して、「華やか」は対象とする範囲が広く、必ずしも女性の性的な魅力手についてだけ言うとは限らない点が異なるでしょう。さらに「きらびやか」にも似ていますが、「きらびやか」にある豊富な光による輝きの暗示は少ないです。ちなみに「檜舞台」との違いは、「華やか」は具体的な物も抽象的な物も対象になるという点ですよ。

「檜舞台」の対義語は?

「檜舞台」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「呪わしい」

「呪わしい」は非常に不快な様子を表しますよ。「おろかなわが身がのろわしい」は非常に不快なので呪いたい気持ちだという意味、「静かな山村に突然のろわしい事件が起こった」は呪いがかかっているのかと思われるほど不快だという意味です。非常に強い忌避感と主観的な嫌悪を表し客観的な根源は示されないことが多いでしょう。忌避感を表す語としては他に「おぞましい」「厭わしい」などがありますが、「おぞましい」が感覚的な強い忌避感を暗示し「厭わしい」がやや弱い気分的な忌避感を暗示するのに対して、「呪わしい」は呪いを引き合いに出したぶん暗く陰惨な暗示のある点が異なります

その2「まがまがしい」

「まがまがしい」は「その村にはまがまがしい言い伝えが残っている」や「追い詰められた犯人はまがまがしい顔でにらんだ」など悪いことが起こりそうで不快な様子を表します。かたい文章語で日常会話にはほとんど登場せず、忌避の暗示の非常に強い表現で個人的な好悪の範囲を超えているニュアンスがあります。その点で「忌まわしい」に似ていますが、「忌まわしい」よりももっと忌避感が強いでしょう。個人的な好悪を表す場合には「いとわしい」「いや」などを用いますよ。

\次のページで「「檜舞台」の英訳は?」を解説!/

「檜舞台」の英訳は?

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「檜舞台」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「檜舞台」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

「the big moment」

「the big moment」は「晴れ舞台」という意味です。「He played a big role on the big moment」で「彼は檜舞台で大役を演じた」、「The cypress stage is a place of eternal longing」で「檜舞台は永遠の憧れの場所だ」と書き表すことができますよ。

「檜舞台」を使いこなそう

この記事では「檜舞台」の意味・使い方・類語などを説明しました。「檜舞台」はヒノキの床を張った立派な舞台。大劇場などの一流の舞台であることから、ここに出演できるのは名優といわれる役者に限られました。そのため、自分の腕前を披露する晴れの場所の意にも、第一の意にも用いられる慣用句だと解説しましたね。

また、同様の意味を持つ言葉に派手で華やかな様子を表すプラスイメージの語「賑やか」があります。この「賑やか」は「華やか」に似ていますが、「華やか」が派手な美しさを暗示するのに対して、「賑やか」は豊かさを暗示し美的な暗示はないことが多いですよ。暗示されている心理の違いに注意しましょう。

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【慣用句】「檜舞台」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「檜舞台」について解説する。
端的に言えば「檜舞台」の意味は「たいへん立派で名誉な発表の機会や場所を表す語」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「檜舞台」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「檜舞台」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「檜舞台」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「檜舞台」の意味は?

「檜舞台」には、次のような意味があります。

1 檜材で床を張った舞台。能舞台や大劇場の舞台。

2 自分の手腕を人々に見せる晴れの場所。

出典:コトバンク

「檜舞台」はヒノキの床を張った立派な舞台で、大劇場などの一流の舞台であることから、ここに出演できるのは名優といわれる役者に限られました。転じて、自分の腕前を披露する晴れの場所の意にも、第一の意にも用いられますよ。

「檜舞台」の語源は?

次に「檜舞台」の語源を確認しておきましょう。檜の痛手張った能楽・歌舞伎などの格の正しい舞台。転じて、自分の腕前を表す晴れの場所。それでは「舞」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「舞」は両足の向きを反対にした形と、袂をひるがえしてしまう意味の音を示す文字を合わせた字。人が着物の袂をひるがえし、足踏みしながら舞う、つまり「おどる」意味を表しますよ。

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