この記事では「気が大きい」について解説する。
端的に言えば「気が大きい」の意味は「些細なことは問題にせず心がゆったりしている」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「気が大きい」の意味や例文、類語などを見ていきます。

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仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「気が大きい」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「気が大きい」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「気が大きい」の意味は?

「気が大きい」には、次のような意味があります。

細かなことなど気にかけない。心が広い。⇔気が小さい

出典:コトバンク

「気が大きい」は人が細かいことに神経を使わない様子を表し、ほとんどの場合「気が大きくなる」という形で用いられますよ。度量が広いという意味ですが、おおざっぱで思慮が浅くなるというニュアンスがあり、イメージはマイナスになります

「気が大きい」の語源は?

次に「気が大きい」の語源を確認しておきましょう。「気が大きい」は「器(うつわ)が大きい」「器がひろい」とも言い換えることができます。ここで「気が大きい」人の特徴を挙げてみましょう。「対応に余裕がある」「少しのミスでも許せる」「失敗を責めない」「好き嫌いなく平等に接する」「ちいさいことにこだわらない」「感情的にならない」「れいせつをわきまえている」「こころが綺麗」「ひとができている」「周りからの評価が高い」「しぜんに他人とシェアできる」「サービス精神にあふれている」「りょうしんてきだ」などが考えられます。それでは「大」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「大」は人が両手と両足を広げて立っている形を描いた字。そこから「大きい」意味を表します。

\次のページで「「気が大きい」の使い方・例文」を解説!/

「気が大きい」の使い方・例文

「気が大きい」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.あなたはちょっともうけるとすぐにきがおおきくなって次は大損するのよ。

2.わたしは複雑な気持ちだったが、かれはさけを飲んできがおおきくなったため、みんなにオススメの台湾料理をおごった。

例文1からはお調子者の性格であることが分かりますし、例文2からはお酒を飲むと気前よくなる人であることが読み取れますね。

「気が大きい」の類義語は?違いは?

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「気が大きい」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「男くさい」

「男くさい」は「作者のおとこくさい文体が魅力です」「彼はいかにもおとこくさい風貌の持ち主だ」などのように文体・容貌など男性に関する抽象的なものが、男性的である様子を表しますよ。女性に関する物について用いられることは稀。その場合は「男っぽい」を用い、例えば「彼女の男くさい髪型」ではなく、「彼女の男っぽい髪型」と言います。

また「男くさい」は「男らしい」にも似ていますが、「男らしい」が理想の男性のもつべき性質(勇敢さ、潔さなどプラスイメージのもののみ)を備えていることを表すのに対して、「男くさい」は必ずしもプラスのイメージは持たず、男性の持っているさまざまの性質(勇敢さ、乱暴さなどプラスイメージの両面を含む)を総合的・感覚的に表現した語であることが異なるでしょう。男性らしさを感覚的に説明する意味では「男っぽい」にも近いですが、「男っぽい」では観点が視覚にあり、外から見ての男性らしさを第一とする点が「男くさい」と異なります。

その2「大らか」

「大らか」は「良家のお坊ちゃんらしいおおらかな性格」「彼女はおおらかだから、きっと許してくれるさ」などのように心が広くて細かいことに無頓着な様子を表しますよ。細かいことを気にしないですむ環境に育った人の性質について用いるのが最も基本的な意味。さらに一般的化されると寛容だという意味になります。「彼は一センチや二センチの狂いなんかおおらかに無視するんだ」の例はやや皮肉な意味がこもっており、ほんとうは細かく注意しなければならないことに対しても注意がゆきとどかない無神経さを揶揄するニュアンスがあるでしょう。

「大らか」は「大まか」に似ていますが、「大まか」がプラスマイナスのイメージをもたずよい意味にも悪い意味にも用いられ対象を広くとれるのに対して、「大らか」は人の性質に限って用いられ原則としてプラスイメージの語になる点が異なります。なお「気が大きい」との違いは、「大らか」は細かいことを気にしないですむ環境に育った人の性質について用いるという点でしょう。

「気が大きい」の対義語は?

「気が大きい」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

「生真面目」

「生真面目」は非常にまじめな様子を表しますよ。原則としてややプラスイメージの語ですが、まじめな程度がやや度を越しているという暗示があり、そのため「融通がきかない」「ユーモアが通じない」などのニュアンスを伴うことがあります。「彼はきまじめだから信用できる」は「非常にまじめだ」と言っているだけで批判や揶揄の気持ちはなくややプラスイメージの表現になっているでしょう。また「彼は冗談を聞いてもきまじめな表情を変えない」などは日常よく用いられる例で、「融通が利かない」という意味のややマイナスよりのイメージになります。

ただし、侮蔑や不快の暗示はないので「ばかまじめ」「くそまじめ」ほどのマイナスイメージはありません。なお「生真面目」は「まじめ」同様、真剣・誠意の暗示がありますが、「まじめ」にある真実の暗示はありません。また、「生真面目」は「律儀」にも似ていますが、世間の常識に忠実に従うというニュアンスはありません

\次のページで「「気が大きい」の英訳は?」を解説!/

「気が大きい」の英訳は?

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「気が大きい」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「気が大きい」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

「generous」

「generous」は「          気前のよい、惜しみなく物を与える、(…に)気前がよくて、物惜しみしないで、気前がよくて、寛大な、思いやりのある」という意味です。「He's got a generous when he drinks」で「彼は酒を飲むと気が大きくなる」、「Just because you're generous doesn't mean you'll act on it」で「気が大きいだけで行動には移さない」と言い表すことができますよ。

「気が大きい」を使いこなそう

この記事では「気が大きい」の意味・使い方・類語などを説明しました。「気が大きい」は人が細かいことに神経を使わない様子を表す慣用句度量が広いという意味ですが、おおざっぱで思慮が浅くなるというニュアンスがあり、イメージはマイナスになると解説しましたね。また、人間の態度に用いた場合で、威厳・貫禄があって物事に動じない様子を表す言葉に「でん」があります。

「社長はどんな時でもでんとして威厳がある」などのように用いますよ。「でん」は「どん」や「どっかり」に似ていますが、それぞれ同じ文脈で用いると「でんと腰を下ろしている」は「威厳たっぷりに椅子にふんぞり返っている」、「どんと腰を下ろしている」は「無造作に座ったままだ」、「どっかりと腰を下ろしている」は「重そうに椅子に腰を下ろして動きそうもない」というニュアンスになりますよ。ニュアンスの違いに注意しましょう。

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国語言葉の意味

【慣用句】「気が大きい」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「気が大きい」について解説する。
端的に言えば「気が大きい」の意味は「些細なことは問題にせず心がゆったりしている」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「気が大きい」の意味や例文、類語などを見ていきます。

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仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「気が大きい」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「気が大きい」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「気が大きい」の意味は?

「気が大きい」には、次のような意味があります。

細かなことなど気にかけない。心が広い。⇔気が小さい

出典:コトバンク

「気が大きい」は人が細かいことに神経を使わない様子を表し、ほとんどの場合「気が大きくなる」という形で用いられますよ。度量が広いという意味ですが、おおざっぱで思慮が浅くなるというニュアンスがあり、イメージはマイナスになります

「気が大きい」の語源は?

次に「気が大きい」の語源を確認しておきましょう。「気が大きい」は「器(うつわ)が大きい」「器がひろい」とも言い換えることができます。ここで「気が大きい」人の特徴を挙げてみましょう。「対応に余裕がある」「少しのミスでも許せる」「失敗を責めない」「好き嫌いなく平等に接する」「ちいさいことにこだわらない」「感情的にならない」「れいせつをわきまえている」「こころが綺麗」「ひとができている」「周りからの評価が高い」「しぜんに他人とシェアできる」「サービス精神にあふれている」「りょうしんてきだ」などが考えられます。それでは「大」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「大」は人が両手と両足を広げて立っている形を描いた字。そこから「大きい」意味を表します。

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