「眼中に無い」の使い方・例文
「眼中に無い」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。
1.アルバイト先のナイスガイと恋愛している従姉妹は叔母にどれだけお見合いを勧められても、彼以外の男性は今のわたしには眼中にないと断っていた。
2.僕は眼中に無いのはわかっていたが、綺麗なあの人に袖にされて心が痛む。
例文1からは特定の相手がいる従姉妹は他の男性からアプローチを受けても関心度が低いことが伺えますし、例文2からは可能性が薄いとは分かっていても興味がないことを再度認識させられて落ち込んでいる様子が伝わってきます。
その1「かまわない」
「かまわない」は関心がなく意識しない様子を表します。「彼はなりふりかまわず働いた」「彼は体裁にかまわない」は「気にかけない」という意味、「奴に悪く言われてもかまわない」は「気にしない」という意味、「給料はいくら安くてもかまわない」「口に入るものならなんでもかまわない」は前に全部または最高を表す表現を伴って許容を表しますよ。「煙草を吸ってもかまいませんか」は挨拶語として用いられた例で許可を求める意味です。
これらの用法は「…してもかまわない」という形をとり「いい(よい)」に置き換えられますが、「かまわない」は「いい」よりも許容のニュアンスが強く、積極的な肯定の暗示はないことが多い。したがって「給料はいくら安くてもかまわない」は「我慢しよう」、「給料はいくら安くてもいい」は「金額は問題でない」というニュアンスになりますよ。ちなみに「眼中に無い」との違いは、「かまわない」は関心がなく意識しない様子を表すという点です。
その2「わがまま」
「わがまま」はまわりのことを考えずに自分の思うとおりに振舞う様子を表しますよ。例えば「彼は末っ子でわがままだ」「金持ちでわがままに育った若者ほど手のつけられないものはない」などが基本的な意味で、「私が社長になったからにはわがままを通させてもらいたい」は多少の障害があっても自分の思い通りにするという意味、「(瀕死の病人に)もっとわがままを言ってくれていいんだよ」は(死にそうなんだから)他人のことなど考えずに自分の希望を言ってほしいという意味です。
自分の思うままに振舞うという意味では「わがまま」は「きまま」に似ていますが、「きまま」は個人の自由を尊重するというニュアンスで、必ずしもまわりの人間の迷惑さは暗示されていませんが、「わがまま」では組織や社会のスールを乱す暗示のある点が異なりますよ。したがって「休日はわがままに過ごします」は誤用となり、正しくは「休日はきままに過ごします」となります。なお「眼中に無い」との違いは、「わがまま」はまわりのことを考えずに自分の思うとおりに振舞う様子を表すという点でしょう。
その3「どうでも」
「どうでも」は対象について無関心である様子を表す副詞。例えば「どうでもあなたの好きなようにしたら?」は単独で述語にかかる修飾語の用法、「課長はどうでもいいことを詮索する癖がある」は「どうでもいい」の形で、たいしたことはない、取るに足りないという意味を表します。「どうでもいいけど、ひげくらいそったら?」の「どうでもいいけど、…」は、相手に注意や忠告をするマクラ(前置き)として用いられる現代語用法。自分はそれほど関心をもっているわけではないので真面目に聞く必要はない、負担に感じる必要はないという相手への配慮を暗示しますが、実際には無関心でない場合が多いでしょう。ちなみに「眼中に無い」との違いは、「どうでも」は対象について無関心である様子を表すという点です。
「眼中に無い」の対義語は?
「眼中に無い」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。
その1「愛おしい」
「愛おしい」は愛情を感じ大切に思う様子を表す表現。女性・子供について用いることが多いですが、女性が男性について用いることもあります。この場合「愛おしい」は「愛しい」に非常に近い意味になりますよ。「愛しい」が切実な愛情を表すのに対して「愛おしい」はやや保護的(母性的)な愛情に傾くニュアンスがあります。したがって「彼がこんなにいとおしく思えたことはありません」では女性が心理的にやや優位に立っていることを暗示し、「彼がこんなにいとしく思えたことはありません」の対等な立場に立っての愛情表現とニュアンスの上で異なりますよ。
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