「間がいい」の使い方・例文
「間がいい」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。
1.植村絵里は帰宅しようとしたら、まがいいことに女性教師に大事な話があると呼び止められた。あなたには独特の笑いのセンスがあると思うの、明日、みんなの前で漫才を披露して欲しい。
2.ここでオフィシャルセミナーの運営者に会えるとはまがいい。男性向けのメルマガをご購読頂いた方には会員限定の特典満載サービスを準備していると聞いて駆けつけて良かった。
3.まがいいときに彼からグループLINEで連絡がきたので、芝居を打ってお客様専用のギフトを自分用に置き換えた。役者を目指して普段から稽古に励んでいたのが役に立った。
例文1は教師は随分前からの彼女の特技に気づいていたのかもしれませんね。例文2は勇んで参加したら運がいいことに責任者に出会えた様子が伺えます。また、例文3はプレゼントを用意し忘れていたため、手元にあった粗品を急きょそれにあてがえたというところでしょう。
その1「またとない」
「またとない」は「外国留学のまたとないチャンスが訪れた」「こんなお買い得な品はまたとありませんよ」などのように非常に望ましい様子を表します。二つとないほど素晴らしい、好適だという意味で、好ましくない状況についてはふつう用いられません。「またとない」は客観的にみて二つとないほど非常に好適であるという意味であって、主観的な貴重さの暗示はないことが多いです。
また「またとない」は「願ってもない」似ていますが、「願ってもない」にある話者の主観的な喜びの暗示は「またとない」にはありません。したがって「嵐の海で難破するようなまたとない目にあった」「この写真は私にとってまたとない物です」は誤用となり、正しくは「嵐の海で難破するようなとんでもない目にあった」「この写真は私にとってかけがえがない物です」となりますよ。なお「間がいい」との違いは、「またとない」は非常に望ましい様子を表すという点です。
その2「折よく」
「折よく」は何かを行うのに時期がよい様子を表し、「終電に乗り遅れ途方にくれていたら、おりよく友人が車で通りかかった」「新規事業計画の発表後、ちょうどおりよく経験者が応募してきた」などのように述語にかかる修飾語として用いられます。ややかたい文章語で日常会話にはあまり登場しません。ちなみに「間がいい」との違いは、「折よく」は何かを行うのに時期がよい様子を表すという点です。
「間がいい」の対義語は?
「間がいい」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。
その1「間が悪い」
「間が悪い」は「まがわるいことに、転んだところへ車が突っ込んできた」などのようにタイミングが悪い様子を表します。人為的なタイミングではなく自然発生的なタイミングの悪さを暗示しますよ。したがって、自発的な行為についてはふつう用いられません。そのため「彼の言動はいつも間が悪い」は誤用となり、正しくは「彼の言動はいつも間が抜けている」となります。
その2「折あしく」
「折あしく」は何かを行うのに時機が悪い様子を表し、「出かけようとしたところへおりあしく客が来た」「友人にご馳走しようと思ったが、おりあしくお盆で店はどこも閉まっていた」などのように述語にかかる修飾語として用いられます。ややかたい文章語で日常会話にはあまり登場しません。何かる行為を行うに際してタイミングが悪い様子を表しますが、とても客観的な表現で特定の感情は原則として暗示しません。
また、「折あしく」は「生憎」に似ていますが、「生憎」は物事の順調な進行や成就を妨げる事態になったことについて話者が残念に思う気持ちが暗示されており、しばしば相手の行為が順調に実現しないことについて同情するニュアンスになりますよ。そのため「(電話で)折あしく父は留守をしております」は誤用となり、正しくは「あいにく父は留守をしております」となります。
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