
「いい迷惑」の使い方・例文
「いい迷惑」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。
1.新宿区は毎日東京都議会議員選挙の宣伝カーがうるさくていい迷惑ですよ。選挙が終わるまで少しの我慢だ。
2.だめな上司の失敗の後始末ばかりさせられていい迷惑だ。皮肉なことにそんな彼でもお客様からは不思議と人気がある。
3.「カンニングがばれたのはお前のせいだ。いい恥さらしだ」と外国人の友達に言いがかりをつけられて本当にいい迷惑だ。
4.友人の恋愛相談にのったのはいいが、振られたのはお前のせいだ、責任をとれと言われていい迷惑だ。
例文1は選挙の風物詩とも言える光景でしょう。例文2はいい加減な上司にかなり不満がたまっている様子が伺えます。また、例文3は共謀して不正を働いたのですからお互い様ですよね。例文4からは他人の恋愛には関わらないのが一番だということが伝わってきます。

何度も繰り返す様子を表す語に「再三」がある。「彼女が映画好きなのでさいさん付き合わされた」は述語にかかる修飾語、「父は叔父のさいさんの頼みに聞き入れて甥を自分の会社に入れることにした」は名詞にかかる修飾語の用法で、述語にはならない。主体が何度もある行為を繰り返した結果、目的を達せられない暗示があり、主体の不本意さが暗示される。
後者のように目的を達せられる文脈ではあまり用いないことが多いぞ。また、前者のように行為自体を修飾する場合には、同じ行為を何度も繰り返すことについて話者の迷惑や不本意さが暗示される。「再三」は「度々」「しばしば」などに似ているが、「度々」「しばしば」は客観的な表現で特定の感情は暗示しない。覚えておくといいぞ。
その1「それでなくても」
「それでなくても」は程度がはなはだしくなる前の状態の程度も十分はなはだしい様子を表し、状態を表す語にかかる修飾語として用いられます。結果の程度がはなはだしいことを提示するというニュアンスで、前提のほうに視点がありますよ。また、好ましい状態については用いられず、話者の困惑・迷惑・不快などが暗示されます。例えば「そんなに暑い暑い言わないでよ。それでなくても暑いんだから」は現在の状態でも程度が高くて不都合である理由を述べ、したがってそれよりも程度が高くなるような新しい事態には対処できないという意味。
「それでなくても」は「ただでさえ」に似ていますが、「ただでさえ」は前提の状態が好ましくないために結果の程度がますます好ましくなるというニュアンスで、結果の方に視点があり慨嘆の暗示を伴いますよ。なお「いい迷惑」との違いは「いい迷惑」は望ましくない様子を表すという点です。
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