この記事では「あんぐり」について解説する。
端的に言えば「あんぐり」の意味は「あきれたり驚いたりして無意識に口を大きく開けたさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「あんぐり」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「あんぐり」の意味や語源・使い方まとめ

image by PIXTA / 71486977

それでは早速「あんぐり」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「あんぐり」の意味は?

「あんぐり」には、次のような意味があります。

〘副〙 (「と」を伴う場合もある) 口を大きくあけるさま。多く、驚いたり、あきれたりして思わず口をあけるさまにいう。

出典:コトバンク

「あんぐり」は口を大きく開ける様子を表します。「あんぐり」は「あーん」に似ていますが、「あーん」は口を開け始めることに視点があります。ちなみに、「あぐっ」は口を開いてすぐ勢いよく閉じる様子を客観的に表しますよ。

「あんぐり」の語源は?

次に「あんぐり」の語源を確認しておきましょう。漢字で「あんぐり」は「安栗」と書きます。それでは「安」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「安」は家の意味を表す「ウ冠」と「女」とを合わせた字。女の人が家の中で静かに座っている様子から「安らか」「穏やか」の意味を表します。

\次のページで「「あんぐり」の使い方・例文」を解説!/

「あんぐり」の使い方・例文

「あんぐり」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.講和中の西園寺えまの質問に一同呆然として思わずあんぐりと口を開いた。

2.山下が描いたイラストの滝は裏側の洞窟があんぐり口を開けていた。少し修正を加えて模様をすべて高地にあるそれに類似させると言っていた。

3.その世界的スターの最終回のことばにぼうぜんとして一同あんぐり。それ自体はエールのようにも解釈できたが展開と発言内容とが一致しなかった。

4.ほかに誰もいなかったのでひとりで大きな大福をあんぐりと食べた。

「あんぐり」は単独でまたは「と」が付いて述語にかかる修飾語になることが多いですが、例文3のように述語になることもあります。また、例文1.3は驚きあきれて放心したために口を開いたままにしてあるという意味、例文2は空間が大きく開いていることを比喩的に表しますよ。さらに、例文4は口を大きく開いて物を食べる場合で、口を開いてから閉じるまでに時間があるので、口を開けた結果できる空間の広さを第三者から見た状態として表します。

「あんぐり」の類義語は?違いは?

image by PIXTA / 65151727

「あんぐり」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「いきなり」

「いきなり」は予想しない事態が起こる様子を表し、行為の受け手が予想していないというニュアンスで、驚きと衝撃の暗示があります。また、主体の意志には関係しません。「いきなり」は「出し抜け」や「突然」「急に」「不意に」などに似ていますが、「出し抜け」は行為の受け手の被害者意識が暗示されますし、「突然」は事態の急激な変化を誇張的に表します。また、「急に」は変化の仕方が非常にはなはだしいというニュアンスで、予想しない事態かどうかには言及しませんし、「不意に」は継続することが予想に反して変わるというニュアンスで、意外性と不審の暗示があります

そのため「彼はある日いきなり脳卒中で倒れた」「写真を見ていたらいきなり彼に会いたくなった」「草むらで鳴いていた虫の声がいきなり止んだ」は誤用となり、正しくは「彼はある日突然、脳卒中で倒れた」「写真を見ていたら急に彼に会いたくなった」「草むらで鳴いていた虫の声が不意に止んだ」となりますよ。ちなみに「あんぐり」との違いは「いきなり」は主体の意志には関係しないという点です。

その2「たいへん」

「たいへん」は慨嘆すべき様子を表す副詞。例えば「君はたいへんなことをやってくれたな」「娘の恋人を調べてみたらたいへんな男だった」は名詞にかかる修飾語、「煙草を吸ってるのがママにばれたらたいへんだ」は述語、「あらたいへん、ガスをつけっぱなしで来ちゃったわ」は感動詞的な用法で、あまり述語にかかる修飾語にはなりません対象の状態が慨嘆すべきであることを誇張的に述べ、慨嘆・危惧・同情・驚きなどの暗示がこもります。この「たいへん」は「ひどい」に似ていますが、「ひどい」には被害者意識が暗示されますよ。なお「あんぐり」との違いは、「あんぐり」は単独でまたは「と」が付いて述語にかかる修飾語になることが多いですが、述語になることもあるという点です。

その3「なに」

「なに」は相手の様子を聞き返す様子を表す感動詞で日常会話でのみ用いられます用いられる場面によってさまざまの感情を暗示しますよ。例えば「パパ、東大落っこった。なに、落ちたか。まあ、他があるさ」や「今のお話は初めてうかがいました。なに、知らなかったんですか」は相手の発話に対する反応として用いられた場合で、驚き・落胆・意外性・怒り・憤慨の暗示がこもります。また「なんだ、文句があるなら言ってみろ」や「こんなに散らかしちゃって、なあに」は相手の発話があるかどうかには関係なく、相手の行為に対する詰問として用いられた場合で、挑発・嫌悪・怒り・慨嘆の暗示がこもりますよ。ちなみに「あんぐり」との違いは、「あんぐり」は挑発・嫌悪・怒り・慨嘆の暗示がこもらないという点です。

「あんぐり」の対義語は?

「あんぐり」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「にやっ」

「にやっ」は声を立てずに一回笑いをもらす様子を表し、笑いをもらした瞬間の印象をとらえた表現。例えば「監督は作戦がまんまと成功してにやっとした」は「と-する」が付いて述語になりますし、「土産が酒と分かると作家はにやっと笑った」は「と」が付いて述語にかかる修飾語になります。主体が内心の余裕・快感・侮蔑などで思わず一回笑いをもらす様子を表し、見る者の不可解・不快などの暗示がありますよ。

「にやっ」は「にこっ」「にたっ」に似ていますが、「にっ」は口を横に開いて歯をむき出す様子を表し見る者の不可解・不気味・違和感の暗示があり、必ずしも笑いだけを表しません「にこっ」は主体が満足・喜び・快感などで一回笑いかける様子を表し、見る者の快感・共感の暗示がありますし、「にたっ」は主体が悪意のある満足・快感などで一回笑う様子を表し、見る者の不気味と軽い不快の暗示があります

その2「ほっ」

「ほっ」は上機嫌で小さく出す声を表し、実際の音声を描写する用法で用いますよ。主体が好ましいことに接して上機嫌で思わず口を開いて小さく出す声を表し、このとき声帯は鳴っていることが多いです。ただし、この「ほっ」は安堵のため息をつく様子と区別がつかないことも少なくありません

\次のページで「「あんぐり」の英訳は?」を解説!/

「あんぐり」の英訳は?

image by PIXTA / 70455063

「あんぐり」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「あんぐり」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

「open-mouthed」

「open-mouthed」は「あんぐり」という意味です。「He opened his mouth to gape in surprise」で「彼は驚きのあまりあんぐりと口を開いた」、「I open-mouthed to hear the news of my idol's marriage」で「アイドルの結婚報道を聞いてあんぐりした」と表現することができますよ。

「あんぐり」を使いこなそう

この記事では「あんぐり」の意味・使い方・類語などを説明しました。「あんぐり」は口を大きく開ける様子を表す表現。また「あんぐり」は「あーん」に似ていますが、「あーん」は口を開け始めることに視点があると解説しましたね。そのため「(子供に)お口、あんぐりとしてごらん」とは言わず、「お口、あーんとしてごらん」と言いますよ。それぞれのニュアンスの違いをしっかり覚えておきましょう。

" /> 「あんぐり」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「あんぐり」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「あんぐり」について解説する。
端的に言えば「あんぐり」の意味は「あきれたり驚いたりして無意識に口を大きく開けたさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「あんぐり」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「あんぐり」の意味や語源・使い方まとめ

image by PIXTA / 71486977

それでは早速「あんぐり」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「あんぐり」の意味は?

「あんぐり」には、次のような意味があります。

〘副〙 (「と」を伴う場合もある) 口を大きくあけるさま。多く、驚いたり、あきれたりして思わず口をあけるさまにいう。

出典:コトバンク

「あんぐり」は口を大きく開ける様子を表します。「あんぐり」は「あーん」に似ていますが、「あーん」は口を開け始めることに視点があります。ちなみに、「あぐっ」は口を開いてすぐ勢いよく閉じる様子を客観的に表しますよ。

「あんぐり」の語源は?

次に「あんぐり」の語源を確認しておきましょう。漢字で「あんぐり」は「安栗」と書きます。それでは「安」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「安」は家の意味を表す「ウ冠」と「女」とを合わせた字。女の人が家の中で静かに座っている様子から「安らか」「穏やか」の意味を表します。

\次のページで「「あんぐり」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: