
「外堀を埋める」の使い方を例文とともに解説!
では、「外堀を埋める」の使い方を例文とともに確認していきましょう。意外に幅広く用いることができる表現です。
1.田中容疑者はなかなか容疑を認めようとしない。共犯者を逮捕したり、新たな証拠を提示したりして外堀を埋めていく必要がありそうだ。
2.A国によるB国への侵攻を止めさせるため、世界各国はA国との貿易や金銭取引を禁じるなど、外堀を埋める作戦に出ている。
3.C社から何とかして少しでもシェアを奪いたいD社は、C社の優秀な従業員を好待遇で引き抜くという外堀を埋める作戦に出た。
例文1では、罪状を認めようとしない田中容疑者に対し、共犯者を逮捕したり、新たな証拠を提示したりすることで罪の自白をせざるを得ない状況に追い込もうとしています。決して無理矢理自白させようとしているわけではありませんよね。
例文2では、A国に対しての貿易や金銭取引を停止することでA国の戦争資金源を断ち、戦争を継続できない状態に追い込もうとしています。もしB国以外の国がA国に対して反撃した場合、多くの国を巻き込んだ大戦争に発展してしまう恐れがあることも一因ですね。
例文3では、C社から市場のシェアを奪うために、C社の優秀な従業員を引き抜くことでC社にダメージを与え、結果的にC社の業績を悪化させようとしています。ライバル会社の優秀な社員が自社に移籍したら、ライバルにとっては大損ですが、こちらにとってはチャンスですよね。
「外堀を埋める」の類義語は?

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続いて、「外堀を埋める」の類義語を見ていきましょう。「外堀を埋める」の類義語は「将を射んと欲すればまず馬を射よ」と「布石を打つ」です。意味や「外堀を埋める」との違いを確認していきましょう。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」まずは周辺の問題から片づけよ
「将を射んと欲すればまず馬を射よ(しょうをいんとほっすればまずうまをいよ)」は、「大きな目標の実現のためには、対象に直接あたるより、その周辺の問題から片づけていく方が良い」という意味のことわざです。敵の大将を狙って攻撃する場合、大将を最初から直接狙うよりも、まずは大将の乗っている馬を矢で射て、馬が矢の痛みで制御ができなくなったところで大将を狙えば、より安全に確実に大将を討ち取ることができます。国内での戦乱がなくなった現在では、戦場での本来の意味ではなく、派生した意味で使用されているのです。
この表現は、場合によっては人を馬に例えてしまうことにもなります。使用の際には気をつけましょう。
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