国語言葉の意味

【慣用句】「虎の尾を踏む」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学部卒Webライターがわかりやすく解説!

その2「竜の頷の珠を取る」

竜の頷の珠を取る」は「りゅうのあぎとのたまをとる」と読みます。「竜の頷(あぎと)」とは、「竜のあご」のこと。「竜の頷の珠を取る」の意味は、目的のために非常に危険なことをする、と言うことです。あまり馴染みのない言葉だと思いますが、実は昔話でよく知られている「竹取物語」にも関係がありますので紹介しましょう。

中国の古典『荘子』に、「竜頷」という記述があります。竜の首には美しい珠があり、危険を冒さなくては手に入れられない貴重な物だ、と言う意味です。
かぐや姫が、多くの男性に求婚された時、その結婚を避けるために求婚者に無理難題を要求したのは知っていますね。その時の一つが、この竜の頷の珠を取ってくることだったのです。

これらから「竜の頷の珠を取る」は、ある目的のために非常な危険をおかすことの例えとして使われるようになりました。

「虎の尾を踏む」の対義語は?

「虎の尾を踏む」の対義語は、ぴったりの言葉はありませんが、反対の意味に近い言葉に「君子危うきに近寄らず」があります。紹介しましょう。

「君子危うきに近寄らず」

君子危うきに近寄らず」(くんしあやうきにちかよらず)は、有名な言葉ですから聞いた事があるでしょう。「君子」とは、学識・人格ともにすぐれたりっぱな人、人格者のことを指します。つまり「君子危うきに近寄らず」は、賢い人は自分の行動を慎むので危険な事には近づかない、と言うことです。

「君子危うきに近寄らずだよ」と、人に危険を回避するよう忠告したり、賢い人の危なげない立ち回りを賞賛するときに「さすが君子危うきに近寄らずだね」などと使われます。

日本の独自な表現「竜の鬚を撫で虎の尾を踏む」

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中国の故事に由来した「虎の尾を踏む」を使って、日本独自に作られた言葉に「竜の鬚(ひげ)を撫で虎の尾を踏む」があります。説明しましょう。

平家物語の一節に「竜の髭(ひげ)をなで、とらのををふむ心地はせられけれども」と言う一文があります。日本人にとっても昔から竜は畏敬するものでした。ですから「竜の髭を撫でる」は、「虎の尾を踏む」のと同じく、大変な危険をおかすことですね。つまり「竜の鬚を撫で虎の尾を踏む」とは、きわめて危険な行為をすることを強調している言葉なのです。

日本独自の「竜の髭を撫でる」と言う表現と、中国の故事成語「虎の尾を踏む」が組み合わされた面白い表現ですね。

 

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「虎の尾を踏む」の類義語や対義語、関連した言葉について説明してきた。意味が似ている言葉には、同じく中国の故事を由来とする「累卵のあやうき」と言う言葉もあるぞ。語彙力向上のためにも調べてみてくれ。

「虎の尾を踏む」を使いこなそう

この記事では「虎の尾を踏む」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「虎の尾を踏む」の意味は、非常に危険な事をすることです。意図的に危険なことをする行為や、そのハラハラしている気持ちを表す際に使うことができます。

しかし、「虎の尾を踏む」を、虎の尾を踏んで怒らせる、と言うニュアンスでとらえて、人を怒らせることや、神経を逆なでする、と言う、「逆鱗にふれる」と同じような意味で誤用している例がとても多いです。気をつけましょう。

語源を知ることは、間違えやすい言葉の誤用を防ぐこともできるでしょう。

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