この記事では「筒抜け」について解説する。

端的に言えば筒抜けの意味は「話し声や物音、または秘密がすべて漏れていること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「筒抜け」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「筒抜け」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「筒抜け」の意味や語源・使い方まとめ

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筒抜け」は「つつぬけ」と読みます。日常会話でも良く使われる言葉ですね。ですが、「筒抜け」にはいくつかの意味があるのを知っていますか?普段から使っている言葉ですが、これを機会に正しく理解しましょう。

それでは早速「筒抜け」の意味や語源・使い方を見ていきます。

「筒抜け」の意味は?

まず初めに「筒抜け」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「筒抜け」には、次のような意味があります。

1. 物音や話し声が、そのまま他の人に聞こえること。また、秘密の内容などがそっくり他に漏れてしまうこと。
2.人の話などが頭の中にとどまらないで通りぬけてしまうこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「筒抜け」

「筒抜け」の一つめの意味は、話し声や音などが、そっくりそのまま他の場所に聞こえてしまっていることや、秘密がすぐに漏れて他人に知れてしまう、と言うことです。どちらかと言うとこちらの意味で用いられることが多いでしょう。
秘密が無く、不正がない、と言う公明正大のような意味ではなく、聞こえてしまっている、秘密が漏れてしまっていると言う、あまり良くないニュアンスで使われます。

もう一つの意味は、人の話が頭にとどまらず、通り抜けてしまう、つまり覚えられない、理解できない、と言うことです。

「筒抜け」の語源は?

次に「筒抜け」の語源を確認しておきましょう。

「筒抜け」とは、「筒」の底が「抜け」ている、と言うことです。筒の底が抜けてしまっていたら、中に入れたものは全て下に落ちてしまいますね。つまり筒の中に入れても漏れ落ちてしまう、と言うことから、音や会話などが丸聞こえであること、噂が漏洩してしまうこと、物事が頭を素通りしてしまい理解できない、と言う意味の「筒抜け」と言う言葉が生まれたというわけです。

\次のページで「「筒抜け」の使い方・例文」を解説!/

「筒抜け」の使い方・例文

それでは「筒抜け」の使い方を実際の例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.シェアハウスに越してきたが、壁が薄く、隣の住人が使うパソコンのタイプ音クリック音すら筒抜けで聞こえる。
2.やっつけで誤字脱字がひどいレポートを出したら、先生から怒られ、友達から親にも筒抜けで、どちらからも怒られた。
3.英語のヒアリングテストの上級を受けたが、私のレベルでは音声が右から左に筒抜けただけで少しも内容がわからなかった。

例文1は、音や声などがそのまま漏れ聞こえている、と言う意味でつかわれていますね。

例文2は、秘密や計画など、隠しておきたいことが、他の人に全て漏れてしまっていると言う意味の表現です。例文1と2は日常会話でも良く用いられる使い方ですね。

例文3の「筒抜け」は、とどまらずそのまま通り抜けてしまう、と言う使い方で、話を聞いても頭を通り抜けるだけで理解できなかったり、覚えられない、と言うことを表現するのに使われています。

「筒抜け」の類義語は?違いは?

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「筒抜け」の類義語には「だだ漏れ」や「おおっぴら」が挙げられます。

その1「だだ漏れ」

だだ漏れ」は「だだもれ」と読みます。日常会話でも良く使われる、比較的身近な言葉ですね。

だだ」は、接頭語であり、名詞・動詞・形容詞の頭に付して、後に続く言葉を修飾している語句です。「だだ」は程度が並外れて甚だしい、と言う意味を持っています。つまり「だだ漏れ」とは、液体などが容器からとめどなく流れ出ることです。また、情報や様子などが他者に漏れ出て、完全に把握されている、と言う意味でもよく使われます。

それでは「だだ漏れ」の使い方も例文で確かめてみましょう。

\次のページで「その2「おおっぴら」」を解説!/

画像や動画はネットに上げた時点で誰にでも再生可能で、個人情報がだだ漏れなのだから、今後は気軽にやらないように。

その2「おおっぴら」

「おおっぴら」も、身近な言葉ですね。

意味は、人目をはばからないさま。隠さずそのままである、と言うことです。また、「おおっぴらになる」と言った場合には、物事が表ざたになる、と言う意味になります。この場合、あまり良くない事や、秘密にしていたことが明らかになってしまう、と言うニュアンスになりますから、「筒抜け」の類義語と言えますね。

では、「おおっぴら」の使い方も例文で確かめてみましょう。

役員と懇意にしていた一部の会員へ、サービスが無料で提供されていたことがおおっぴらになり、苦情やお問合せが殺到している。

「筒抜け」の対義語は?

「筒抜け」にぴったりな対義語はありませんが、反対の意味に近い言葉に「黙秘」があります。

「黙秘」

黙秘」の読み方は「もくひ」です。裁判などを報道するニュースや新聞で「黙秘権」と言うのを見聞きしたことがあると思います。「黙秘」とは、秘密や、公にしたくない情報を黙って隠そうとすることです。

「筒抜け」を、情報や秘密が隠されず他者に知られている、と言う意味で使った場合の対義語と言えるでしょう。

「黙秘」の使い方を例文で確かめてみましょう。

被害を与えられた相手方からの疑問や追及にも、黙秘する姿勢をくずさない様子だった。

\次のページで「「筒抜け」の英訳は?」を解説!/

「筒抜け」の英訳は?

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筒抜けには複数の意味がありますが、秘密が漏れていると言いたい時には、漏洩すると言う意味の「leak」を使うと良いでしょう。例えば「The secret has leaked out.」と言えば、秘密が筒抜けだった、と訳すことができますね。

また、頭を筒抜けしてしまって理解できない、と言いたければ、中学英語で習ったように「I can't understand it.」(理解できません)と言うのも良いでしょう。もう一つの表現としては、超えていくと言う意味の「go over」を使って「it all goes over my head」(頭を超えてすり抜けてしまった。)と言うような表現でも、「筒抜け」と言う意味で使えます。

「筒抜け」を使いこなそう

この記事では「筒抜け」の意味・使い方・類語などを説明しました。「筒抜け」は、使い方によって、三種類の意味合いになることがわかりましたね。

一つは、音や声などがそのまま漏れ聞こえてしまっていることです。二つめには、情報や秘密が公然と漏れてしまっていると言うこと。そして、最後に、記憶や頭などに残らず、通り過ぎ覚えられないことですね。
どの意味でも、あまり良い意味で使われることはないでしょう。

文章の前後関係で意味を捉えられるようにしましょう。

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国語言葉の意味

「筒抜け」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学部卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「筒抜け」について解説する。

端的に言えば筒抜けの意味は「話し声や物音、または秘密がすべて漏れていること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「筒抜け」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「筒抜け」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「筒抜け」の意味や語源・使い方まとめ

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筒抜け」は「つつぬけ」と読みます。日常会話でも良く使われる言葉ですね。ですが、「筒抜け」にはいくつかの意味があるのを知っていますか?普段から使っている言葉ですが、これを機会に正しく理解しましょう。

それでは早速「筒抜け」の意味や語源・使い方を見ていきます。

「筒抜け」の意味は?

まず初めに「筒抜け」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「筒抜け」には、次のような意味があります。

1. 物音や話し声が、そのまま他の人に聞こえること。また、秘密の内容などがそっくり他に漏れてしまうこと。
2.人の話などが頭の中にとどまらないで通りぬけてしまうこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「筒抜け」

「筒抜け」の一つめの意味は、話し声や音などが、そっくりそのまま他の場所に聞こえてしまっていることや、秘密がすぐに漏れて他人に知れてしまう、と言うことです。どちらかと言うとこちらの意味で用いられることが多いでしょう。
秘密が無く、不正がない、と言う公明正大のような意味ではなく、聞こえてしまっている、秘密が漏れてしまっていると言う、あまり良くないニュアンスで使われます。

もう一つの意味は、人の話が頭にとどまらず、通り抜けてしまう、つまり覚えられない、理解できない、と言うことです。

「筒抜け」の語源は?

次に「筒抜け」の語源を確認しておきましょう。

「筒抜け」とは、「筒」の底が「抜け」ている、と言うことです。筒の底が抜けてしまっていたら、中に入れたものは全て下に落ちてしまいますね。つまり筒の中に入れても漏れ落ちてしまう、と言うことから、音や会話などが丸聞こえであること、噂が漏洩してしまうこと、物事が頭を素通りしてしまい理解できない、と言う意味の「筒抜け」と言う言葉が生まれたというわけです。

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