国語言葉の意味

【慣用句】「首尾よく」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学部卒Webライターがわかりやすく解説!

その2「とんとん拍子」

とんとん拍子」(とんとんびょうし)は、具合よくどんどん進行する事物事が順調にはかどる様子を表す言葉です。

「とんとん拍子」は近世末期ごろから使われていて、比較的新しい言葉と考えられます。語源はいくつか説があり、舞台役者が、師匠の手拍子に合わせて踊る時に、調子よく床を踏む「トントン」という音からと言うものや、太鼓の音がトントンと調子よく鳴る様子からと言う考えもあるようです。どちらにしても物事が調子よく進んでいく、と言うイメージでしょう。

「首尾よく」の対義語は?

「首尾よく」の対義語にぴったりの言葉はありませんが、反対に近い意味を持つ言葉に「差し障り」があります。

「差し障り」

「差し障り」は「さしさわり」と読みます。「差し障りがある」「差し障りがない」などの言い回しで日常会話でも良く使われますね。

「差し障り」は、物事を進める上での不都合、何らかの物事によって生じる、望ましくない事態や支障のことです。「障り」と言うのは、邪魔、や妨げ、と言う意味ですね。

問題なく上手くいくと言う意味の「首尾よく」の反対に近いの意味を持つ言葉と言えるでしょう。

「首尾」を使った表現

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今回学んだ「首尾」と言う言葉を使った表現をいくつか紹介しましょう。

首尾一貫(しゅびいっかん)」は、態度や主張・方針などがはじめから終わりまで変わらずに同じであることです。「首尾」は最初から最後までと言う意味で「一貫」は貫き通すことですね。「首尾貫徹(しゅびかんてつ)」も同じ意味で使われます。

上首尾(じょうしゅび)」は、「首尾よく」と同じく、物事がうまい具合に運ぶことや、都合よくいってよい結果を得る、と言う意味です。「上」は「上々」などと同じく、非常に良いと言う意味を持っています。

不首尾(不首尾)」は、「上首尾」「首尾よく」と反対の意味の表現で、事のなりゆきが思わしくなく、良い結果が得られないと言う意味です。ビジネスシーンなどで「不首尾に終わる」という言いまわして使われます。

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「首尾よく」の類義語や対義語、関連した言葉について説明してきた。「首尾よく」の類似表現は、「万事順調に」などもあるぞ。現代語では「スムーズに」なども言い換え表現として挙げられるぞ。反対の意味の表現は「障壁がある」などもいいだろう。語彙力向上のためにも調べてみてくれ。

「首尾よく」を使いこなそう

この記事では「首尾よく」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「首尾」は、物事の始まりから終わり、と言う意味で、それが転じて物事の成り行きや結果と言う意味も持つようになりました。現在では、成り行きや顛末、結果、と言う意味で用いられることが多いのですが、始まりから終わりと言う意味でも用いられることもあります。前述した「首尾一貫」などがこれに当たりますね。

そのほかにも、物事がうまくまとまるように処理することにも「首尾」が用いられます。具体的に言うと、御膳立てすると言うニュアンスで「首尾する」と表現するのがそうです。

「首尾」だけでも良く使われますので、これらの意味を覚えておきましょう。

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