この記事では「腕っ節」について解説する。

端的に言えば腕っ節の意味は「腕力」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元国語科教員ライターのminを呼んです。一緒に「腕っ節」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/min

高等学校の国語科教員として、授業や受験対策、小論文の講座を3年間経験。主に現代文を担当し、言葉に関する指導を幅広く経験してきた。現在はWebライターとして活動中。

「腕っ節」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「腕っ節」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「腕っ節」の意味は?

「腕っ節」には、次のような意味があります。

腕っぷし
読み方:うでっぷし
別表記:腕っ節、腕節

腕力を意味する語。もとは「腕節」(うでぶし)で腕の関節を意味する表現。

出典:実用日本語表現辞典

腕っ節(うでっぷし)」は、「腕節」がもとになった「腕の力」「腕力」という意味を持つ言葉です。「腕っ節が強い」といった形で使われているのをよく耳にすることがあるかもしれません。「腕っぷし」のように「節」がひらがなで表記される場合もあります。

「腕っ節」と「腕節」の違いは?

前述の内容と少し被りますが、「腕っ節」は「腕節」という言葉がもととなっており、辞書によっては「腕っ節(うでっぷし)」と調べてみると、上記のように「腕節(うでぷし)の促音添加」としか説明がない場合もあります。

しかし、この2つの言葉の間には少し違いがあると定義している辞書がほとんどです。「腕節」には確かに「腕の力」という意味もあったとされていますが、基本的には「」「腕の関節」そのものを示す言葉でした。一方、そこから派生した「腕っ節」は、「腕」そのものを指して使われず、「腕の力」「腕力」を指す言葉として用いられているのです。

関連の深い2つの言葉ですが、このように意味の違いが存在しているので、注意して使い分けるようにしましょう。

\次のページで「「腕っ節」の使い方・例文」を解説!/

「腕っ節」の使い方・例文

「腕っ節」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。参考までに「腕節」の例文も用意したので、合わせて確認していきましょう。

1.彼の自慢の腕っ節は、学生時代の部活動によって養われたらしい。
2.腕っ節の強い生徒でも、体育の先生に腕相撲で勝てなかった。
3.あの女の子はぶつかった拍子に、腕節に怪我を負ってしまったようだ。

「腕っ節」は「腕の力」「腕力」を指す言葉になるため、1・2のような「強さ」という言葉とセットで使われることが多いです。特に「力仕事・けんかをするときの強さ」を指します。

3は「腕っ節」のもととなった「腕節」の例文です。この場合は「腕力」ではなく「腕の関節」「腕そのもの」という意味になります。参考までに「腕節」の使い方も覚えておいてくださいね。

「腕っ節」の類義語は?違いは?

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次に「腕っ節」の類義語、関連語について解説していきます。似た意味の言葉との使い分けに注意してみていきましょう。

その1「腕力」

ここまででも何度か紹介した「腕力(わんりょく)」という言葉です。ただ「腕の力」というだけでなく肉体的な力全般を表し、これは「腕っ節」に関しても同じことが言えます。

色々な辞書で「腕力」という言葉を引いてみると、「相手を自分の意に従わせるために使う肉体の力」と定義しているものも一部ありました。「腕力に訴える」という表現を聞いたことがあるでしょうか。「肉体的な力で解決をはかること」を指し、「暴力に訴える」と同義の表現でもあります。こうした表現でこの「腕力」という言葉が用いられるように、「相手をねじ伏せるために使う肉体的な力」というニュアンスで使われることがあるのが特徴です。

\次のページで「その2「実力」」を解説!/

その2「実力」

次に「実力」です。こちらも「実際の行為・行動で示される力」という意味では、「腕っ節」と共通する部分がある類義語として挙げられるでしょう。

厳密に言うと「実力」は腕力や武力だけを指す言葉ではありません。広く捉えると「実際の力量」と定義されており、普段の生活の中でも、腕力に限らず「学力」などあらゆる能力に対して使うことがありますよね。腕力や肉体的な力に限定して使われる「腕っ節」に比べ、より幅広く用いることができる表現だということです。

また、「実力に訴える」「実力を行使する」という形で用いられる場合は、「力ずくで物事を解決しようとする」ような状況を示します。この場合は、「腕力」「腕っ節」と同じようなニュアンスで使われているということですね。前後の文脈に応じてうまく解釈できるように、理解しておきましょう。

「腕っ節」の対義語は?

「腕の力」という意味の「腕っ節」ですので、対義語を定義することは難しいでしょう。その分、意味、類義語、英訳などをしっかり理解しておくようにしてくださいね。

「腕っ節」の英訳は?

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最後に「腕っ節」の英訳について解説していきます。「腕っ節」は「腕力」、さらに広く捉えると「肉体的な力」を指す表現です。英語で言い換えるときはそれを「強さ」と考えると訳がしやすくなります。

とはいえ、「強さ」と定義される英単語はたくさん存在しているので、それぞれの微妙なニュアンスも含めて理解し、どれがぴったりなのかを検討できるようにしましょう。

腕っ節は英語で「strength」「power」

「力」「強さ」を示す英単語として真っ先に浮かぶのが「power」ではないでしょうか。「power」は力を表す最も一般的な語である且つ、抽象的な表現でもあります。体の外へと出す力、内に秘めた力など、どんな表現にもマッチする万能な表現です。迷ったときはこの「power」を使うと良いでしょう。

他にも「strength」という単語も「強さ」と訳されます。こちらは「人やものに備わっていて、行動を可能にする力」と定義され、人であれば体力筋力はもちろん、精神力知力などを指す表現です。物であれば「強度」「耐久力」を表すこともできます。「腕っ節」の場合は、この「strength」という表現の方がより伝わりやすいかもしれません。

その他、スターウォーズなどでも登場する「force」という単語も「力」を指す単語です。「force」は「人の手が及ばない力」を指して使われることが一般的で「重力」「磁力」などで用いられるため、「腕っ節」の訳には不適切ではありますが、この機会にぜひ合わせて覚えておきましょう。

以下に例文を用意していますので、参考にしてみてくださいね。

He is a man of great strength.
彼はかなり腕っ節の強い男だ。

The boy has a surprising physical power.(physical=肉体的な)
あの少年には驚くほど腕っ節が強い。

\次のページで「「腕っ節」を使いこなそう」を解説!/

「腕っ節」を使いこなそう

この記事では「腕っ節」の意味・使い方・類語などを説明しました。

元々は「腕節」という形で、文字通り「腕」そのものを表す言葉だったのが、次第に「腕力」という意味を持つようになり、さらにその意味を強調した「腕っ節」という言葉ができたのは面白いですね。使う機会は少ないかもしれませんが、語彙力向上のために言葉の意味や使い方を理解しておいてくださいね。

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国語言葉の意味

「腕っ節」の意味や使い方は?例文や類語を元国語科教員ライターがわかりやすく解説!

この記事では「腕っ節」について解説する。

端的に言えば腕っ節の意味は「腕力」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元国語科教員ライターのminを呼んです。一緒に「腕っ節」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/min

高等学校の国語科教員として、授業や受験対策、小論文の講座を3年間経験。主に現代文を担当し、言葉に関する指導を幅広く経験してきた。現在はWebライターとして活動中。

「腕っ節」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「腕っ節」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「腕っ節」の意味は?

「腕っ節」には、次のような意味があります。

腕っぷし
読み方:うでっぷし
別表記:腕っ節、腕節

腕力を意味する語。もとは「腕節」(うでぶし)で腕の関節を意味する表現。

出典:実用日本語表現辞典

腕っ節(うでっぷし)」は、「腕節」がもとになった「腕の力」「腕力」という意味を持つ言葉です。「腕っ節が強い」といった形で使われているのをよく耳にすることがあるかもしれません。「腕っぷし」のように「節」がひらがなで表記される場合もあります。

「腕っ節」と「腕節」の違いは?

前述の内容と少し被りますが、「腕っ節」は「腕節」という言葉がもととなっており、辞書によっては「腕っ節(うでっぷし)」と調べてみると、上記のように「腕節(うでぷし)の促音添加」としか説明がない場合もあります。

しかし、この2つの言葉の間には少し違いがあると定義している辞書がほとんどです。「腕節」には確かに「腕の力」という意味もあったとされていますが、基本的には「」「腕の関節」そのものを示す言葉でした。一方、そこから派生した「腕っ節」は、「腕」そのものを指して使われず、「腕の力」「腕力」を指す言葉として用いられているのです。

関連の深い2つの言葉ですが、このように意味の違いが存在しているので、注意して使い分けるようにしましょう。

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