国語言葉の意味

【ことわざ】「沈黙は金、雄弁は銀」の意味や使い方は?例文や類語を元広報紙編集者がわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「沈黙は金、雄弁は銀」について解説する。

端的に言えば沈黙は金、雄弁は銀の意味は「沈黙は雄弁に勝る」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

自治体広報紙の編集を8年経験した弘毅を呼んだ。一緒に「沈黙は金、雄弁は銀」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/八嶋弘毅

自治体広報紙の編集に8年携わった。正確な語句や慣用句の使い方が求められるので、正しい日本語の使い方には人一倍敏感。

「沈黙は金、雄弁は銀」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「沈黙は金、雄弁は銀」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「沈黙は金、雄弁は銀」の意味は?

「沈黙は金、雄弁は銀」には、次のような意味があります。

黙るべきときを知ることは、よどみなく話すことよりも大切だということ。

出典:明鏡国語辞典第三版(大修館書店)「沈黙は金、雄弁は銀」

「沈黙は金、雄弁は銀」「雄弁は銀、沈黙は金」と表現されることもありますが、意味はまったく同じです。また「沈黙は金」とだけ表現されることもあります。この場合の「金」は「かね」と読まないようにしてください。「きん」ですから注意しましょう。

下手な弁解や言い訳をするくらいなら黙っていたほうがまだましだという意味合いで使われる言葉です。このことわざは、なにがなんでも常に黙っていることがいいと言っているわけではありません。時と場合によっては言うべきことはしっかりと言うべきです。

日本人は周りとの軋轢を恐れて、得てして言うべきことも黙って周囲に同調してしまう傾向がありますが、沈黙がすべていいことだということを言っているのではありません。正しいと思ったことははっきりとそう伝えましょう。

「沈黙は金、雄弁は銀」の語源は?

次に「沈黙は金、雄弁は銀」の語源を確認しておきましょう。このことわざは、19世紀イギリスの歴史家・評論家であるトーマス・カーライルの著書『衣装哲学』のなかに記述された言葉がもとになっています。彼がこの著書のなかでどのような流れのなかでこの言葉を使ったのか定かではありませんが、少なくとも彼自身が考えた言葉ではないようです。実際は、彼がスイスで見たドイツ語の碑文に書かれた言葉が由来だと言われています。

碑文に書かれた正しい表現は「説得力のある言葉を持つことは大事だが、黙るべき時を知るのはもっと大事である」です。これが変化して「沈黙は金、雄弁は銀」とトーマス・カーライルが表記したと言われています。

『衣装哲学』と聞くと衣装などのファッションについて書かれた本だと考えがちですが、その本質は宇宙の象徴、形式、制度を衣装に見立てて論じたもので、極めて難解な哲学書です。

\次のページで「「沈黙は金、雄弁は銀」の使い方・例文」を解説!/

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