この記事では「目を引く」について解説する。

端的に言えば目を引くの意味は「人の注意を向けさせること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「目を引く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「目を引く」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんの周りには「目を引く」人が、1人は居るのではないでしょうか。意識していなくても、どうしても気になったりしてしまう人がいるものです。ではどうして人は、「目を引く」人に惹かれて、そのような人達に注目してしまうのでしょうか。それ以前に「目を引く」とは、どのような意味で言っているのかさえ知らない人もいると思います。それでは早速「目を引く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「目を引く」の意味は?

「目を引く」には、次のような意味があります。

1 人の注意を向けさせる。「派手な化粧が―・く」

2 目で合図をする。 「左右の見る人、口を掩ひ―・き笑ふ」〈古活字本保元・下〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目を引く」

「目を引く」とは、「目立つ」「人の注意を向けさせる」「注目される」「目で合図をする」という多くの意味を持っています。「目を引く」という言葉を聞くと、多くの人が「目立つ」という意味を感じたり、このようなニュアンスでこの言葉を使ってきた方が多いでしょう。「目立つ」とは、多くの人がその人に注目する事になります。そのため、「目を引く」には「注目される」という意味合いも含まれているのです。

それ以外にも、「目を引く」という言葉には「目で合図する」という意味もあります。しかし、これは「注目」と違い他の意味とつながりがありません。「目で合図する」とは、つまり目を動かす事によって、相手に意思を伝える事という意味で、「目を引く」には「目立つ」などの奇抜な意味だけではなく、コミュニケーションをするというニュアンスも含まれているのです。

「目を引く」の語源は?

次に「目を引く」の語源を確認しておきましょう。「目を引く」の具体的な語源は不明です。しかし、「目を引く」という言葉のつくりを見ると、簡単にわかるでしょう。「引く」には様々な意味がありますが、その1つに「 引き寄せ操って目ざす所に伴う」という意味があります。つまり、「目」と「引く」という漢字が組み合わさる事により「目を引き寄せる」、つまり「注目」などの意味の言葉になったと考えられるでしょう。

\次のページで「「目を引く」の使い方・例文」を解説!/

「目を引く」の使い方・例文

「目を引く」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.Bさんは高身長なので、クラスの中で一番目を引く人だ。
2.チラシでは、目玉商品を目を引くデザインにしてほしい。
3.彼女は派手な化粧で目を引いていた。

これらの例文について、1つ1つ詳しく見ていきましょう。

例文1のBさんのように、スタイルが良い人は注目されますよね。特に例文1のように学校などであれば、異性が興味を持つこともあります。大勢の人の中で、高身長であれば不思議と目立つものです。そんな人は「目を引く」人と言えるでしょう。

例文2は、スーパーかデパートの店長が、チラシを発注している場面が想像出来ます。店の目玉商品ですから、チラシを見た人が「目を引かれる」デザインにしてほしいのは当然でしょう。このような時には、「目を引く」という言葉を使うと、相手に意図が伝わりやすくなります。

例文3の文章は「彼女は派手な化粧で注目されていた/目立っていた」という内容になるでしょう。過去形なので、今現在は化粧は大人しめになっていると考えられます。目立つほどの派手な化粧で、今は大人しめになっているという事は、マイナスな意味での文章と予想できますね。

「目を引く」の類義語は?違いは?

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「目を引く」には「人の注意を向けさせる」「注目させる」という意味がありました。そんな「目を引く」の類義語についても見ていきましょう。

その1「目を奪う」

「目を奪う」とは、「美しさや素晴らしさなどの魅力で惹きつけ、それ以外のものが目に入らないように夢中にさせるさま」という意味。「目を引く」とは、「人の注意を向けさせる」「注目させる」という意味なので、類義語と言えるでしょう。

違いとしては、「目を奪う」は意味にもある通り、美しさやすばらしさなど、魅力的に感じたものに夢中になってしまった場合に使われます。

\次のページで「その2「人目に付く」」を解説!/

・友人の結婚式で、新婦さんがとても綺麗で目を奪われてしまった。

・近所のクリスマスのイルミネーションに思わず目を奪われた。

・彼と海水浴に行ったが、彼は美人に目を奪われました。

その2「人目に付く」

もう1つの類義語には、「人目に付く」という言葉が挙げられます。「人目に付く」とは、「他人から注目されること。人目に立つともいう」という意味です。「目を引く」には「注目させる」という意味があるので、類義語と言えるでしょう。

・少年の着ている服を考えれば、嫌でも人目に付くだろう。

・あの建物は奇妙な形をしていて人目に付くから、みんなの集合場所や目印に使われている。

・せっかく店の看板を出すんだから、そこじゃなくもっと人目に付くところにしよう。

その3「魅了される」

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「魅了される」は「みりょうされる」と読み、「心がどうしようもなく惹きつけられるようす」という意味。「注目させる」という意味の「目を引く」の、類義語と言えるでしょう。違いとしては、「魅了される」は心が引き付けられるさまを、「目を引く」は目が引き付けられるさまを表現しています。

・最初は退屈に思えたものの、投げを決めているうちにすぐに魅了された。

・その理由は卓越したその才能に誰もが魅了されることとなったからだ。

・その小説に魅了された主人公は次々と現実を思うがままに変えていく。

「目を引く」を使いこなそう

この記事では「目を引く」の意味・使い方・類語などを説明しました。「目を引く」とは、「目立つ」「人の注意を向けさせる」「注目される」「目で合図をする」など多くの意味を持っています。「目を引く」は、ポジティブな意味で注目されていたり、目立っている場合に使われる事が多いですが、ネガティブな意味でも使われる事があるのです。

類義語には、「目を奪う」「魅了される」「人目に付く」などが挙げられ、それぞれ使い道やニュアンスに違いがあるので、上手に使い分ける事が出来ます。

ビジネスシーンや日常生活など、ほかにも様々なシーンで使われる「目を引く」という慣用句の意味や使い方をしっかり理解し、実際に使ってみましょう。

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【慣用句】「目を引く」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「目を引く」について解説する。

端的に言えば目を引くの意味は「人の注意を向けさせること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「目を引く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「目を引く」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんの周りには「目を引く」人が、1人は居るのではないでしょうか。意識していなくても、どうしても気になったりしてしまう人がいるものです。ではどうして人は、「目を引く」人に惹かれて、そのような人達に注目してしまうのでしょうか。それ以前に「目を引く」とは、どのような意味で言っているのかさえ知らない人もいると思います。それでは早速「目を引く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「目を引く」の意味は?

「目を引く」には、次のような意味があります。

1 人の注意を向けさせる。「派手な化粧が―・く」

2 目で合図をする。 「左右の見る人、口を掩ひ―・き笑ふ」〈古活字本保元・下〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目を引く」

「目を引く」とは、「目立つ」「人の注意を向けさせる」「注目される」「目で合図をする」という多くの意味を持っています。「目を引く」という言葉を聞くと、多くの人が「目立つ」という意味を感じたり、このようなニュアンスでこの言葉を使ってきた方が多いでしょう。「目立つ」とは、多くの人がその人に注目する事になります。そのため、「目を引く」には「注目される」という意味合いも含まれているのです。

それ以外にも、「目を引く」という言葉には「目で合図する」という意味もあります。しかし、これは「注目」と違い他の意味とつながりがありません。「目で合図する」とは、つまり目を動かす事によって、相手に意思を伝える事という意味で、「目を引く」には「目立つ」などの奇抜な意味だけではなく、コミュニケーションをするというニュアンスも含まれているのです。

「目を引く」の語源は?

次に「目を引く」の語源を確認しておきましょう。「目を引く」の具体的な語源は不明です。しかし、「目を引く」という言葉のつくりを見ると、簡単にわかるでしょう。「引く」には様々な意味がありますが、その1つに「 引き寄せ操って目ざす所に伴う」という意味があります。つまり、「目」と「引く」という漢字が組み合わさる事により「目を引き寄せる」、つまり「注目」などの意味の言葉になったと考えられるでしょう。

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