
その2「兄弟は手足なり」
「きょうだいはしゅそくなり」と読み、お互いの手足のように助け合うのが兄弟であるという意味を持ちます。
また「兄弟は左右の手なり(けいていはさゆうのてなり)」も同様の表現で、「魏志」王脩伝から来た表現です。
手足のように一度失えば二度と戻ってこないかけがえのないものというニュアンスも含みます。絆が深いという意味よりも「助け合うべきだ」と理想のあり方を示すように使うので注意しましょう。
その3「血の寄るものは親子」
親子の血は混じりあうが、他人同士だとはじき合ってしまうことをたとえに親子の絆の強さを示します。
ちなみに血が混じるか否かに関しては科学的に誤っているため、あくまでもたとえ話だと覚えておくと良いでしょう。
「血は水よりも濃い」の対義語は?
つづいて、「血は水よりも濃い」と反対の意味を持つ言葉について学んでいきましょう。
その1「兄弟は他人の始まり」
たとえ血のつながった兄弟でも、家庭から巣立ちそれぞれの道を歩む中で疎遠になっていくということを指します。
「兄弟は他人の別れ」と言うこともあり、親子関係に比べて薄れやすい兄弟関係を示していますね。かつては現代のようにインターネットなどを通して簡単に連絡をとることもままならなかったので、余計に干渉しあわなかったのかもしれません。
必ずしもネガティブな意味ではありませんが、悲しいことというニュアンスで用いられます。
その2「氏より育ち」
どんな家に生まれるかよりも、どのように育てられるかの方がその後どんな人間になっていくかに影響するということを表します。
「氏」は家柄、格式などを示し、「育ち」は環境やしつけのことを指す単語です。上方かるたにも含まれており、比較的著名な慣用句だと言えるでしょう。
血筋を重視する「血は水よりも濃い」とは正反対の意味ですね。
その3「遠くの親類より近くの他人」
離れた場所にいる血のつながった人々よりも身近にいる家族以外の人の方が頼りになるという意味です。
いくら家族の絆があっても物理的に何もできない、すぐに来ることができないという状態ならどうしようもありません。また、疎遠な親類と親密な他人を比較している場合もあります。
状況に応じて使い分けていきましょう。
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