この記事では「血は水よりも濃い」について解説する。

端的に言えば血は水よりも濃いの意味は「血縁関係はどんな関係よりも固い絆を持つ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んです。一緒に「血は水よりも濃い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/fleur

小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。

「血は水よりも濃い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「血は水よりも濃い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「血は水よりも濃い」の意味は?

「血は水よりも濃い」には、次のような意味があります。

血筋を引いた間柄は、他人に対するより親密であることのたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「血は水よりも濃い」

血縁関係はどんな関係よりも固い絆を持つ、という意味の表現です。

この他にも血が繋がっている人同士は似ている点が多いという意味でも使われます。

「血は水よりも濃い」の語源は?

次に「血は水よりも濃い」の由来を確認しておきましょう。

血液は純粋な水と比べて重く濃度が高いため、血縁関係を持つ人物同士の方が親密な他人よりも深くつながっていることをたとえるようになりました。

\次のページで「「血は水よりも濃い」の使い方・例文」を解説!/

「血は水よりも濃い」の使い方・例文

「血は水よりも濃い」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.いつも憎まれ口をたたく弟だが、私が志望校に合格したときは泣いて喜んでくれた。血は水よりも濃いと言うが、このことかもしれない。
2.有事のときには親族一同で協力したものだ。まさに血は水よりも濃いということだ。
3.血は水よりも濃いと言うが、私は家庭環境が複雑なので家族以外との人間関係を大切にしている。

1では、兄弟との心での深いつながりに対して使っています。

2も親戚中の人々で力を合わせて困難を乗り越えるという状況を示すのに使われている例です。普段感じることはなくとも、いざというときに絆の強さを感じるものですね。

3では逆に一般的な家族同士の絆を引き合いに出すために用いられています。

「血は水よりも濃い」の類義語は?違いは?

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次に、「血は水よりも濃い」と似た意味を持つ単語や関連する表現について見ていきましょう。

その1「血は争えない」

子が両親から見た目や性格などを引き継いでいるのは言うまでもないということを表します。

ここでの「争えない」という表現は、明瞭な事実を表すのに使われたものです。父母と同じ趣味や欠点を持っているときに使われることが多いでしょう。

「蛙の子は蛙」もややネガティブですが似た意味で使うことができます。

\次のページで「その2「兄弟は手足なり」」を解説!/

その2「兄弟は手足なり」

「きょうだいはしゅそくなり」と読み、お互いの手足のように助け合うのが兄弟であるという意味を持ちます。

また「兄弟は左右の手なり(けいていはさゆうのてなり)」も同様の表現で、「魏志」王脩伝から来た表現です。

手足のように一度失えば二度と戻ってこないかけがえのないものというニュアンスも含みます。絆が深いという意味よりも「助け合うべきだ」と理想のあり方を示すように使うので注意しましょう。

その3「血の寄るものは親子」

親子の血は混じりあうが、他人同士だとはじき合ってしまうことをたとえに親子の絆の強さを示します。

ちなみに血が混じるか否かに関しては科学的に誤っているため、あくまでもたとえ話だと覚えておくと良いでしょう。

「血は水よりも濃い」の対義語は?

つづいて、「血は水よりも濃い」と反対の意味を持つ言葉について学んでいきましょう。

その1「兄弟は他人の始まり」

たとえ血のつながった兄弟でも、家庭から巣立ちそれぞれの道を歩む中で疎遠になっていくということを指します。

「兄弟は他人の別れ」と言うこともあり、親子関係に比べて薄れやすい兄弟関係を示していますね。かつては現代のようにインターネットなどを通して簡単に連絡をとることもままならなかったので、余計に干渉しあわなかったのかもしれません。

必ずしもネガティブな意味ではありませんが、悲しいことというニュアンスで用いられます。

その2「氏より育ち」

どんな家に生まれるかよりも、どのように育てられるかの方がその後どんな人間になっていくかに影響するということを表します。

「氏」は家柄、格式などを示し、「育ち」は環境やしつけのことを指す単語です。上方かるたにも含まれており、比較的著名な慣用句だと言えるでしょう。

血筋を重視する「血は水よりも濃い」とは正反対の意味ですね。

その3「遠くの親類より近くの他人」

離れた場所にいる血のつながった人々よりも身近にいる家族以外の人の方が頼りになるという意味です。

いくら家族の絆があっても物理的に何もできない、すぐに来ることができないという状態ならどうしようもありません。また、疎遠な親類と親密な他人を比較している場合もあります。

状況に応じて使い分けていきましょう。

\次のページで「「血は水よりも濃い」の英訳は?」を解説!/

「血は水よりも濃い」の英訳は?

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最後に、「血は水よりも濃い」を英語で表す方法についてご紹介します。

その1「Blood is thicker than water.」

「血は水よりも濃い」の元となった英語の慣用句です。意味や使い方は日本語のものと同じになっています。

「Blood is」が「Blood runs」となっている場合もありますが意味は変わらないので注意しましょう。「thick」は主に分厚いという意味で使われますがここでは「濃度・粘土が高い」ことを表します。

その2「Blood will tell.」

血は語るという意味です。日本語で言えば「血は争えない」に最も近いでしょう。

意味は違いますが日本語の「目は口程に物を言う」という慣用句に言葉の使い方が似ていますね。

「血は水よりも濃い」を血縁関係者の絆の深さではなく遺伝や似ているなどの意味で言いたい場合はこちらを使うと良いでしょう。

その3「in the blood」

親譲りの、という意味です。

日本語で「血は争えないね」と言うときと同じニュアンスで使うことができます。「the」を「your, my, his, her」などに変えて特定に人物について言及することも可能です。

遺伝という意味だけでなく、生来の性質という意味でも使うことができるので合わせて覚えておきましょう。

「血は水よりも濃い」を使いこなそう

この記事では「血は水よりも濃い」の意味・使い方・類語などを説明しました。

桜木先生の言うように血に関する表現はたくさんあり、似ているようで違った意味を持っていましたね。本記事を参考に、それぞれきちんと理解し適切に使い分けていきましょう。正しく使える語彙が増えると、会話も広がりやすくなります。

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【慣用句】「血は水よりも濃い」の意味や使い方は?例文や類語を現役文学部生ライターがわかりやすく解説!

この記事では「血は水よりも濃い」について解説する。

端的に言えば血は水よりも濃いの意味は「血縁関係はどんな関係よりも固い絆を持つ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んです。一緒に「血は水よりも濃い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/fleur

小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。

「血は水よりも濃い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「血は水よりも濃い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「血は水よりも濃い」の意味は?

「血は水よりも濃い」には、次のような意味があります。

血筋を引いた間柄は、他人に対するより親密であることのたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「血は水よりも濃い」

血縁関係はどんな関係よりも固い絆を持つ、という意味の表現です。

この他にも血が繋がっている人同士は似ている点が多いという意味でも使われます。

「血は水よりも濃い」の語源は?

次に「血は水よりも濃い」の由来を確認しておきましょう。

血液は純粋な水と比べて重く濃度が高いため、血縁関係を持つ人物同士の方が親密な他人よりも深くつながっていることをたとえるようになりました。

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