
その2「花を摘む」「キジを撃つ」
「用を足す」の2つの意味、「排泄する」の婉曲表現です。もちろん「トイレに行く」「おしっこしてくる」でも内容は同じですが、見慣れない方も多いであろう表現を挙げてみました。
この2つ、女性が用を足す場合は「花を摘む」、男性なら「キジを撃つ」といいます。元は登山用語のようで、確かに女性がやむを得ず草むらなどで排泄する様子を花摘みに例えたのには納得です。男性の場合はどうなのか、女性である筆者には今一つピンときませんが…。
ほかに、面白い表現では「レコーディングしてくる」と表すこともあるそうですよ。レコーディングは「音入れ」なので「おトイレ」とかけているとのこと。いろいろな表現があって面白いですね。
・ユーザーからのクレームが相次いでいるのに、毎日「所用がありまして」と他人事のような顔をして帰宅するのはやめてほしい。
・登山初級者の彼は、先輩の女性が「花を摘んでくる」といった意味が分からずに「花なんてあります?」と複雑な表情になった。
「用を足す」の対義語は?
2つの意味どちらも、反対にすると「用事を済ませない」「排泄しない」というだけのことで、積極的な状態とはいえませんね。ですから、それを端的に表す対義語は存在しません。
その1「finish one’s errands」
「errand」は「使い、用事」の意味で、特に短距離の移動を伴い、屋外で行う用事を指します。まさに日本語の「ちょっとそこまで」のニュアンスなので、「用を足す」にもぴったりではないでしょうか。
ほかに、「do some shopping」で「ちょっと買い物をする」、「do some banking」で「銀行で用を済ませる」のように「do some ~ing」を用いる方法もありますよ。
その2「go to wash my hands」
日本語で「お手洗いに行く」というのと同様、実際に手を洗うことだけが目的ではなくとも使える表現です。「お化粧室」と対応するかのように、「powder my nose(鼻に粉をはたく)」とも表せます。
ちなみに英語で「トイレ」そのものを表す際も、「toilet」「bathroom」「restroom」といろいろな表現がありますね。日本語も「お手洗い」「お化粧室」や、古いところでは「厠(かわや)」「ご不浄(ごふじょう)」などなど。場面に応じて使い分けられると少しスマートな印象になりますよ。
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