この記事では「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」について解説する。

端的に言えば、伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つの意味は「伊勢は津の港があるから参拝客、尾張は名古屋の新しい城で、それぞれ賑わう」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の意味は?

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」は、ことわざ(慣用句)です。この言葉の一部分で「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ」には、次のような意味があります。

伊勢は津の港があるために参拝客が多く、津の港は伊勢神宮への参拝客が利用するために栄える。「尾張名古屋は城で持つ」と続けて用いることが多い。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ(いせはつでもつつはいせでもつ)」

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の意味について、詳しく解説します。

伊勢は今の三重県、津市は三重県の県庁所在地です。昔から、津には港があり、ここに伊勢神宮への参拝者が多く集まり、賑わいました。

一方、尾張は現在の愛知県の一部であり、名古屋市は県庁所在地。この名古屋には新しい城(名古屋城)ができて賑わっているとの意味です。

「持つ」は「保つ」という意味。伊勢は津(の港)のおかげで、名古屋は城のおかげで繁栄しているという意味になります。

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」は」の語源は?

次に、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の語源を確認しておきましょう。

この「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」は、江戸時代に流行した俗謡の一節です。俗謡とは、民謡や流行歌など通俗的な歌の総称。

江戸時代に伊勢国で唄われて全国に広まった「伊勢音頭」で、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」と唄われ、これが有名になったのが、この言葉の由来です。

\次のページで「「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の使い方・例文」を解説!/

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の使い方・例文

続いて、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の使い方を、例文を使って見ていきます。

1.「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」に出てくる名古屋城は築城当初とは異なり、本丸御殿や天守閣などが復元されたものだ。
2.「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ」と聞くと、日本と世界をめぐる旅行をしたくなる。長年の歴史、壮大な史実や記録がある場所で、徒歩でゆっくり歩きたい。
3.「尾張名古屋は城で持つ」の名古屋城へは、地下鉄で行くのが便利。市役所からも近く、今も名古屋市民のよりどころだ。野球の試合ついでに観覧するのもおすすめ。

それでは、それぞれの例文を、順番に解説していきます。

例文1は、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」をそのまま使い、その中でも「名古屋城」を説明した文章です。

例文2は、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ」の部分だけを用いて、伊勢や津などの賑わいを表現した文章。例文3は、後半の「尾張名古屋は城で持つ」のみを使うことで、名古屋のことを説明しています。

このように、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」をすべて使う場合もある一方、伊勢と尾張、どちらかを使う場合もあるのも、覚えておきましょう。

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の類義語は?違いは?

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次に、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の類義語(類語)について。言葉の中に、地名という固有名詞が入っているため、そのままの意味での類義語はありません。

「伊勢」を使ったことわざとして「伊勢へ七度、熊野へ三度」があります。これは、伊勢神宮7回と熊野三山3回も参拝したことで、信仰が深いことのたとえです。

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の対義語は?

続いて、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の対義語(反対語)について。

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の、はっきりとした対義語はありません。

「持つ」が、繁栄する、にぎわうなどの意味なので、その逆を考えると、衰退、衰微、退廃、廃れているなどが考えられます。

\次のページで「「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の英訳は?」を解説!/

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の英訳は?

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さらに、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の英訳についても、念のため確認しておきましょう。

この言葉をそのまま英語に訳すのは、なかなか至難の業です。あえてそのまま英訳すると、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ」は、「Ise flourishes by Tsu (port), Tsu  flourishes by Ise (Shrine). となります。」

一方、「尾張名古屋は城で持つ」の英訳は、The castle makes Nagoya what she is. です。

「The castle makes Nagoya what she is.」

「尾張名古屋は城で持つ」の英訳は、「The castle makes Nagoya what she is.  」となります。

The castle は名古屋城で、あえて「she」と表現されているのに注目。英語に女性名詞などの定義はありません。

大名をはじめ武将たちがほぼ皆、男性だったこと、彼らの拠点であり、成果などを生み出す場所との意味で、城が女性を連想させると考えられます。船、国、車なども同様です。

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」を使いこなそう

この記事では、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

江戸時代に、伊勢音頭で唄われたことから全国に広がり、今に至るまで知られることわざ・慣用句です。伊勢は津の港が伊勢神宮の参拝客でにぎわい、一方、尾張は新しい名古屋城で栄えているという意味。現在も、伊勢神宮も名古屋城も人気の観光スポットです。

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国語言葉の意味

【ことわざ】「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」について解説する。

端的に言えば、伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つの意味は「伊勢は津の港があるから参拝客、尾張は名古屋の新しい城で、それぞれ賑わう」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の意味は?

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」は、ことわざ(慣用句)です。この言葉の一部分で「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ」には、次のような意味があります。

伊勢は津の港があるために参拝客が多く、津の港は伊勢神宮への参拝客が利用するために栄える。「尾張名古屋は城で持つ」と続けて用いることが多い。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ(いせはつでもつつはいせでもつ)」

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の意味について、詳しく解説します。

伊勢は今の三重県、津市は三重県の県庁所在地です。昔から、津には港があり、ここに伊勢神宮への参拝者が多く集まり、賑わいました。

一方、尾張は現在の愛知県の一部であり、名古屋市は県庁所在地。この名古屋には新しい城(名古屋城)ができて賑わっているとの意味です。

「持つ」は「保つ」という意味。伊勢は津(の港)のおかげで、名古屋は城のおかげで繁栄しているという意味になります。

「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」は」の語源は?

次に、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」の語源を確認しておきましょう。

この「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」は、江戸時代に流行した俗謡の一節です。俗謡とは、民謡や流行歌など通俗的な歌の総称。

江戸時代に伊勢国で唄われて全国に広まった「伊勢音頭」で、「伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は城で持つ」と唄われ、これが有名になったのが、この言葉の由来です。

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