

端的に言えば要領を得ないの意味は「要点が分からない」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んだ。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「要領を得ない」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/タケル
某国立大で日本語学を専攻していた。私(ライター)は筆まめな方だと思うが、話すのはかなり苦手。言いたいことをうまくまとめられず、相手からは要領を得ないと言われる。
「要領を得ない」の意味は?
「要領を得ない」には、次のような意味があります。
《「史記」大宛伝から》要点がはっきりしない。筋道が立たない。「—◦ない説明」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「要領を得ない」
「要領を得ない」(ようりょうをえない)とは、「要点が分からない、筋道が立たない」という意味の慣用句です。「不得要領」(ふとくようりょう)という言い方もあります。
「要領を得ない」の語源は?
次に「要領を得ない」の語源を確認しておきましょう。
古代中国では、「要領」という言葉がすでに使われていました。『史記』などで記述が見られます。そして、「要領」は「腰領」とも書き、そもそもは服の腰と襟の部分を表す言葉です。「腰領」は服の中でも重要なパーツであり、転じて「物事の大事な部分、上手な処理の方法」を表すようになりました。今では漢字も「要領」と書くように変化しています。
そして、ここでの「得る」の意味は「納得する、理解する」です。合わせて「要領を得る」とは、「大事な部分を理解する」という意味となります。そして、「要領を得ない」はその反対ですので、「大事な部分が分からない」となるわけです。
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