この記事では「ほっつき歩く」について解説する。

端的に言えば、ほっつき歩くの意味は「あてもなく歩くこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「ほっつき歩く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「ほっつき歩く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「ほっつき歩く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ほっつき歩く」の意味は?

「ほっつき歩く」には、次のような意味があります。

「ほつきあるく」の音変化。「繁華街を―・く」

「ほつきあるく」の意味は、あてもなくあちらこちらと歩く。ほっつきあるく。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ほっつき歩く(ほっつきあるく)」

まず、「ほっつき歩く」は、「ほつき歩く」が音変化した言葉です。そのほつき歩くの意味は、あてもなくあちらこちらと歩くこと

主に、「夜中にいったいどこをほっつき歩いてきたのか」といった使い方をします。

「ほっつき歩く」の語源は?

次に、「ほっつき歩く」の語源を確認しておきましょう。

ほっつき歩くの元の言葉、ほるき歩くの「ほつく」は、あちこち歩き回るうろつくといった意味のほか、金銭を浪費する、使い果たすという意味も。

「歩く」が言葉に付くことで、あてもなくぶらぶらとその辺を歩き回ることがより強調された用語となります。

\次のページで「「ほっつき歩く」の使い方・例文」を解説!/

「ほっつき歩く」の使い方・例文

「ほっつき歩く」の使い方を、例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.朝食を食べた後、宿泊先からビーチへの散歩ついでに公園までほっつき歩くことが増加した。
2.アメリカ滞在中、彼女と一緒に街なかをほっつき歩き、徘徊するのが楽しかった。
3.野球の試合を観戦した後、勝利の余韻でほっつき歩いて周辺を散策した。

それでは、それぞれの例文について、解説していきます。

例文1は、散歩からの「ほっつき歩く」で、あてもなく歩いている意味。例文2も、徘徊という言葉が「ほっつき歩く」と文章で表現されています。

例文3も同様で、「ほっつき歩く」が、ぶらぶらとてもなく、その辺を適当に歩いているという意味。現在では、ほつき歩くより、ほっつき歩くのほうがよく用いられます。

「ほっつき歩く」の類義語は?違いは?

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次に「ほっつき歩く」の類義語(類語)を見ていきましょう。

類義語は数多くあり、例えば、遊歩、放浪、転転、ぶらつく、漂流、流歩く、散策、浮遊、流浪、散歩、そぞろ歩く、回歴、彷徨う、漫歩、逍遥、立ち廻るなど。

その1「漫歩」

「漫歩」(そぞろあるき)とは、あてもなくぶらぶらと歩きまわる、すずろあるき、漫然と歩きまわること、という意味。まんぽ、と読むことも。その意味からしても、「ほっつき歩く」とほぼ同じです。

夏目漱石の『草枕』に「山里の朧に乗じてそぞろ歩く」、森鴎外の『舞姫』に「余は獣苑を漫歩して」との一文が出てきます。

\次のページで「その2「逍遥」」を解説!/

その2「逍遥」

「逍遥」は、しょうようと読み、気ままにあちこちを歩き回ることそぞろ歩き散歩といった意味。「郊外を逍遥する」といった使い方をします。

「ほっつき歩く」と、意味はほぼ同じです。

ちなみに「逍遥学派」は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスの開いた学校リュケイオンに学んだ弟子の総称で、アリストテレスが学校の歩廊を逍遥しながら講義したところから。

その3「放浪」

「放浪」は、あてもなくさまよい歩くという意味。「放浪の旅」「各地を放浪する」といった使い方をします。放浪の類義語に、流浪、漂白、流離など。

「ほっつき歩く」も同じ意味ではあるものの、放浪のほうが規模がやや大きなさまよい歩くことを指すことが多いです。

「ほっつき歩く」の対義語は?

続いて、「ほっつき歩く」の対義語(反対語)について。

「ほっつき歩く」の対義語として、はっきりとした言葉はありません。

ただ、「ほっつき歩く」の類義語を調べると、放浪や流浪などの対義語は「定住」「定着」であり、これらが「ほっつき歩く」のやや逆の意味を持つ言葉といえそうです。

「ほっつき歩く」の英訳は?

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さらに、「ほっつき歩く」の英訳も、確認しておきましょう。

「ほっつき歩く」を英語に訳すと、wander about のほか、lurkmill aroundloaf など、多くの英単語や英熟語があります。

その1「wander about」

wander about は、「wander」が歩き回る、ぶらつく、徘徊する、さまよう、横道にそれるなどの意味を持つ英単語。「about」が付くと、歩き回る、さまよい歩くといった意味になります。

wander freely about で、自由に歩き回るという英語表現も。

その2「lurk」

lurk は、さまざまな意味がある英単語で、そのうち、コソコソ動く、人目を避けて行動するといった意味が、ほっつき歩くの意味に近い英語表現と言えそうです。

\次のページで「その3「mill around」「mill about」」を解説!/

その3「mill around」「mill about」

mill aroundmill about も、動き回る、あたりをうろつくといった意味の英語表現。

「mill」は、工場や製粉機、臼で粉にするなどの意味があるものの、「mill around」「mill about」となると、ほっつき歩くという意味になります。

それでは、その他の英語表現も含め、例文を見ていきましょう。

・My parents wander about around our home every day.

私の両親は毎日家の周りをほっつき歩いている。 

・She mills about the periphery of famous singer\'s home.

彼女は人気歌手の自宅周辺をほっつき歩いている。

・The students like to loiter in the city center.

学生たちは、市の中心部をほっつき歩くのが好きだ。

「ほっつき歩く」を使いこなそう

この記事では、「ほっつき歩く」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「ほっつき歩く」はもともと「ほつき歩く」であり、現代ではほっつき歩くのほうがよく使われています。意味は、あてもなくぶらぶらと歩きまわるです。

わからない言葉があれば、辞書や辞典をまず参考に、インターネットで検索する習慣をつけましょう。それぞれの日本語のヒントやキーワードが見つかり、疑問が解決するはずです。

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国語言葉の意味

「ほっつき歩く」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「ほっつき歩く」について解説する。

端的に言えば、ほっつき歩くの意味は「あてもなく歩くこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「ほっつき歩く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「ほっつき歩く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「ほっつき歩く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ほっつき歩く」の意味は?

「ほっつき歩く」には、次のような意味があります。

「ほつきあるく」の音変化。「繁華街を―・く」

「ほつきあるく」の意味は、あてもなくあちらこちらと歩く。ほっつきあるく。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ほっつき歩く(ほっつきあるく)」

まず、「ほっつき歩く」は、「ほつき歩く」が音変化した言葉です。そのほつき歩くの意味は、あてもなくあちらこちらと歩くこと

主に、「夜中にいったいどこをほっつき歩いてきたのか」といった使い方をします。

「ほっつき歩く」の語源は?

次に、「ほっつき歩く」の語源を確認しておきましょう。

ほっつき歩くの元の言葉、ほるき歩くの「ほつく」は、あちこち歩き回るうろつくといった意味のほか、金銭を浪費する、使い果たすという意味も。

「歩く」が言葉に付くことで、あてもなくぶらぶらとその辺を歩き回ることがより強調された用語となります。

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