
その2「罵詈雑言を浴びせる(ばりぞうごんをあびせる)」
口ぎたない言葉でののしることです。「詈」の字も「罵」と同じく、「ののしる、言い立てる」といった意味。「雑言」は悪口のことで、とにかく相手を非難して暴言を吐くニュアンスの漢字が集められた熟語です。
同様の意味で「悪口雑言(あっこうぞうごん)」もありますが、ここは「わるくち」とは読まない点に気をつけましょう。
・「彼女に罵倒されたことは一生忘れない」というぐちを、もう何度聞いたことか。
・自分より弱い立場の人を面罵するとは、ずいぶん感じの悪い奴だ。
・認知症の患者さんは罵詈雑言をはくことも珍しくないので、覚悟しておきましょう。
「悪態をつく」の対義語は?
次に、「悪態をつく」とは逆の意味を持つ表現を押さえておきましょう。
その1「追従(ついしょう)を言う」
「追従」は他人の気に入るような言動のこと。「お追従」と丁寧に言われることも多い言葉です。
この表現を使う場合は、読み方に注意してください。「ついじゅう」と読むこともありますが、こちらは「後につき従うこと」を指します。「追随(ついずい)」と言い換えることもできますね。
その2「美辞麗句(びじれいく)を言う」
「美辞麗句」は巧みに美しく飾った言葉のこと。と聞くと素敵な褒め言葉のような印象ですが、実際にはうわべだけ飾った内容の乏しい言葉を指します。有力者に気に入られようと、やたらと経歴や持ち物、家族などを持ちあげて媚びへつらう人をイメージするとわかりやすいですね。
同様の意味で「巧言令色(こうげんれいしょく)」もあります。論語に出てくる表現で、元は「巧言令色鮮し仁(すくなしじん)」の形。「巧みな言葉や表情で人に気に入られようとする者には、仁の心が欠けている」という内容です。
・愛想笑いやお追従ばかりの女性には苦手意識があります。
・お客様に美辞麗句を並べ立てたからといって、営業成績が上がるとは思えません。
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