

端的に言えば悪態をつくの意味は「口ぎたなくののしる」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「悪態をつく」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/ヤザワナオコ
コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。
悪態をつくような人に出会うことなく成長したので、コールセンターにかけてくるクレーマーからの悪態には心底驚いたらしい。それが今では子供に毎日怒鳴っているそうだが、悪態というほどではないと認識しているとか。「悪態をつく」の意味や用法を解説してもらう。
「悪態をつく」の意味は?
「悪態をつく」には、次のような意味があります。
口汚くののしったり、けなしたりする。憎まれ口をたたく。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
本人に向かって悪口を言ったり、けなしたりすることを言います。「悪口(わるくち)を言う」と似ていますが、悪口は本人がいないところで第三者に対して「○○さんって最低」と陰口をたたくことも。これと異なり、面と向かって言う点が「悪態」の特徴です。
いい大人が人をののしる様子というのは、はたで見ても気分のいいものではありません。許されるのはせいぜい、小さい子どもが自分にかまってほしくて悪態をつくケースぐらいではないでしょうか。腹立ちまぎれに悪態をつくようなことがないよう、自戒したいものです。
「悪態をつく」の語源は?
次に「悪態をつく」の語源を確認しておきましょう。まず「悪態」は、「悪い態度」や「悪口、憎まれ口」という意味。「つく」は漢字にするなら「吐く」と考えられ、「体内のものを口や鼻から外に出す」という意味があります。「嘘をつく」と同じ使い方ですね。
「憎まれ口を口から出す」ということで、「悪態をつく」は相手をののしることを表すようになりました。
\次のページで「「悪態をつく」の使い方・例文」を解説!/