

端的に言えば爪の垢を煎じて飲むの意味は「格段にすぐれた人の爪の垢を薬として飲んでその人にあやかるように心がける。」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
放送局の制作現場の最前線で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んだ。一緒に「爪の垢を煎じて飲む」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/sinpeito88
放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。
「爪の垢を煎じて飲む」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「爪の垢を煎じて飲む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。ちなみに、読みは「つめのあかをせんじてのむ」となります。
「爪の垢を煎じて飲む」の意味は?
「爪の垢を煎じて飲む」には、次のような意味があります。
格段にすぐれた人の爪の垢を薬として飲んでその人にあやかるように心がける。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「爪の垢を煎じて飲む」
「爪の垢を煎じて飲む」とは、「格段にすぐれた人の爪の垢を薬として飲んでその人にあやかるように心がける」という意味の言葉です。そもそも、「煎じる」という行為は、お茶や薬草を水で煮出すことで、成分などを取り出すために行う行為となります。人の手や足にある爪ではなく、そこに溜まっている垢から良い成分を抽出することは、科学的な見地から言って間違いなく不可能です。
よって、「爪の垢を煎じて飲む」は実際にこうした行為をしなさいということではなく、「目標や模範とすべき人物から、少しでも良い部分を学ぶことによって、自分を成長させなさい」というメッセージということになります。実際に、爪の垢を煮出しても何の成分も取り出すことは出来ませんし、飲んだところで体に良い事は一つも起こりません。あくまで例えであるということを覚えておきましょう。
「爪の垢を煎じて飲む」の語源は?
次に「爪の垢を煎じて飲む」の語源を確認しておきましょう。「爪の垢」は、人にとってはほとんど溜まるようなこともなく、体の中では些末な部分です。しかし、その人が目標としている人のものであれば、「爪の垢」のような小さなものからでも、学べること、吸収できることがあるかもしれないという意味でこの言葉は使われています。
つまり、「爪の垢を煎じて飲む」とは、爪の垢のような小さな、細かなことであったとしても、目標としている人なのであればつぶさに学び取って、近づいていくようにすることが向上していくためには大切なことであるということを示しているのです。
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