ドラゴン桜式勉強法特集

【漫画でわかる】ドラゴン桜の「努力できない脳」って何?対策は?脳の“報酬予測”機能を解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。突然だが質問だ。お前たちは「努力が得意」か?素直に「はい」と答える人は少ないだろうな。だが実は、努力が得意か不得意かは、1人1人の「脳のつくり」に左右される。そんなの不公平だと嘆きたくもなる話かもしれないが、自分を理解し、しっかりと対策をすれば全く怖くないぞ。

今回はドラゴン桜2の7巻より、なんと17ページを無料で公開。努力と脳の関係や、「努力できない脳」をうまく利用する方法について、元国語科教員のライターminの考察付きで解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/min

高等学校の国語科教員として、授業や受験対策、小論文の講座を3年間経験。主に現代文を担当し、言葉に関する指導を幅広く経験してきた。現在はWebライターとして活動中。

まずは「脳の“報酬予測”機能」の解説を漫画でチェック!

最初に以下の漫画を読んでみてください。東大専科の早瀬さんと天野くんは突然、担任の水野から「とある実験」を持ちかけられます。それは「21秒間小指で机を100回叩き続ける」というものでした。

律儀に数えて机を叩き続けた天野くんに対し、「何の意味があるの?」と数えるのを諦め適当に叩いた早瀬さん。水野はそんな早瀬さんに「あなたの脳は努力ができないタイプ」と衝撃発言をします。実はこれは「努力ができる人かできない人か」を判断するための実験だったのです。

「努力できない脳」とは?そんな脳の人はどう受験を乗り切ればいいの?そんな疑問を一緒に解決していきましょう。

「努力が得意かどうか」は脳の機能に左右される

「努力できる脳」「できない脳」については、その違いが研究で明らかになっています。脳の「左線条体」「前頭前皮質腹内側部」の2箇所は「報酬系」と呼ばれ、「努力できる脳」の人はここが活発に働くために努力が得意な仕組みとなっているのです。

一方「努力できない脳」の人は、「島皮質」と呼ばれる「損得勘定」を行う部分が活発に働くため、常に「この行為に何の意味があるのか」「見返りは何か」という思考が優先されやすく、それが努力につながりにくい、ということになります。

では、なぜこうした「報酬系」「損得勘定」が努力の向き不向きにつながるのでしょうか。それには脳の「報酬予測機能」が大きく関係しているのです。

脳の「報酬予測機能」とは?

人間を含む動物の脳は、「報酬予測」という機能が備わっています。これは「特定の情報をもとに、ある行動に対する将来の報酬を予想する機能」のことです。

例えば「パブロフの犬」の実験を思い出してみてください。「ベルを鳴らした後に餌を与える」という行為を繰り返すうち、ベルを聞いただけで犬がよだれを垂らすようになるという話ですが、この場合、犬の頭の中で「ベルが鳴ったら餌がもらえる」という「報酬予測」をしているということなのです。

人間の場合であればこんな例が挙げられます。難しい仕事を任されたとき、「でもこれを乗り越えたら会社から評価が上がる」「昇給のチャンスかも」など、乗り越えたあとの「報酬」のことを考えると、頑張る気持ちが湧いてくる。こうした経験はありませんか?

このように「報酬を予想する機能」は動物全般の脳に備わっており、人の場合はこの機能が「努力できるかどうか」に直結しているということです。

「努力できない脳」=「報酬予測力」が弱い

では仮に、「報酬予測力」が低かったらどうなるでしょう。難しい仕事を任されても、その対価としてどんな報酬があるのかを上手に予測できなければ「やっても何にもならない」「見返りはない」という思考に陥ってしまいます。そうなればもちろん、努力しようなんて気持ちにはなりませんよね。つまり「努力ができない脳」というのは、この「報酬予測力」の弱さが影響しているということなのです。

受験も乗り越え、教員という仕事を経験した筆者ですが、自分はこの「努力できない脳」寄りだと自覚しています。しかし人生においては努力が必要な場面は多いです。そんな場面で「自分を奮い立たせる」という高いハードルに何度も直面してきました。

「私もそうかも…」と思った方も大丈夫。そんな「努力できない脳」ですが、実は悪いことばかりではありません。対策を講じてうまくコントロールできれば、長所にもなり得るのです。

ベストな対策は「脳を騙すこと」

「努力できない脳」の場合は、島皮質が活発に動いているというお話でした。島皮質は損得勘定を行う箇所で、この機能が活発すぎるおかげで報酬予測が妨げられ、「努力しても無駄なのでは?」という思考に陥ってしまいます。水野曰く、島皮質が「努力にブレーキをかけている」という状態ですね。

ということは、「島皮質にブレーキをかけさせない」ことが手っ取り早い対策になります。具体的に言えば「努力は無駄」という感情を起こさないようにする、あるいはそれを別の感情に置き換えるということです。水野はこうした対策のことを「脳を騙すこと」と表現していました。

「努力できない脳」でも大丈夫!対策3選

ではここから、もっと具体的に「脳を騙す」方法について見ていきましょう。今回は3つの方法を挙げてみました。

その1:「ネガティブ感情」を利用する

「努力の原動力」として最も強い働きを持つのは「ネガティブ感情」だと言われています。「負けたら恥をかく」「損をする」という状況の方が、「努力しなくちゃ」という気持ちが沸き立ちやすくなりませんか?「努力できない脳」という自負がある筆者も、受験時代はこれが1番の原動力でした。

こうした「ネガティブ感情」の原動力は、「こんなことして何になるの?」という損得勘定の思考をごまかしてくれます。こうして脳をうまく騙していくことで、「努力できない脳」の人も、行動に繋げていくことができるのです。

漫画の最後に登場した「バカ鉢巻」も同じ理屈になります。「こんなの巻きたくない」というネガティブ感情を原動力にして努力する仕組みになっているわけですね。ちなみに、バカ鉢巻については別の記事で詳しく解説していきます。

その2:「小さな報酬」を積み重ねる

受験においては先のことを考えて計画を立てることはもちろん大切ですが、先のことばかり考えることは「努力できない脳」の人からすると「負の損得勘定」に陥りやすい行為です。

一旦やることが決まれば、あとは深く考えずにやり遂げるのみ。そんなときに「損得勘定」が邪魔をしないように、1つ1つのタスクに「小さな報酬」を用意してみましょう。「このチャプターが終わったらアイスを食べる」「散歩をする」「1曲音楽を聴く」など、こうした「達成→小さな報酬を得る」という流れによって、脳は非常に快感を覚え、結果として生産性を上げることにつながっていきます。ちなみにこの報酬の例は、実際に筆者が受験生時代によくやっていたものです…。

こうした小さな快感を自分で用意していくことで、うまく脳を騙し、努力を積み重ねることも手段の一つになります。

その3:効率の良い勉強法を見つける

「努力できない脳」を逆手にとって「そんな自分でも納得できる勉強法」を探してみるというのはどうでしょうか。「努力できない脳だ」と思っている人も、もしかすると「自分が納得できる勉強法」が見つかっていないだけかもしれません。

努力できる脳・できない脳に関わらず「この方法でいいのかな」と疑いたくなることはあります。そんなとき「努力できない脳」の人は、人一倍頭で損得勘定を繰り広げるでしょう。しかしその分、「これなら効率よく学べる」と思える何かを見つければ、誰よりも納得感を持って突き進むことができるのです。

これは「努力できない脳」の大きな長所であるとも言えます。「良い方法が見つかれば自分はできる」と脳を騙して、効率の良い方法を模索してみるのはいかがでしょうか。

「努力できない脳」は短所ではない

声を大にして言いたいのは「努力できない脳」は決して短所ではないということです。「損得勘定にとらわれやすい」というのは、逆に言えば物事の本質を考えて行動する思考を持っているということでもあります。また、誰よりも効率を重視する視点が、結果として良質なパフォーマンスを発揮するということもあるのです。

しかし、受験のような長期的な戦いでは、コツコツ「努力できる脳」を持っていることはもちろん強みになります。だから「努力できない脳の自分はムリ」と諦めるのではなく、上手に脳を騙していくというテクニックを利用してみましょう。

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水野がかつてそうだったように、自分の特性を知り的確に対処をすれば何も問題はない。
「自分はダメなやつだ」そう思ったらそこで終わりだ。

元国語科教員の筆者の感想

自分を含め多くの受験生と関わってきましたが、人は「努力できる脳」「できない脳」に二分されると聞くと非常に納得感があります。しかし、そんなことはお構いなしに「努力しないと達成できないこと」は等しく存在しますよね。

特に受験は大勝負。損得勘定で考えると「ハイリスク」という結果になることも多いでしょう。しかし、受験の経験はその後の人生観にも大きく関わるものです。一時の勘定で、簡単に目標を断念するのはもったいないかもしれません。

「努力できない脳」であったとしても、それに捉われず「努力できる理由」を見つけることはできます。「負けたくない」「いいところを見せたい」そんな動機であったとしても、それで大きな目標が達成できるなら構わないのです。それに受験は長期的な戦いで、簡単に結果が予想できるようなものではありません。「合格したら最高の気分が味わえる」そんな「報酬予測」を脳に巡らせて、前向きに受験を乗り越えてほしいと思います。

「自分」を理解しベストな手段を見つける

今回はドラゴン桜2の漫画をもとに「努力できない脳」について解説しました。

「努力できない脳かも」と少しショックを受けた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そのように自分を理解し、長所として前向きに捉えることができれば、逆にそれが強みへと変わります。「努力できない脳」だったとしても、対策を講じれば怖くありません。前向きに捉えてそれぞれの「努力が必要な場面」を後悔なく乗り越えていきましょう。

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