国語言葉の意味

【慣用句】「沽券に関わる」の意味や使い方は?例文や類語を文学部卒現役ライターがわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「沽券に関わる」について解説する。

端的に言えば沽券に関わるの意味は「面目にさしさわりがある」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

高校で国語教師をしていた経歴を持つ、現役ライターのhiyoriを呼んだ。一緒に「沽券に関わる」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/hiyori

大学で近現代日本文学を専攻し、その知識を活かして国語教師として教壇に立っていた経歴を持つ。現在はライターとして様々な情報を発信している。難しい言葉もわかりやすい言葉で解説していく。

「沽券に関わる」の意味や語源・使い方まとめ

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みなさんは「沽券に関わる」という言葉の意味をご存じですか?「沽券」と言う言葉は現代ではほとんど使われないので、この慣用句の意味を知らない人も多いでしょう。今回はそんな「沽券に関わる」について解説をしていきたいと思います。

それでは早速「沽券に関わる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「沽券に関わる」の意味は?

「沽券に関わる」には、次のような意味があります。

面目・体面にさしさわりがある。

出典:大辞林 第3版(三省堂)

「沽券に関わる」は「こけんにかかわる」と読み、人の値打ちや面目、体面にさしさわりがあるという意味を持つ慣用句です。「沽券」とは体面や品格のこと。しかし、他にも土地などを売り渡すことを記した証文、売値、体面などと多くの意味を持つので注意しておきましょう。

「沽券に関わる」は言動や行動によって評価や体面などに影響を与える際に用いられますが、自分に対してだけではなく、その周囲に影響を与える場合にも用いられます。通常は「人」に対して用いられますが、会社などの面目に対しても使われることがあるので覚えておきましょう。また、面目やプライドを傷つける原因は、自分にある場合と自分の外にある場合があります。

「沽券に関わる」の語源は?

次に「沽券に関わる」の語源を確認しておきましょう。

先述したように、「沽券」は売り主から買い主に対して渡される土地などを売り渡すことを記した証文という意味合いもあります。この「沽券」を持つことは、すなわち家を所有しているということを指し、江戸時代では町屋敷を持っていることで正式な江戸の町人であるという考え方がありました。そのため、この沽券を持つことがステータスや身分を証明に繋がるものだったのです。

そこから時代が進み、対面や人の値打ちという意味で「沽券」が使われるようになり、「沽券に関わる」が成り立ったと考えられています。

\次のページで「「沽券に関わる」の使い方・例文」を解説!/

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