この記事では「気炎を揚げる」について解説する。

端的に言えば気炎を揚げるの意味は「威勢が良いことを言うこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「気炎を揚げる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「気炎を揚げる」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「気炎を揚げる」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

気炎を揚げる」は「きえんをあげる」と読みます。日常会話ではあまり聞くことがないかもしれないですが、小説などでは時々使われる表現です。会議などの話し合いの場面などで使われますね。

それでは早速「気炎を揚げる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「気炎を揚げる」の意味は?

まず初めに「気炎を揚げる」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「気炎を揚げる」には、次のような意味があります。

1.威勢のいいことを言う。気炎を吐く。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「気炎を揚げる」

2.燃え上がるように盛んな意気。議論などの場で見せる威勢のよさ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「気炎」

上記のように「気炎を揚げる」は、威勢のいいことを言ったり、血気盛んに議論を述べたりすることです。「気炎」と言うのは、血気盛んな様子や、議論などでの威勢のよさや、熱っぽさを意味します。

別の言い回しで「気炎を吐く」とも言いますね。

また「気焔」と書かれることもありますが、「焔」は常用外漢字ですから「気炎」が一般的と言えるでしょう。

「気炎を揚げる」の語源は?

次に「気炎を揚げる」の語源を確認しておきましょう。

気炎」とは「炎」と言う漢字が使われているように、炎が燃え盛る様子に例えて、威勢の良さを表しています。「揚げる」には多くの意味がありますが、ここでは、さらに勢いを盛んにする、と言う意味で良いでしょう。

「気炎を揚げる」は炎の燃え盛る様子で、威勢の良いことを言っているさまを表した慣用句なのです。

\次のページで「「気炎を揚げる」の使い方・例文」を解説!/

「気炎を揚げる」の使い方・例文

それでは「気炎を揚げる」の使い方を実際の例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.会社の社運をかけた会員増加を図るイベントの打ち合わせで、多くの社員が気炎を揚げ、士気が高まった。
2.小説の考察を語り合うグループにお試しで入ってみたが、全員が気炎を揚げて熱い議論を交わしていて気後れしてしまった。
3.昨日の会議では、イベント運営者の一人が開始早々から怪気炎を揚げて張り切っていた。

「気炎を揚げる」は、例文1や例文2のように、会議議論などで勢いよく話すこと、熱く意見を述べる事などに用いられることが多いです。

また、例文3のように「怪」を頭に付して「怪気炎を揚げる」と言うこともあります。これは、異常に威勢よく話す、と言う意味です。芝居がかっているくらいに威勢が良いので、真実味がないような感じを受ける、と言う意味合いがあります。

「気炎を揚げる」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「気炎を揚げる」と似た意味を持つ表現は「気勢をあげる」や「息巻く」があります。

その1「気勢をあげる」

気勢をあげる」は「きせいをあげる」と読みます。「気勢」とは、何かをしようと意気込んでいる気持ち、盛んな意気のことです。つまり「気勢をあげる」とは、ものを行おうとする時に気合が入って勢いがあることや、勢いがあることを示すことですね。

そして「気勢をあげる」は、大勢の人が集まって意気を示す、と言う意味合いもあります。「気炎を揚げる」と相違しているのは、人が集まって皆で、と言うところですね。

\次のページで「その2「息巻く」」を解説!/

高校生活最後の試合をむかえて、皆の応援もますます気勢が上がってきた。

その2「息巻く」

息巻く」(いきまく)は、呼吸が荒々しいようすを表しています。激しく何かを言うこと息遣いを荒くして怒ること幅をきかして威張ること。と言う意味を持っています。高ぶった様子で何かを言う、と言う意味で用いた場合類義語と言えるでしょう。「気炎を揚げる」との違いは、激しいようすや、怒ると言うニュアンスがあることです。

新作の限定品販売は軌道に乗りそうだとデータをしめしたが、当初から反対していた上司が、そんなものは机上の空論だと息巻いている。

「気炎を揚げる」の対義語は?

「気炎を揚げる」の対義語にぴったりと言う言葉はありませんが、反対の意味に近い言葉には「意気消沈」や「及び腰」があります。

その1「意気消沈」

意気消沈」の読み方は「いきしょうちん」です。「意気」とは気持ちのこと。「消沈」は、消え失せる、気持ちが萎えることを言います。つまり「意気消沈」とは、意気込みがすっかり衰えること。元気がなくなることです。

「気炎を揚げる」が、威勢よく何かを言うことですから、意気込みが失せ、元気がなくなる「意気消沈」は対義語に近い言葉と言えるでしょう。

あなたの機嫌をそこねたせいか、今日の就業後の集まりの時もすっかり意気消沈している様子だったよ。

\次のページで「その2「及び腰」」を解説!/

その2「及び腰」

及び腰(およびごし)」には二つの意味があります。一つめは、中腰で手を伸ばして物を取ろうとする、腰つきのことです。つまり、へっぴり腰、と言うことですね。二つめは、自信がなさそうなようすで、遠慮したり恐れたりしているような中途半端な態度のことを言います。「気炎を揚げる」が威勢よく話す様ですから、「及び腰」を二つめの意味、遠慮したり恐れている態度を表すのに用いた場合、対義語と言えるでしょう。

自分のお店のサービスでは、セレブな客様には満足できないかも知れないと、及び腰に説明した。

「気炎」を使った表現

image by iStockphoto

「気炎」を使った表現をいくつか紹介しましょう。

気炎万丈」は、火のように勢いがあると言う意味の「気炎」、「万丈」は丈が長いものを指しますので、炎が高く燃え盛るような勢い、を表現しています。つまり、圧倒するほどに気力溢れる様子、と言うことです。

赤い気炎」はあまり身近で聞かないかもしれませんが、小説やドキュメンタリーのタイトルになったりしています。「赤」は女性を表していて、「赤い気炎」は、女性の盛んな意気のことです。スポーツで女性が活躍したりすると、記事のタイトルに用いられたりします。

「気炎を揚げる」を使いこなそう

この記事では「気炎を揚げる」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「気炎を揚げる」は、辞書によっては「気炎を上げる」と書かれている場合もあります。どちらも正しいのですが、「揚げる」の方がより一般的に使われているようですね。「揚げる」と「上げる」は、どちらも多くの意味合いを持っている言葉で、基本的には下の物を上にすると言う意味の言葉です。「揚げる」は旗や、凧などに使われ、より高く上げるイメージがあります。使い分けが難しい言葉ですが、頑張って覚えましょう。

" /> 【慣用句】「気炎を揚げる」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学部卒Webライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「気炎を揚げる」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学部卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「気炎を揚げる」について解説する。

端的に言えば気炎を揚げるの意味は「威勢が良いことを言うこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「気炎を揚げる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「気炎を揚げる」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「気炎を揚げる」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

気炎を揚げる」は「きえんをあげる」と読みます。日常会話ではあまり聞くことがないかもしれないですが、小説などでは時々使われる表現です。会議などの話し合いの場面などで使われますね。

それでは早速「気炎を揚げる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「気炎を揚げる」の意味は?

まず初めに「気炎を揚げる」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「気炎を揚げる」には、次のような意味があります。

1.威勢のいいことを言う。気炎を吐く。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「気炎を揚げる」

2.燃え上がるように盛んな意気。議論などの場で見せる威勢のよさ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「気炎」

上記のように「気炎を揚げる」は、威勢のいいことを言ったり、血気盛んに議論を述べたりすることです。「気炎」と言うのは、血気盛んな様子や、議論などでの威勢のよさや、熱っぽさを意味します。

別の言い回しで「気炎を吐く」とも言いますね。

また「気焔」と書かれることもありますが、「焔」は常用外漢字ですから「気炎」が一般的と言えるでしょう。

「気炎を揚げる」の語源は?

次に「気炎を揚げる」の語源を確認しておきましょう。

気炎」とは「炎」と言う漢字が使われているように、炎が燃え盛る様子に例えて、威勢の良さを表しています。「揚げる」には多くの意味がありますが、ここでは、さらに勢いを盛んにする、と言う意味で良いでしょう。

「気炎を揚げる」は炎の燃え盛る様子で、威勢の良いことを言っているさまを表した慣用句なのです。

\次のページで「「気炎を揚げる」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: