この記事では「因む」について解説する。

端的に言えば因むの意味は「つながりを持つ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「因む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「因む」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説。

「因む」の意味や語源・使い方まとめ

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「因む」という言葉をご存じでしょうか?あまり馴染みがないと感じるかもしれませんね。では「ちなみに~」と聞くとどうでしょう?私は頻繁に使うので馴染み深い言葉ですよ。「ちなみに~」も普段よく使うけど、どういう意味かと聞かれると接続詞なので明確に答えることが難しいですよね。今回はそんな「因む」について詳しく解説していきます。

それでは早速「因む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「因む」の意味は?

「因む」には、次のような意味があります。

1.ある物事との関係をもとにして、他の物事が存在する。つながりを持つ。
2.かたい約束をする。かたい契りを結ぶ。特に男女が深い関係を持つ。
3.親しくする。親しく交わる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「因む」

「因む」とは「ちなむ」と読み、3つの意味を持っています。1つ目は「物事と物事をつなげる、つながりを持つ」の意。曖昧な表現ですが、「〇〇に因んだ郷土料理を提供する」などの例を見るとピンと来るかと思います。関連づける、と言うと分かりやすいですね。2つ目は「かたい約束・契りを結ぶ」の意。これは特に男女間における関係を表す言葉として用いられます。3つ目は前述の2つの意味を受けて総合的な意味合いで「親しくする」の意味になりますよ。

「~に因んで」「~に因んだ」「ちなみに」などの使い方をし、文語・口語どちらでも使われますよ。

「因む」の語源は?

次に「因む」の語源を確認しておきましょう。

「因む」の語源は諸説ありますが、つながりという観点から「血を並べる」の「血」と「並む(なむ)」から成ると言われています。また「因む」の「因」という字は、「寝るときに下に敷く敷物(しとね)・人」の象形から成り、人が敷物(しとね)に伏すから、「男女間の深い関係」に由来していますよ。

漢字で表記する「因む」もひらがなで記す「ちなみに」も、あらゆる物や人との「関連性」が深い言葉ですね。

\次のページで「「因む」の使い方・例文」を解説!/

「因む」の使い方・例文

「因む」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.デパ地下で地元に因んだ食材を見つけるとつい購入してしまう。
2.今回は御社の主力商品に因む明太子をベースに新プランを作成いたしましたのでご参照下さい。
3.お手元の資料をごらんください。ちなみにその資料は新入社員の〇〇さんが初めて作成してくれたものです。

3つの例文を挙げてみました。実家から例文1は離れている人ほど、地元のモノというだけで興味を持ちつい贔屓したくなるものですよね。

例文2はビジネスで用いた場合を想定しました。後ほど類義語の章で詳しく説明しますが、結論から言うと「因む」や「ちなみに」という言葉はビジネスシーンでも使う事ができますよ。例文2の場合は「御社とゆかりのある」という意味合いなので、全く失礼にはなりません。先方の主力商品を使った新プランの提案は、先方にとってもメリットが大きいですので大歓迎な戦略ですね。

最後に例文3を見ていきましょう。このフレーズが一番よく使われているのではないでしょうか。あまり目上の人に使うべき言葉ではありませんが、社内会議でのこういったポジティブな意味でなら使っても問題ありませんよ。

「因み」の類義語は?違いは?

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「因み」にはどんな類義語があるでしょうか?ビジネスシーンで使えるような言葉を紹介していきます。

「関連」

「因む」の言い換えと言えば「関連」です。「かんれん」と読み、「ある事柄と他の事柄の間につながりがあること」の意。

「関係」と「関連」の違いや使い分けが分からない、とよく耳にするのでここで少し違いについて説明しましょう。「関連」や「因む」は、2つ以上の物事の間につながりがあることを指します。それらを辿ると繋がっている状態ですね。一方「関係」は、端的に言うと関わりを持つことを言いますよ。もう少し細かな定義もありますが、この大きな2つの違いを理解すると、使い分けがしやすくなりますよ。

\次のページで「「因む」の対義語は?」を解説!/

「因む」の対義語は?

「つながり」が基準となる「因む」には、どんな対義語があるでしょうか?

「無関係」

「因む」や「関連」の対義語として定義されているわけではありませんが、「関係のないこと・かかわりのないこと」の意味の「無関係」が対義語としてふさわしいでしょう。「むかんけい」と読み、「関係」に否定の「無」をつけた名詞になります。

「因む」の英訳は?

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次は「因む」の英訳を見ていきましょう。

「after」

「after」は「~のあとに」という英単語ですが、「〇〇 A after B」で「Bに因んでA」という使い方をします。例文を挙げるので参考にして下さい。

「I thought of the menu after the Mentaiko.」(私は明太子に因んだメニューを考えた。)

「My dog’name are named after the JIBURI.」(私の犬の名前はジブリにちなんで名付けられた。)

\次のページで「「因む」を使いこなそう」を解説!/

「因む」を使いこなそう

この記事では「因む」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しましょう。「因む」とは「つながりを持つ」・「かたい約束・契りを結ぶ」・「親しくする」の3つの意味がありましたね。この言葉のキーワードは「関係性・関連」といった「つながり」を意味する言葉ですよ。「因む」という言葉自体は、気を付ける点などもなく使いやすいですね。

普段の生活では頻繁に使う言葉ではありませんが、人と人、物と物を繋ぐとても素敵な言葉です。機会を見つけてどんどん活用していきましょう。この記事が参考になれば幸いです。

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国語言葉の意味

「因む」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「因む」について解説する。

端的に言えば因むの意味は「つながりを持つ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「因む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「因む」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説。

「因む」の意味や語源・使い方まとめ

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「因む」という言葉をご存じでしょうか?あまり馴染みがないと感じるかもしれませんね。では「ちなみに~」と聞くとどうでしょう?私は頻繁に使うので馴染み深い言葉ですよ。「ちなみに~」も普段よく使うけど、どういう意味かと聞かれると接続詞なので明確に答えることが難しいですよね。今回はそんな「因む」について詳しく解説していきます。

それでは早速「因む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「因む」の意味は?

「因む」には、次のような意味があります。

1.ある物事との関係をもとにして、他の物事が存在する。つながりを持つ。
2.かたい約束をする。かたい契りを結ぶ。特に男女が深い関係を持つ。
3.親しくする。親しく交わる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「因む」

「因む」とは「ちなむ」と読み、3つの意味を持っています。1つ目は「物事と物事をつなげる、つながりを持つ」の意。曖昧な表現ですが、「〇〇に因んだ郷土料理を提供する」などの例を見るとピンと来るかと思います。関連づける、と言うと分かりやすいですね。2つ目は「かたい約束・契りを結ぶ」の意。これは特に男女間における関係を表す言葉として用いられます。3つ目は前述の2つの意味を受けて総合的な意味合いで「親しくする」の意味になりますよ。

「~に因んで」「~に因んだ」「ちなみに」などの使い方をし、文語・口語どちらでも使われますよ。

「因む」の語源は?

次に「因む」の語源を確認しておきましょう。

「因む」の語源は諸説ありますが、つながりという観点から「血を並べる」の「血」と「並む(なむ)」から成ると言われています。また「因む」の「因」という字は、「寝るときに下に敷く敷物(しとね)・人」の象形から成り、人が敷物(しとね)に伏すから、「男女間の深い関係」に由来していますよ。

漢字で表記する「因む」もひらがなで記す「ちなみに」も、あらゆる物や人との「関連性」が深い言葉ですね。

\次のページで「「因む」の使い方・例文」を解説!/

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