ドラゴン桜式勉強法特集

【漫画でわかる】エリート教育とは?日本にエリート教育はいらないと豪語する桜木の主張まとめ

よお、ドラゴン桜の桜木健二だ。俺は「東大を目指せ!」と言っているせいか、エリート教育に熱心だと思われることもある。しかしそうではない。俺は教育を本質から考え抜いた結果、東大を目指させているに過ぎない。

近頃の日本はやれ教育改革だ、やれ大学入試改革だと騒々しいが、そんなのは教育の本質とはズレていることがわかっていない輩が多過ぎる。親たちもそうだ。幼児教育や才能開発、知育に習い事と子どもの教育に躍起になっているが、一体何をしたいんだ?我が子を「天才やエリート」に育てたいのか?

言っておくが、日本に必要なのエリート教育ではないし、教育で天才は生まれない。まして経済や未来を変える力などない。でも人が生きるために必要なものこそが、教育でもある。じゃあ、「教育」とは一体何なんだ?今回は教育を本質から考えてみよう。元予備校校舎長で現在は教育系専門ライターでもあるみゆなの解説つきで見ていくぞ!

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/みゆな

元大手予備校校舎長、現在は教育系のライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。

まずは桜木の主張「日本にエリート教育は不要!」を漫画でチェック!

まずは漫画をチェックしてみましょう。桜木が日本の教育について「エリート教育」という視点から自説を論じる場面です。漫画の中で桜木は「日本にエリート教育はいらない!」と断言しています。いったいどういう意図があるのでしょうか?

漫画の重要ポイントまとめ|桜木の主張を詳しく見ていこう

桜木は一貫して「日本にエリート教育は不要」と主張します。一方、桜木がそう考える背景や根拠となる話は多方面に展開しており、話の全体像がつかみにくいかもしれませんね。まずは桜木の主張の要点をまとめてみましょう。

● 桜木の主張のポイント ●

・日本にエリート教育は不要
・教育で天才やエリート、独創的なアイディアは育たない
・経済と教育は別物。教育に経済再生の期待をかけてはいけない
・「投資」こそが優秀な若者の起業・発展を後押しする要素

エリート教育とは何か?

ここからは桜木の主張をさらに深く理解していきましょう。まずは桜木が不要と言い切る「エリート教育」についてです。桜木は不要派、一方理事長代行の龍野さんは必要派でしたね。2人の言い分の違いは、そもそも「エリート教育」というものの定義(とらえ方)が違っている点にあり、世間一般でも誤解されている点でもあります。まずは「エリート教育」の定義についてみていきましょう。

1.世間一般で言われる「エリート教育」とは

「エリート教育」と聞いてどんなイメージを持つでしょうか?「お金持ちが受けられる特別な教育」「才能を開花させてくれる教育」「整った施設環境の中で世界一流講師から指導が受けられる学校」、そんなところではないでしょうか?

龍野さんも同じように考えていましたね。「エリート教育とは、世界各国のセレブが入学する寄宿生の学校」と。一般的にエリート教育は「お金持ち、セレブ、才能、天才、一流講師」といったイメージで認識されていることを押さえておいてください。

2.桜木が言う「エリート教育」とは

一方、桜木は「エリート教育とは、親の情報ネットワークづくりを目的とした学校」のことだと言っています。エリート教育発祥の地であるイギリスが特徴的ですね。「貴族階級の子弟だけが入学できる学校」という仕組みを作ることで、親たちがつながりを持ちやすくなります。特権階級の家同士がつながりを深め、情報を交換し、経済を支配するシステムが完成したのです。

子どもの才能を発掘する、天才を育てる…、とは一言も言っていません。エリート教育とは子どもの教育のための学校ではなく、親たちの情報交換の場である、これが桜木が言う「エリート教育」です。

「教育の目的は社会に役立つ人材を育てる」は間違い!

龍野さんがエリート教育にこだわるのは、日本の国際競争力の低下をくいとめたいというのが理由でした。現在の教育制度では優秀な企業経営者が生まれない、だからエリート教育を施し若い時に独創的な発想力を持った人材を育てるべきだ、という論理です。

一見納得できそうですが、桜木はここでも「教育と経済は別物」「教育で天才は生まれない」とバッサリ言い切っています。いったいどういうことなのでしょうか?

1.教育と経済はまったく別物!

龍野さんは「教育で将来の日本経済を担える優秀な人材を育てるべき」という主張です。この主張には「意図のある教育をほどこせば、意図通りに人を育てることができる」という考え方に基づいています。将来有望な若者は教育で育てることができるのだから、日本経済の再生を担えるような独創的発想力を持つよう育てればよい、という理屈です。龍野さんは「教育と経済は一直線でつながるべき」と考えているのですね。

一方、桜木は「教育と経済はまったく別物」と言っています。日本経済の低迷や経済界の問題はあくまで経済界に原因があり、教育は経済のために行うものではないということですね。

2.教育の真の目的とは

それでは教育の真の目的とは何なのでしょうか。桜木は教育をリレーのバトンにたとえていましたね。小学校から中学校、高校、大学へと子どもたちの成長に合わせて、長期的につないでいくもの。知識と教養を身につけ、試行錯誤を繰り返し、考え続けることで自分で考える力を身につけるもの。人格と思考を育み、豊かな人生を生きる基盤となるもの。それが「教育」の目的だと言っています。

注目したいのは、どこにも「社会の役に立つ」とか、「日本経済を担える人材」といった文言がないことです。桜木は教育を実業教育や職業訓練とは考えていないのですね。教育は個人の学びの過程そのものであり、それ以上でもそれ以下でもないということです。

3.日本で世界的大企業が育たないのは教育のせいではない

「日本で世界的企業や優秀な企業経営者が出てこないのは、教育制度のせいだ。詰め込み教育が、若者の独創的発想を奪っているのだ。だから教育制度を改革せよ!」とは、よく聞く話ですが、本当にそうでしょうか?

桜木は日本経済の低迷は、リスクもチャレンジもベンチャー投資も、何一つとってこなかった経済界に原因があると言っています。世界を変えるような天才は教育が育てるのではなく、運や出会いといった不確定要素によるところが大きいと。そしてもちろん日本の若者が持っている独創的アイディアを花開かせるのは、教育ではなく「投資」であるとも言いきっています。

教育を変えても日本企業の姿勢が旧態依然としたままでは、経済界が期待するような人材は育たないということです。

塾校舎長の筆者の感想

十で神童、十五で才子、二十(はたち)過ぎればただの人」という言葉を聞いたことはありますか?子どもの頃、天才かと周囲が驚くほどの才能を持っていても、大人になるにつれて平凡になり、ただの人になってしまう…、という意味のことわざです。この言葉も、桜木に言わせると「ただの人になってしまったのは、その子の才能を花開かせるだけの投資をしなかった大人のせいだ」ということになるのかもしれません。

日本は保守的な国だと言われます。波風を立てない生き方良しとされ、出る杭は打たれ、親たちは「あなたのため」と言って平凡な道を歩かせようとしませんか?しかしそんな社会と大人の在り方によってつぶされてしまった才能がどれほどあるでしょう。

人生は自分だけのものです。そして世の中を変えてきたのは、いつだって自分の先見の明を信じて動いてきた人たちであることを忘れないでください。日本では資金が得られない、先が見えないと感じたらぜひ世界に飛び出していいんです。行動を続けることで偶然の出会いが生まれ、運も開き、実現する可能性が高まります。人生を拓くのは、自分自身の行動です。

教育とは豊かな人生の基盤になるもの

予備校指導の現場では、受験生のほとんどは「普通に」大学に進学していきます。しかし学年に1人程度、周りとは違う選択をする生徒がいたものでした。海外の大学を目指した生徒、受験勉強を中断してバックパックの旅に出てしまった生徒、面接試験で面接官相手に自分が考えた化学理論を延々とプレゼンした生徒(口頭試問ではなく、面接で!)…。ワンランク上の大学に合格させることが仕事の予備校の現場でも、チャレンジ精神あふれる独創的な高校生に出会うことができ、私もわくわくしたものでした。

エリート教育の目的は情報ネットワークづくり、つまり「人と人をつなげるため」でしたね。大学も、より多くの人が集まる、よりレベルの高い環境のほうが、多様な出会いに恵まれます。もしいま、勉強のレールを外れてまでやりたいことがないという人も大丈夫。まずは一生懸命勉強して、良い大学を目指してください。人との出会いやひょんなきっかけで、人生は開けるものです。

そのきっかけを作るもの、それが教育だと考えています。

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