この記事では「しめしめ」について解説する。

端的に言えばしめしめの意味は「しめた」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「しめしめ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル

日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。

「しめしめ」の意味や語源・使い方まとめ

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「しめしめ」という言葉、聞いたことがあるのではないでしょうか。映画やドラマなどで、ちょっと悪そうな雰囲気の人が「しめしめ、これでもう大丈夫だ」などと言っているシーンが思い浮かびませんか。どんな意味を持つ言葉なのでしょうか。それでは早速「しめしめ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「しめしめ」の意味は?

まず初めに、国語辞典で「しめしめ」の意味を確認してみましょう。「しめしめ」には、次のような意味があります。

物事が自分の思ったとおりに運んで、ひそかに喜ぶときに発する語。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「しめしめ」

「しめしめ」は、ものごとが自分の思い通りに運んで、密かに喜ぶ時に発する語です。人には聞こえないような声や、心の中で「やった」とつぶやくような時に使われます。また、実際に事態が思い通りに進んでいなくても、そうなるための方策を思いついたり、自分の仕掛けた罠(わな)がうまく働きそうだといったように、思い通りに進む兆しやきっかけが見えた時にも「しめしめ」を使うことができますよ。

「しめしめ」の語源は?

次に「しめしめ」の語源を確認しておきましょう。

「しめしめ」は感動詞「しめた」の「しめ」を二回重ねた言葉なのです。「しめた」は動詞「占(し)める」の連用形に過去の助動詞「た」が付いた言葉。「占める」には「あるもの、場所、位置、地位などを自分のものとする」といった意味があります。「占有する」などと言いますね。そこから「しめた」は満足感を伴った喜びの表現として使われるようになったのです。この「しめた」を略して「しめ」とし、それを重ねたのが「しめしめ」なのですね。

\次のページで「「しめしめ」の使い方・例文」を解説!/

「しめしめ」の使い方・例文

「しめしめ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.しめしめ、このヒントだけではさすがの回答者たちも問題を解決できないに違いない。
2.これで上級クラスに合格できるレベルに到達できるぞ。しめしめだ。
3.こんなに多くの登録者から高評価を得られて、あなたもしめしめと思っていることでしょう。
4.無料アプリを使ってこんなに手軽にメニューが検索できるなんて、しめしめだ。

「しめしめ」は、物事が思い通りに運んだ時、思い通りに運びそうな兆しが見えた時に密かに発せられる喜びの言葉です。文章語として用いられることは少なく、誰かの心の声を表現する時などに多く用いられます。文章の中で「思うように事が運んで喜ぶこと」を表現したい時には「しめた」を使うことが多いでしょう。「しめしめ」は、うまくいってやったぞと喜ぶ時、チャンスがやってきて喜ぶ時、企みを思いついた時などに密かに発せられる言葉なのです。ニヤニヤした顔が思い浮かびそうですね。

「しめしめ」の類義語は?違いは?

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「しめしめ」の類義語を見ていきましょう。

その1「してやったり」

「してやったり」は漢字で「為て遣ったり」と書きます。「うまくやりおおせた、自分の思いどおりに事を運んでやった」ことを意味する言葉です。まんまとしおおせたさまを表します。悪事を働いてほくそ笑むような場面で使われる「しめしめ」と、似た意味を持つ言葉ですね。「彼はしてやったりという顔をしていた」などと用います。

\次のページで「その2「やった」」を解説!/

その2「やった」

「やった」は動詞「やる(遣)」の連用形に助動詞「た」が付いてできた語で、「思い通りになったり、よい結果が出たりした時に発する語」です。成功、達成、喜びの気持ちを表します。「やったー、100点だ」など、よく使う言葉ですよね。

その3「好都合だ」

「好都合(こうつごう)」は「条件などにかなっていて、都合がよいこと」を意味する言葉です。「好都合だ」と言うと「それは都合がいい」という気持ちを表現することになりますから、「しめしめ」と似た意味を持っていると言えます。「そいつはなおさら好都合だ」などというセリフを聞いたことがあるかもしれませんね。

その4「チャンスだ」

「チャンス」は「物事をするのによい機会、好機」を意味する言葉です。「好都合だ」と同様に「チャンスだ」とすると、ことがうまく運びそうだと喜ぶ気持ちを表現できますね。「しめしめ」よりも表向きなイメージのある言葉ですが、使いようによっては同じように使うことができますよ。

「しめしめ」の対義語は?

「しめしめ」と反対の意味を持つ言葉を見ていきましょう。

「しまった」

「しめしめ」の対義語というのは特にありません。反対の意味を持つ言葉を強いてあげるとすれば「しまった」があげられるでしょう。「しまった」は漢字で「仕舞った」と書きます。動詞「しまう」の連用形に完了の助動詞「た」がついた形で「失敗したときに思わず発する語」です。「しめしめ」とは反対の状況で、思わず出てくる言葉ですね。「しまった、間違えた」などと言いますね。

「しめしめ」の英訳は?

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「しめしめ」を英語に訳すとどのように表現できるか見ていきましょう。

\次のページで「その1「thank goodness」」を解説!/

その1「thank goodness」

「thank goodness」は「幸運なことが起きた時の嬉しさ、ほっとした気持ち」を表す表現です。「占めた」という気持ちを表すのに「thank god」という表現もよく使われますが、「god」を使うのを避ける傾向があり、代わりに「thank goodness」を使う人が増えているのですよ。大きな声で発せられることも多い表現ですが、密かに発すれば「しめしめ」と同じように使うことができる言葉です。

その2「bingo」

「bingo」は「ビンゴゲーム」のことでもありますが、そのゲームの勝者の掛け声から「予想が的中したり、うまくいったりしたときに発する歓声」の意味でも使われます。「大当たり」を喜ぶ時に「bingo」と言ったりするのです。この言葉も、小さな声で密かに発すれば「しめしめ」と同じように使うことができますよ。

Thank goodness! They went away without noticing us.
しめしめ、気づかずに行ってしまったぞ。

Bingo! I found it.
しめしめ、見つけたぞ。

「しめしめ」を使いこなそう

この記事では「しめしめ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「しめしめ」は「事態が思いどおりに運んで喜ぶときに発する語」でしたね。喜びを表に向かって表現する時ではなく、心の中で密かに喜ぶ時に使われる言葉でした。「しめしめ」と密かに喜んでいる人を見かけた時には、「しめしめ、「しめしめ」を使う場面に出会ったぞ」と密かに喜びながら、心の中で「しめしめ」と言ってみてくださいね。

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国語言葉の意味

「しめしめ」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学科卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「しめしめ」について解説する。

端的に言えばしめしめの意味は「しめた」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「しめしめ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル

日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。

「しめしめ」の意味や語源・使い方まとめ

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「しめしめ」という言葉、聞いたことがあるのではないでしょうか。映画やドラマなどで、ちょっと悪そうな雰囲気の人が「しめしめ、これでもう大丈夫だ」などと言っているシーンが思い浮かびませんか。どんな意味を持つ言葉なのでしょうか。それでは早速「しめしめ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「しめしめ」の意味は?

まず初めに、国語辞典で「しめしめ」の意味を確認してみましょう。「しめしめ」には、次のような意味があります。

物事が自分の思ったとおりに運んで、ひそかに喜ぶときに発する語。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「しめしめ」

「しめしめ」は、ものごとが自分の思い通りに運んで、密かに喜ぶ時に発する語です。人には聞こえないような声や、心の中で「やった」とつぶやくような時に使われます。また、実際に事態が思い通りに進んでいなくても、そうなるための方策を思いついたり、自分の仕掛けた罠(わな)がうまく働きそうだといったように、思い通りに進む兆しやきっかけが見えた時にも「しめしめ」を使うことができますよ。

「しめしめ」の語源は?

次に「しめしめ」の語源を確認しておきましょう。

「しめしめ」は感動詞「しめた」の「しめ」を二回重ねた言葉なのです。「しめた」は動詞「占(し)める」の連用形に過去の助動詞「た」が付いた言葉。「占める」には「あるもの、場所、位置、地位などを自分のものとする」といった意味があります。「占有する」などと言いますね。そこから「しめた」は満足感を伴った喜びの表現として使われるようになったのです。この「しめた」を略して「しめ」とし、それを重ねたのが「しめしめ」なのですね。

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