

東大合格には「想像力を鍛えること」が必要不可欠だが、「想像力」は受験だけでなく社会人になっても活用できる力だ。では、どのようにして想像力を養えば良いのだろうか。
ドラゴン桜2では、このような受験生に向けて「現代社会を見渡し自分で問題を作成すること」を提案しているぞ。ドラゴン桜2の14巻より、なんと19ページを無料で公開。現役塾講師kufukufuの考察付きで解説していく。では、さっそく漫画を読んでいこう。
ドラゴン桜式「自分で問題をつくれ!」をチェック
この記事でご紹介するドラゴン桜式「自分で問題をつくれ!」は、ドラゴン桜2の14巻に登場する一コマ。桜木先生が東大の試験問題はどのような意図で作成されているのかを説いている場面から始まります。キーワードは「考えること」=「想像力」です。では、さっそく漫画を読み進めていきましょう。



















問題作成から想像力を鍛えよう
漫画の冒頭で桜木先生は「東大の試験問題」は「あなたはどう思うのか」や「どのように考えるのか」を問いかけていると言っていましたね。つまり、東大の試験問題を解くために必要なのは「考えること」=「想像力」。
筆者はコーヒーの木を育てています。少し前まで葉が乾燥し、元気がありませんでした。「どうして元気がないのだろうか」や「陽当たりが悪いのか」、「置く場所を変えてみよう」などと「こうしてみよう」や「こうすればうまくいくかもしれない」と試行錯誤。
このように、人間にとって「想像すること」=「生きること」。想像することから私たちは暮らしは成り立っていますね。想像することで農業や医療、建築などの文化や文明を発展させ生活を豊かにしてきたのです。
つまり、東大は生きていくために不可欠な「想像力」を受験生に求めていると言えるでしょう。そして、桜木先生は「想像力」を効率的に鍛える方法は「問題を作成し、自分で解答すること」と力説していますね。
では、問題作成とはいったいどのようなトレーニングなのでしょうか。重要なポイントと合わせて解説しましょう。
問題作成の重要ポイントは2つ
自分で問題を作成する時に大切なポイントは2つ。「正しい答えを出そうとしないこと」と「5教科を意識して問題を作成すること」です。では、筆者の考察を交えながら1つずつ解説しましょう。
その1 正しい答えを出そうとしないこと
「問題作成」の重要ポイント1つ目は「正しい答えを出そうとしないこと」です。「立派な問題を作らないといけない」や「誰もが正しいと思う解答を作らないといけない」。このような固定観念はひとまず横に置いておきましょう。
ある問題について何を正しいと思うのかは人それぞれ。つまり、十人十色です。何物にも縛られない自由な発想でのびのびと問題を作ってみましょう。
筆者は日曜劇場ドラマドラゴン桜第8話でも登場した「受験生の夏休みの過ごし方に学ぶ独学・自習の計画方法!タイプ別診断あなたはどっち?」において自由を与えられると不安になる「保全型」。「何から取り掛かかればいいのだろうか」と戸惑いや不安を感じてしまいます。
筆者も含めて初めて物事を行うときは誰もが戸惑いや不安を感じますよ。しかし、桜木先生の言葉を信じて取り組んでみましょう。きっと、素敵なアイディアやひらめきが浮かんで来るでしょう。
その2 5教科を意識して問題を作成する
「問題作成」の重要ポイント2つ目は「5教科を意識して問題を作成すること」です。5教科とは「国語」・「英語」・「数学」・「理科」・「社会」のこと。この5教科とあなたが関心のあることや興味があることを紐づけて問題を作ってみましょう。
例えば、朝ごはん。筆者はパン好きです。「パン」は英語で「bread」ですね。では、「パン」は何語なのでしょうか。そもそも日本人はいつからパンを食べるようになったのでしょうか。また、パンと言えば、小麦。日本は小麦をどのくらい輸入しているのでしょうか。
大好きなパンだけでたくさんのことを連想するできますね。「英語」・「日本史」・「現代社会の食糧問題」などと様々な視点から問題が作成できそうですよ。
このように、小杉さんや天野君、早瀬さんは興味のあることやふと疑問に感じたことを5教科と上手く結びつけて問題を作成にチャレンジした模様。
みんなはどんな問題を作成したのでしょうか。小杉さん、天野君、早瀬さんの順番で一人ずつチェックしていきましょう。
生徒たちが作成した問題まとめ
では、実際に生徒たちが作成した問題を見ていきましょう。
その1 小杉さんが作成した問題
小杉さんが作成した問題は「教育格差がもたらす経済損失について」です。小杉さんは東大の過去問の傾向を分析。
世界情勢や国際問題が出題されることを知り、その上で興味のある「教育」と「経済」を結び付けて完璧な問題を作成していますね。
「家庭環境」の違いから生み出される「教育格差」や生活保護受給世帯の「大学進学率」などに触れ「現代社会」だけでなく「数学」の要素も感じられ、5教科をきちんと意識して作成しています。素晴らしいですね。
小杉さんが実践した「過去問を分析し傾向をつかみ対策を練る」こと。筆者も大学受験生の時に実践。資格の勉強をする時も毎回必ず出題される問題を解くことができるように集中的に学習してますよ。
東大受験だけでなく、すべての受験生や資格の勉強にも役に立つ大切なプロセスですね。ぜひ、活用してみて下さいね。
その2 天野君が作成した問題
天野君が作成した問題は「ユーチューブのチャンネル登録者数が200万人を超えるのはいつになるのか」です。
天野君はユーチューバー。ユーチューブを活用し英語のスキルアップに取り組んでいますね。筆者もユーチューブを大活用。英会話や料理のレシピなどを楽しく学んでいますよ。今やユーチューブを見ることは生活の一部となっています。
天野君はチャンネルアクセス数の増加から数学のグラフをイメージ。そこから、ユーチューブチャンネル登録者数200万人を達成するのはいつになるのかという問題を作りました。アクセス数の伸びをグラフ化するという数学的な要素とユーチューブという現代社会のトレンドをとても上手に結びつけていますね。
日常生活からインスピレーションを受けて作成された素敵な問題。「想像力」をフル活用していますね。天野君のように日常に目を向けて問題作成に活かすことも1つの方法です。実践してみましょう。
その3 早瀬さんが作成した問題
早瀬さんの作成した問題は「日本人の平均体重増加と食文化の変化ついて」です。早瀬さんの実家は老舗のちゃんこ鍋屋。ちゃんこと言えば相撲、相撲と言えば力士、力士と言えば体重。
力士の体重は時代が進むにつれて増加している。「なぜ、体重は増加したのか。」・「食文化の変化が関係しているのではないか。」・「どうして日本の食料事情は豊かになったのか」。
このような過程で早瀬さんは「物事を想像していくこと」と「どうして」や「なぜ」と疑問を持ち、日本の食文化の歴史や日本の食糧事情という日本史や現代社会を意識した素敵な問題を作成しています。
早瀬さんのように問題作成には「どうして」や「なぜ」と疑問を持つことがカギです。また、「マジカルバナナ」のように物事を連想していくことも重要ですよ。
「マジカルバナナ」は日曜劇場ドラマ「ドラゴン桜2」の第5話では語彙力を鍛えるゲームとして登場していますよ。筆者は日曜劇場ドラマ「ドラゴン桜2」を見て、実際に家族と「マジカルバナナ」にトライ。案外難しく脳の良いトレーニングになりましたよ。気になる方はチェックしてみましょう。
こちらの記事もおすすめ

【5話】日曜劇場ドラゴン桜(2021)ネタバレ解説。どこよりも詳しいドラゴン桜解説! – Study-Z ドラゴン桜と学ぶWebマガジン

自分で問題点を見つけて、それについて真剣に考える。
社会人になっても重要とされるスキルの一つだ。
現役塾講師の筆者の感想
「ありがちょうの羽をひいていくああヨットのようだ」という三好達治の「土」という詩を知っているでしょうか。
筆者が小学生の頃、この詩はどのような場面を描いているのかを自由に考えてグループで発表。自由にのびのびと想像することの楽しさを学んだ授業ではありましたが、ドラゴン桜のように立派な正解を作る必要はないことを知っておけば、もっともっとこの授業を心から楽しむことができただろうと思いました。
「自由に考えること」は難しいと感じることもあるでしょう。しかし、あなたらしさを表現できる最高の舞台です。試験問題であなたの個性をキラキラと輝かせて下さいね。
「問題作成トレーニング」で合格に大きく近づこう!
「ドラゴン桜式自分で問題をつくれ!徹底解説。なぜ出題者側に立つ?」の目的と効果について解説してきました。理解は深まったでしょうか。出題者側になることで試験問題がどのような意図で作られているのかや東大合格に必要なスキルを学ぶことができましたね。問題を自ら作ることだけでなく、日常生活の中で色々なことに疑問を持つことでも「想像力」は培われていきますよ。たくさんの「なぜ」や「どうして」を意識して生活してみましょう。