今回は「自転と公転」について解説していきます。

自転と公転というのは、地球や月などの天体の運動のことをさす。これらの現象は、太陽の高さの変化や季節の変化とも深い関係性があるぞ。この記事では、自転と公転についてのメカニズムだけでなく、関係の深い身近な現象についても述べるつもりです。ぜひこの記事を読んで、自転と公転についての理解を深めてくれ。

環境工学を専攻している現役理系学生ライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。土壌、生態系、気象、地球温暖化について学んだこともある。

自転と公転について学ぼう!

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地球を含む天体は宇宙の中で絶えることなく運動していますここにおける運動は力学的表現であり、より簡単に表現すると、宇宙の中で星は動き続けているということになりますよ。このような天体の運動は、その特徴から複数に分けることができます。

今回は、『自転』と『公転』という2種類の天体の運動をご紹介しますね。これらの用語は中学校の授業で扱われ、地学の中でも基礎的な内容となっています。ですが、自転と公転について細かい部分まで学ぶと、理科の知識だけでなく、数学の知識も必要になるのです。つまり、基礎的な内容でありながら、奥が深い分野なのですね

記事の前半では自転と公転がどのような運動であるのかを説明し、後半ではこれらの運動のメカニズムや影響について考察します。自然科学の興味の有無に関わらず、多くの方に楽しんで頂けるような説明を心がけますので、ぜひ最後まで記事を読んでみてくださいね。それでは早速、解説を始めていきます。

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自転とは?

自転とは、天体がその内部を貫く自転軸(地軸)を中心として、回転していることをさします天体が自転する様子は、コマが回転している様子で例えられることが多いです。太陽系の惑星や衛星のほとんどが自転していますよ。

地球や月も例外ではなく、ともに自転しているのです地球と月の自転周期はほぼ一致しており、約24時間で一周しますよ。両方の自転周期がほぼ同じであるため、地球から月を観測すると、常に同じ面を見ることになります。これが、常に月の表面のうさぎが餅つきをしているような模様が見える理由なのです。

公転とは?

公転は、ある天体が別の天体を中心として、その周りを回転している運動のことを指します自転との違いは、回転の中心が天体の外部にあることです。地球は太陽の周りを公転しています。また、月は地球の周りを公転していますよ。

太陽は太陽系惑星の真ん中に位置し、そのまま移動することはないように思われますが、その認識は正しくありません実は太陽も公転しているのです。太陽の公転周期は非常に長く、公転軌道の半径も大きくなっています。ですから、太陽の場合、ほとんど動いているように見えないのです。

メカニズムについて

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ここからは、自転と公転のメカニズムについて、学んでいきましょう。先ほどは自転と公転の基礎知識について述べました。これらの事柄を丸暗記するだけで終わることなく、物理学の視点でより深く理解することは非常に重要です

自転と公転のメカニズムを理解するためには、主に力学の知識が必要になりますよ。そこには、難しい用語や名称等がいくつか登場します。ですから、言葉の意味を一つ一つしっかりと理解することを意識して記事を読み進めてみてください。

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自転のメカニズム

自転は歳差運動という物理現象に分類されます歳差運動とは、コマが失速するときのように、軸自体の回転運動と物体自体の軸まわりの回転運動が合成されたものです。その様子から、歳差運動はみそすり運動とも呼ばれていますよ。

地球の自転軸は公転面に対して約23.4度傾いており、地球の自転は歳差運動に当てはまります。ですが、コマと異なり、地球の回転のエネルギーが莫大であることからほぼ失速することはありません。また、宇宙空間では摩擦力がほとんどないことも、自転の速さが変わらない理由です。

公転のメカニズム

公転は円運動という物理現象によって説明することができます2つの物体の間に引力が存在すると、円運動が成立することがありますよ。円運動では、ハンマー投げで選手が手を放す前のように、内側の物体が外側の物体が飛んでいかないように引き寄せる必要があります。太陽と地球の間には万有引力という力が働いており、それが引力になるのです

厳密には、地球の公転軌道は楕円形になっています。そのことは、ケプラーの法則に示されていますよ。ケプラーの法則は、第1法則から第3法則で構成されており、いずれも太陽系の惑星の運動に関する法則になっていますよ。

自転や公転による影響

自転や公転による影響

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最後に、自転や公転による影響について考えてみましょう。具体的には、自転や公転が原因となっている身近な現象のことです。私たちが地球上で暮らしている限り、自転と公転の影響を免れることはできません

以下では、私たちが日常生活の中で何度も体験している自転と公転による天体現象である太陽高度の変化季節の変化について説明します。このような具体例を知ることで、自転と公転に対する理解も深まることでしょう

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太陽高度の変化

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太陽高度というのは、地球の観測点から見た時の太陽の高さのことです。日の出と日の入りの際、太陽高度は低くなります。一方で、正午前後に太陽が南中する際には、太陽高度は最大値をとりますよ。

太陽が昇ったり、沈んだりするのは、地球が自転しているからです。地球が自転することで、地球上の観測点には、太陽の光が強く当たる時間帯とそうではない時間があらわれるのですね。また、太陽の光がほとんど当たらない時間帯もあり、それが夜となります。

季節の変化

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春夏秋冬と季節が変化する理由は、地球の公転と自転軸の傾きによって説明することができます地球の自転軸が傾いているため、公転によって太陽との位置関係が変化すると、観測点に当たる光エネルギーの量も変化しますよ

日本列島がある北半球の場合、冬場に観測点に当たるエネルギーが最小となり、夏場にそれが最大になります。そして、エネルギーの大小に比例して、気温も変化するのです。以上が季節の変化が存在する理由となります

公転と自転について学ぶ意義

この記事では、公転と自転の基礎知識やそれらのメカニズムについて詳しく述べました。そして、自転と公転と深い関係がある現象である太陽高度と変化と季節の変化についても説明しましたよね。これらは、私たちにとって身近な天体現象でもあります。

このようなことから、公転と自転について理解を深めることは決して無駄になることはないと言えるでしょう。ぜひこの機会に、自転と公転について学んでみてくださいね。

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地学地球宇宙物理物理学・力学理科

3分で簡単自転と公転!両者の違いは?現役理系学生ライターがわかりやすく解説!

今回は「自転と公転」について解説していきます。

自転と公転というのは、地球や月などの天体の運動のことをさす。これらの現象は、太陽の高さの変化や季節の変化とも深い関係性があるぞ。この記事では、自転と公転についてのメカニズムだけでなく、関係の深い身近な現象についても述べるつもりです。ぜひこの記事を読んで、自転と公転についての理解を深めてくれ。

環境工学を専攻している現役理系学生ライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。土壌、生態系、気象、地球温暖化について学んだこともある。

自転と公転について学ぼう!

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地球を含む天体は宇宙の中で絶えることなく運動していますここにおける運動は力学的表現であり、より簡単に表現すると、宇宙の中で星は動き続けているということになりますよ。このような天体の運動は、その特徴から複数に分けることができます。

今回は、『自転』と『公転』という2種類の天体の運動をご紹介しますね。これらの用語は中学校の授業で扱われ、地学の中でも基礎的な内容となっています。ですが、自転と公転について細かい部分まで学ぶと、理科の知識だけでなく、数学の知識も必要になるのです。つまり、基礎的な内容でありながら、奥が深い分野なのですね

記事の前半では自転と公転がどのような運動であるのかを説明し、後半ではこれらの運動のメカニズムや影響について考察します。自然科学の興味の有無に関わらず、多くの方に楽しんで頂けるような説明を心がけますので、ぜひ最後まで記事を読んでみてくださいね。それでは早速、解説を始めていきます。

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