今回は「梅雨のメカニズム」について解説していきます。

梅雨という言葉は、夏前になると毎年のように天気予報で耳にするものです。身近な現象ですが、そのメカニズムを説明することができる方は多くはないかもしれない。ですが、身近であるからこそ、梅雨のメカニズムについて知っておくことで損をすることはないと言えるはずです。ぜひ、この機会に梅雨のメカニズムについての理解を深めてくれ。

環境工学を専攻している現役理系学生ライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。土壌、生態系、気象、地球温暖化について学んだこともある。

梅雨について学ぼう!

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今回の記事は、『梅雨』をメインテーマとして、話を進めていきます。梅雨という言葉は、新聞やテレビの天気予報でよく耳にするので、多くの人にとって馴染みの深いものになっているのではないでしょうか

この記事では、自然科学の視点で梅雨について考察していきます記事を読み終わるころには、梅雨のメカニズムを自分で説明できるようになるでしょう

記事の前半では、梅雨のメカニズムについて学ぶ前に、梅雨がどのようなものであるのかを簡単に学び直せるようにしてあります。ですから、サイエンスの知識に自信がない方も、気軽に記事を読んでみてくださいね。

\次のページで「梅雨とは?」を解説!/

梅雨とは?

梅雨とは?

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梅雨は、日本列島で特定の時期に観測される気象現象のことをさしますよ梅雨の期間は、雨の日が多く、降水量が他の時期と比べて多くなります梅雨はじめじめと湿った空気が肌に触れる季節で、それに不快感を感じる人も多いことでしょう。

平年では、5月末頃から梅雨が始まります。梅雨の時期になることを、梅雨入り入梅と表現することもありますよ。そして、7月に入ると梅雨が終わりますよね。

また、旧暦上では、6月のことを水無月と表現します。ここでも雨に関連する水という文字が入っていますよね。この話からも、梅雨は古くから日本に住む人々にとって、馴染みのあるものであることがわかります

梅雨が人々に与える影響

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続いて、梅雨が人々にどのような影響を与えるのかについて考えていきましょう梅雨の時期は降水量が多くなることから、洪水による河川の氾濫などの災害が増えます。また、晴れの日が極端に少ない場合、農作物の収穫に影響が及ぶこともありますよ

以上のようなデメットだけでなく、メリットもあります。梅雨の間に多くの雨が降ることで、ため池などの貯水量を増やすことができるのです。これによって、暑い夏の間に必要な水資源を確保できます

梅雨のメカニズム

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ここからは、梅雨のメカニズムについて詳しく説明していきます説明の中では、いくつか重要な用語が登場しますよそれらの用語の意味を頭に入れておくと梅雨のメカニズムを理解しやすくなります

以上のことを意識して、記事の続きを読み進めてみてください。梅雨のメカニズムを求められる問題は学校の試験でも頻繁に出題されますよ。それでは、説明に移ります

気団同士がぶつかり合う

日本列島の周りには、オホーツク海気団と小笠原気団が存在していますオホーツク海気団には冷たい空気が多く含まれており、小笠原気団は暖かい空気が多く含まれます

そのため、日本列島の真上では冬場にオホーツク海気団が優勢となり、夏場に小笠原気団が優勢となるのです。そして、季節の変わり目である梅雨の時期には、日本列島の上にオホーツク海気団と小笠原気団がぶつかり合っている状態になります

\次のページで「前線で雨雲が形成される」を解説!/

前線で雨雲が形成される

暖かい空気と冷たい空気が接する場所では、前線が形成されます前線が存在する場所では、温かい空気の下側に冷たい空気が流れ込み、湿った空気が上空に運ばれますよ。そのため、前線付近では活発な雨雲が発生しやすくなるのです

この現象は、オホーツク海気団と小笠原気団の境目でも生じますそのため、梅雨の時期には日本列島を横切るように前線が形成されるのです。このような梅雨の原因になる前線のことを梅雨前線と呼びますよ

前線が停滞する

一般的な前線は、空気の流れによって比較的短時間で移動し、最終的には消滅します。ですが、梅雨前線の場合は大きな気団が原因になっているため、簡単に移動したり、消滅することはありません。そのため、梅雨前線は長い間日本列島の真上に停滞し、長い雨を降らせます。

梅雨の時期の天気図を見てみると、梅雨前線がいかに長い間日本列島の上に存在しているのかがわかりますよ。以上が梅雨が存在する理由の説明です。

梅雨と地域の関係

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最後に、梅雨と日本の各地域の関係を考えていきましょう梅雨の原因となる梅雨前線の動きを地理的な側面から考察します

梅雨前線の動きを知ることで、梅雨のメカニズムをより本質的に理解できるようになりますよそれでは、梅雨前線が日本列島を横切るプロセスを説明していきますね。

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地域ごとの梅雨の時期

梅雨の時期には、冬から春にかけて日本列島の覆っていたオホーツク海気団を押し上げるように、小笠原気団が北上してきます。つまり、梅雨前線は南側から北側に移動することになりますよね

ですから、梅雨入りの時期が最も早いのは沖縄・奄美地方になります。その後、九州・四国地方が梅雨入りし、中国・近畿・東海・関東がその後を追いますよ。そして、北陸や東北が最も遅い梅雨入りとなります

梅雨明けは、梅雨前線が去る順番にやってきますよ。つまり、梅雨明けも日本列島南部から始まるのです以上が梅雨の時期と地域の関係性となります。

北海道には梅雨がない?

最後に、日本の中で梅雨がない場所について説明します。実は北海道には梅雨がありません。それはなぜでしょうか?

北海道は日本の北部に位置しており、気候帯も亜寒帯(冷帯)に属するほど寒い地域です言い換えれば、一年を通して、オホーツク海気団に覆われている地域ということになります。それゆえ、梅雨前線が北海道の上にまで現れることはありません以上が北海道に梅雨がない理由となります。

梅雨について学ぶ意義

梅雨は毎年のように気象情報で目にする言葉です。そして、梅雨は私たちが実際に身を持って何度も体験している自然現象でもあります。ですから、そのような馴染みの深い梅雨が存在する理由を雑学として知っておいて損をすることはないでしょう。

また、梅雨について学ぶことで気象に関する重要な用語についても知ることができます。梅雨のメカニズムを知っておくことで天気予報の見方も変わるかもしれませんよ。ぜひこの機会に、梅雨について学んでみてくださいね。

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地学地球大気・海洋理科

3分で簡単梅雨のメカニズム!なぜ梅雨が存在するの?理系学生ライターがわかりやすく解説!

今回は「梅雨のメカニズム」について解説していきます。

梅雨という言葉は、夏前になると毎年のように天気予報で耳にするものです。身近な現象ですが、そのメカニズムを説明することができる方は多くはないかもしれない。ですが、身近であるからこそ、梅雨のメカニズムについて知っておくことで損をすることはないと言えるはずです。ぜひ、この機会に梅雨のメカニズムについての理解を深めてくれ。

環境工学を専攻している現役理系学生ライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。土壌、生態系、気象、地球温暖化について学んだこともある。

梅雨について学ぼう!

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今回の記事は、『梅雨』をメインテーマとして、話を進めていきます。梅雨という言葉は、新聞やテレビの天気予報でよく耳にするので、多くの人にとって馴染みの深いものになっているのではないでしょうか

この記事では、自然科学の視点で梅雨について考察していきます記事を読み終わるころには、梅雨のメカニズムを自分で説明できるようになるでしょう

記事の前半では、梅雨のメカニズムについて学ぶ前に、梅雨がどのようなものであるのかを簡単に学び直せるようにしてあります。ですから、サイエンスの知識に自信がない方も、気軽に記事を読んでみてくださいね。

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