

端的に言えば与り知らぬの意味は「それについて何も知っていないさま」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んだ。一緒に「与り知らぬ」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/川瀬
幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。
「与り知らぬ」の意味や語源・使い方まとめ

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「そのような事は与り知りません」などと、聞いた事はあるでしょうか。日常生活ではあまり聞き馴染みのない言葉なので、よく分からない方も多いでしょう。しかし、いざ目の前にした時に、意味を知らないと戸惑ってしまうかと思います。言葉の正しい意味と使い方を知る事は大切です。それでは早速「与り知らぬ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「与り知らぬ」の意味は?
「与り知らぬ」には、次のような意味があります。
関与しておらず、したがってその内情など知るよしもない、といった意味合いで用いられる表現。「与り知るところではない」のような言い回しも多く用いられる。
出典:実用日本語表現辞典「与り知らない」
「与り知らぬ」をもっと深く理解するためには、「あずかる」という言葉を知ることが大切です。「あずかる」とは、「与り知らぬ」のように「与る」と「関る」と漢字表記することができ、「ある物事にかかわりをもつ。関係する」「ある人物に関係・関与している」という意味を持っています。
そのため、「与り知る」とすると「ある物事・人物に関係していてそのことを知っている」という意味になり、「与り知らぬ」とすると「ある物事・人物に関係しておらず、そのことを知らない」という意味になるのです。
「与り知らぬ」の語源は?
次に「与り知らぬ」の語源を確認しておきましょう。正確には「与り知らぬ」の語源は不明ですが、前述でも紹介したように、「与り知る」という言葉から「与り知らぬ」という言葉が出来たと考えられます。「与り知る」が「ある物事・人物に関係していてそのことを知っている」という意味で、「与り知る」を打ち消して否定する「与り知らぬ」は、「その物事・人物に関係ないため知らない」という意味になるのです。
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