この記事では「年貢の納め時」について解説する。

端的に言えば「年貢の納め時」の意味は「物事をあきらめる時」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「年貢の納め時」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「年貢の納め時」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「年貢の納め時」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「年貢の納め時」の意味は?

「年貢の納め時」には、次のような意味があります。辞書や辞典で正確な内容を確認しましょう。

1.悪事をしつづけた者が、捕まって罪に服する時。転じて、物事をあきらめなくてはならない時。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「年貢の納め時」

「もうそろそろ年貢の納め時だ」というようなセリフを聞いたことがあるでしょうか。「年貢の納め時」とは「今までの続けてきたことを終えることや物事を決心をすること」の意。読み方は「ねんぐのおさめどき」です。これまで続けてきた物事に見切りをつける場面を示すことわざですよ。結婚を決心した時を年貢の納め時と言うこともあります。一緒に覚えておきましょう。

「年貢の納め時」の語源は?

次に「年貢の納め時」の語源をご紹介しておきましょう。「年貢の納め時」の「年貢」とは平安末期から江戸時代まで続いたとされる税金の一種。年貢を滞納しきちんと納税をしていなかった人が捕まって罪に服することから派生して、現在はやらなければいけないことを決心することや観念することを意味するようになったとされていますよ。日本の歴史が深くかかわっている興味深いことわざです。「年貢の納め時」の由来について理解が深まりましたね。

\次のページで「「年貢の納め時」の使い方・例文」を解説!/

「年貢の納め時」の使い方・例文

「年貢の納め時」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この用語は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼女は20年もの間現役でプレーをしてきた。しかし、最近は怪我で思うような成績を残すことが出来なくなっていた。もう年貢の納め時だと感じ現役引退を決めた。

2.彼はずっと独身で自由な人生を謳歌してきたが、来月結婚することになった。年貢の納め時とはこのことだ。

3.昨日逮捕された犯人は長い間逃亡していた。しかし、逃亡生活に疲れもうそろそろ年貢の納め時だと思い出頭した。

「年貢の納め時」の使い方を例文から学びましょう。例文1は「スポーツ」です。「彼女は長い間現役で活躍していたが、怪我の影響で現役を引退することを決意した場面」を示していますよ。大きな決意を下したことが感じられますね。例文2は「結婚」です。「ずっと独身だった彼が結婚することを決心した状況」を表しています。「年貢の納め時」は「結婚を決める」場面でよく使われている表現ですよ。

例文3は「犯罪」です。「逃亡生活に疲れた犯人が覚悟を決めて出頭した様子」を描いています。素晴らしい決断ですね。例文のように、「年貢の納め時」は「様々なことを決意する場面」で使うことわざです。使い方をマスターして下さいね。

「年貢の納め時」の類義語は?違いは?

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「年貢の納め時」の類義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。一緒に確認しましょう。

「腹を括る」

「年貢の納め時」の類義語には「腹を括る」が考えられるでしょう。「腹を括る」とは「覚悟を決めること」の意。読み方は「はらをくくる」です。「腹を括る」の「腹」は「気持ち・心・気力」の意。「括る」とは「決意を固めること」です。この2つの言葉から「決心する・決意する」という意味が成り立っていますよ。

使い方を例文から学びましょう。例文1は「難しいことは分かっているが東大を受験することを決意した場面」を表しています。例文2は「スピーチコンテストは緊張するが覚悟を決めた状況」を示してますよ。例文のように「腹を括る」は様々なシーンで使うことができる慣用句です。いろいろな場面で使ってみて下さいね。

\次のページで「「年貢の納め時」の対義語は?」を解説!/

1.難しいことだと分かっているが、彼は腹を括って東大を目指すことにした。

2.明日はスピーチコンテストだ。とても緊張するが腹を括って挑もう。

「年貢の納め時」の対義語は?

「年貢の納め時」の対義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。関連する言葉を一緒に確認しましょう。

「二の足を踏む」

「年貢の納め時」の対義語には「二の足を踏む」が考えられるでしょう。「二の足を踏む」とは「ためらうことや尻込みをすること」の意。読み方は「にのあしをふむ」です。

「二の足」とは「歩き出して二歩目」の意。人間は「一歩目は勢いよく進むことができますが、二歩目はためらって足踏みすることが多いこと」から派生して、「二の足を踏む」=「思い切って行動することができず迷うさま」を示すようになったとされていますよ。

使い方を例文から学びましょう。例文1は「ずっと欲しかった靴が割引されていたが給料日前のため購入することをためらっている場面」を示しています。例文2は「偶然駅で友人を見かけたが、本人と言う確証がないため声を掛けることを躊躇している様子」を説明していますよ。例文のように「何かをしたいという気持ちはあるがなかなか思い切って踏み出すことができない場面」で使う表現です。これをきっかけに覚えておきましょう。

1.ずっと欲しかった靴がセール価格になっていたが、給料日前なので二の足を踏んでいる

2.長い間会っていなかった友人を駅で見かけたが、人違いかもしれないと思い声を掛けることに二の足を踏んでいる

「年貢の納め時」の英訳は?

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「年貢の納め時」は英語でどのように表現するのでしょうか。キーワードとなる英単語を一緒にチェックしましょう。

「Your game is up」

「年貢の納め時」は英語で「Your game is up.」と表現できるでしょう。「up」は「~の上」という意味で有名ですが、ここではbe動詞と一緒に用いることで「~終わりだ」という意味を表しますよ。「Your game is up.」を直訳すると「あなたのゲームは終わりだ」となります。ここから派生して「諦めて観念する」=「年貢の納め時」を意味すると考えられていますよ。とてもシンプルでスマートな英語訳ですね。「年貢の納め時」のイディオムとして覚えておきましょう。

\次のページで「「年貢の納め時」を使いこなそう」を解説!/

「年貢の納め時」を使いこなそう

この記事では「年貢の納め時」の意味・使い方・類語などを説明しました。結婚や就職、転職など日常生活や仕事の中で覚悟を決めないといけない場面や決心しないといけない時期はたくさんありますよね。勇気を振り絞り、いろいろなことを考慮して導き出した決断は信じて前に進んでみましょう。

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【ことわざ】「年貢の納め時」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「年貢の納め時」について解説する。

端的に言えば「年貢の納め時」の意味は「物事をあきらめる時」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「年貢の納め時」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「年貢の納め時」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「年貢の納め時」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「年貢の納め時」の意味は?

「年貢の納め時」には、次のような意味があります。辞書や辞典で正確な内容を確認しましょう。

1.悪事をしつづけた者が、捕まって罪に服する時。転じて、物事をあきらめなくてはならない時。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「年貢の納め時」

「もうそろそろ年貢の納め時だ」というようなセリフを聞いたことがあるでしょうか。「年貢の納め時」とは「今までの続けてきたことを終えることや物事を決心をすること」の意。読み方は「ねんぐのおさめどき」です。これまで続けてきた物事に見切りをつける場面を示すことわざですよ。結婚を決心した時を年貢の納め時と言うこともあります。一緒に覚えておきましょう。

「年貢の納め時」の語源は?

次に「年貢の納め時」の語源をご紹介しておきましょう。「年貢の納め時」の「年貢」とは平安末期から江戸時代まで続いたとされる税金の一種。年貢を滞納しきちんと納税をしていなかった人が捕まって罪に服することから派生して、現在はやらなければいけないことを決心することや観念することを意味するようになったとされていますよ。日本の歴史が深くかかわっている興味深いことわざです。「年貢の納め時」の由来について理解が深まりましたね。

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