

ドラゴン桜2では、そんな悩みを解決すべく画期的な英語学習方法を提案している。英語系YouTuberになって動画を発信するといった驚きの方法だ。
今回はドラゴン桜2の3巻より、なんと13ページを無料で公開。YouTubeへの投稿が英語学習に効果的な理由を、自称資格マニアのNagiの考察付きで解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/Nagi
映像翻訳スクール出身。総合旅行業取扱管理者、鎌倉検定1級、TOEIC910点など、多くの資格試験・検定試験に合格している資格マニアでもある
まずはドラゴン桜式「英語系YouTuberになって勉強する方法」をチェック!
まずは漫画を読んでいきましょう。桜木先生は英語の成績を効率的にアップする画期的な勉強法として、早瀬さんにTwitterを、天野くんにYouTuberになるように言います。Twitter上での英語のつぶやきは、英語で日記を書くことと似ているので、その効果もイメージしやすいですね。
一方のYouTuberはどうでしょうか。受験生である天野くんがYouTubeをやることに、どのような意義があるのでしょうか?
それでは、さっそく漫画をご覧ください。













日本人が英語を話せないのには科学的な根拠がある!?
小学校での外国語活動・英語の教科化など、日本の英語教育における方針は少しずつ変化しています。それにも関わらず、英語習得が一筋縄にいかない状況は今も昔もあまり変わっていないようです。
中高の6年間、英語を学んできているにも関わらず、なぜ日本人は相変わらず英語を話せないのでしょうか?
英語の習得には「海馬」と呼ばれる脳の一部分が大きく影響します。海馬は「記憶の司令塔」とも呼ばれる大切な場所。必要な情報を選別して長期記憶に送り込んでいます。
普段から英語を使う必要性がない生活を送っていると、海馬は「英語は生きるために必要なものではない」と判断。英語の情報は他の情報よりも優先度が低いものと見なされ、無残にも捨てられます。これでは、日本人がいくら頑張って英語を勉強しても話せるようにはなりませんよね。
母国語であっても、長い海外生活で日本語を使っていないと日本語が出てこなくなることがあるそうです。これも海馬による取捨選択の機能によるものと言えるでしょう。
YouTubeでの発信が英語上達に効果的な理由3つ
ここからは、YouTubeでの発信が英語上達に効果的と言われる理由を、具体的に解説していきましょう。
英語学習者向けのYouTubeチャンネルにはクオリティが高いものが多く存在しており、筆者もたくさんのチャンネルを登録して英語学習に役立てています。英語系YouTuberの多くは英語を得意とするネイティブ。本場の発音に触れながら楽しく英語を学ぶことができます。
このような動画の視聴者側ではなく、YouTuberとして動画を発信する側になるべきとする意義は何なのでしょうか?
その1. 動画発信は英語のアウトプットに最適の場である
英語は「読む・書く・聞く・話す」が総合的に融合する言語能力。単語や構文の暗記といったインプットも大切ですが、アウトプットを意識しなければ「分かる」から「できる」へのステップアップは困難です。
動画の発信には、普段の英語学習とは全く違ったエネルギーが必要になります。話す内容を英語でまとめて、英語で話さなくてはならないのですから、脳はアウトプットのためにフル回転。「できる」へのステップを登ろうと必死になります。結果、英語の長期記憶にもつながるというわけです。
さらに、撮影した動画を見ることで、どんな発音と表情で英語を話しているか確認することができます。自分の英語力を客観的に見る(己を知る)ためにも最適な方法と言えるでしょう。
その2. 英語を話すことへの覚悟と度胸がつく
他国のノンネイティブと比べて日本人の英語力が低い理由の一つが、「シャイ」と呼ばれる国民性にあります。日本人は人前で英語を話すことが、とにかく苦手。間違えた英語を話したくないという完璧主義も影響し、自分から進んで英語を話そうとしない人が多いのです。
筆者はまさに、その代表例。ネイティブと話す時は「自分はノンネイティブだから」と、ある程度は割り切れますが、周りに日本人がいると途端に話せなくなります。自分の英語の間違いを指摘されるような気がしてしまうからです。
YouTubeの動画はインターネットがあれば全世界で視聴が可能。世界各国の人々に向けて自分の英語をさらけ出すわけですから、英語に対する覚悟と度胸が身につくことは想像に難くないでしょう。
その3. 毎日投稿で英語学習を習慣化できる
ここでフォーカスしておきたいのが、何と言っても「動画の毎日投稿」です。話す内容を英語でまとめてカメラの前で話して投稿する。これを毎日行うことで英語学習の習慣が自然と身につきます。
英語学習の習慣化は英語習得への第一歩ともいえるほど大切なことです。毎日英語を話さなければ気持ちが悪いというレベルにまでいけば、その効果は無限大。英語力は確実に上がるでしょう。
学習を習慣化することの重要性は、Study-Zで何度も取り上げてきたので、耳にタコかもしれませんね。
英語力を伸ばすカギはインプットよりもアウトプット!
皆さんは、普段どのくらい英語をアウトプットできているでしょうか。インプットとアウトプットの黄金比率は3対7。この割合での勉強が最も効果的であることが、コロンビア大学の研究で実証されています。
ここで、英語YouTuberとなった天野くんに注目しましょう。今回の漫画では公開されていませんが、アフロヘアーの天野くんのラップ英語は、日曜劇場「ドラゴン桜」のドラマを観ている人にとってはおなじみでしょう。
天野くんの英語力の伸びは、ドラマの第7話でしっかりと描かれています。ゆりやんレトリィバァが演じる英語の特別講師、由利杏奈(ゆり・あんな)先生の英語を正しく聞き取った天野くん。同じ東大専科のメンバーである藤井も感心するほどでした。
さらには、58日目に投稿した動画が、わずか3日で10万回再生。登録者数も5万人を突破し、東大模試の会場で生徒たちが話題にするほどの人気YouTuberになりました。模試のリスニング問題も、かなり聞き取れていたようです。約2ヶ月の間、動画投稿のために英語をアウトプットし続けた成果と言えるでしょう。
天野くんの英語力が今後どれだけ伸びていくのか、漫画でもドラマでも目が離せませんね!
自称資格オタクの感想
筆者はかつて「英語は生きるために必要なもの」と海馬に無理やり思い込ませようとした経験があります。
私が生まれて初めて日本を出たのは二十歳の時。初めての海外旅行先であるハワイで本場の英語に触れ、自分の英語が通用しないことに衝撃を受けました。それまで英語を科目としてしか接してこなかったので、英語でコミュニケーションが取れないことに気付けていなかったのです。
30歳で会社を退職した後、英語を習得する目的でアメリカを3ヶ月周遊しました。事前に予約したのは行き帰りの航空券のみ。英語を話さなくては路頭に迷うような環境を作れば、留学するよりも短期間で英語力が身につくと考えたのです。
結果として、無事にアメリカ一周を達成。出発前に比べて、必要最低限の英語力は身についたと思います。英語が通じる国であれば、どんな国でも一人で旅することができるという自信もつきました。
筆者の経験は、あまりにも極端な例です。英語学習と海馬のエピソードとして紹介させていただきましたが、YouTuberになるほうが、よっぽど効果的で安全なのは間違いないでしょう。
英語は生きるために不可欠なツールだと意識して学習しよう
今回の記事では、YouTubeへの投稿が英語学習に効果的な理由について解説しました。
英語に限らず、すべての言語の習得には、勉強という枠を越えたマインド設定が必要だと言えるでしょう。教科書や参考書に書かれていることが分かるだけでは、本当の語学力は身につきません。
今の時代、YouTubeやTwitter以外にも身近なテクノロジーを活用すれば英語をアウトプットする環境は簡単に見つけられます。グローバル化が進む世の中を生き抜くためにも、英語習得は必須。英語は生きるために不可欠なツールだということを常に意識して学んでいきましょう。