この記事では「心が折れる」について解説する。

端的に言えば心が折れるの意味は「くじける」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「心が折れる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「心が折れる」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「心が折れる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「心が折れる」の意味は?

ウェブサイトの辞書を検索すると「心が折れる」には、次のような意味があります。

気持ちや考え方がそちらに向かう。また、気持ちが弱る。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「心が折れる」

「心が折れる」(こころがおれる)とは、「心の支えをなくし、物事をおこなう意欲がそがれる」とか「困難にぶつかってくじけてしまう」ことです。本来は辞書にあるように「気持ちや考え方がそちらに向かう。また、気持ちが弱る」という意味でしたが、最新の意味として上記のものが生まれました。特に、2010年あたりから人気のスポーツ選手が「心が折れる」という慣用句をよく使うようになったので日本中に広まったのです。

「心が折れる」の語源は?

次に「心が折れる」の語源を確認しておきましょう。

なんと、「心が折れる」の語源は、女子プロレスにあると言われています。1987年の女子プロレスのメインイベントで神取しのぶとジャッキー佐藤戦で勝利した神取が試合後の井田真木子という女性作家の取材で「対戦相手の心を負ってやりたかった」と言ったのがはじまりです。この言葉は、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した「プロレス少女伝説」という小説で紹介され、全国で広まりました。

\次のページで「「心が折れる」の使い方・例文」を解説!/

「心が折れる」の使い方・例文

「心が折れる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.長く面倒を見てくれていた社長から裏切られてしまい、心が折れてしまった。
2.心が折れるような厳しい練習に耐えてきましたが、上位ランキングに復活でき、やっとその成果が出てきました。
3.理想の彼女にふられて心が折れてしまい、生きていく希望もなくなってしまった。

「心が折れる」という言葉は、なんとなく最近の若者言のようなファッション性を感じさせられますが、国語辞典にも掲載されているれっきとした日本語です。ただし、最近、もともとの意味から変わって、「心の支えがなくなる」と言うような意味で使われるケースが多くなりました。

「心が折れる」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「心が折れる」の類義語は何でしょうか。

その1「意欲を失う」

「意欲を失う」とは、「何かの物事をおこなう意思がうせる」ことや「疲労のため何かをする元気がなくなる」という意味です。「意欲」とは、「進んで何かを行おうとする気持ち」のことになります。同じ意味で「意欲をなくす」と言う場合もあるのです。「ボーナスが支給されなかったので、社員は働く意欲を失った」などと使われます。

\次のページで「その2「支えを失う」」を解説!/

その2「支えを失う」

「支えを失う」とは、「生きがいや心のよりどころがなくなってしまう」ことです。この場合の「支え」とは精神的な支柱であり、生きる力のもととなるものの意味で使われています。「人事情報で、面倒を見てくれていた上司が子会社に転勤となることを知った。支えを失って彼女は茫然となった」などと使われるのです。

その3「挫折する」

「挫折する」(ざせつする)の「挫」は「くじける」という意味で、「折」は「おれる」という意味です。「挫折する」とは、「やろうと思っていたことがその途中でうまくいかず、断念する」という意味になります。また「その行為を遂行するための意欲や気力がなくなる」ことです。目的が達成できなくなったというニュアンスが強い言葉ですね。「彼は司法試験をめざしていたが、今年も不合格だったので完全に挫折してしまったようだ」などと使われます。

その4「くじける」

「くじける」は、漢字では「挫ける」と書きます。「テンションが下がる」とか「前向きな気持ちが失われて沈み込む」といった意味があるのです。「挫」とは、「関節に無理な力を加えて痛めること」で、それが転じて「気力がなくなること」の意味で使われるようになりました。計画が行き詰まることを「頓挫」(とんざ)と言いますね。「ダイエットをしていたが、おいしそうなケーキを見たら少し気持ちがくじけるなあ」などと使われます。

「心が折れる」の対義語は?

「心が折れる」の対義語は何でしょうか。

その1「不屈の精神」

「不屈の精神」(ふくつのせいしん)とは、「困難なことに対峙してもくじけたりあきらめたりしない強い気持ち」のことです。同じ意味で「不撓不屈」(ふとうふくつ)という四字熟語があります。「不屈」とは、「いかなる困難にも強い意志を持って貫くこと」です。「屈」は「曲げる」とか「服従する」という意味があります。ビジネスやスポーツの世界でよく使われ、座右の銘としてもよくあげられる言葉ですね。「チーム一丸となって、不屈の精神で戦ってまいります」などと使われます。

その2「臥薪嘗胆」

「臥薪嘗胆」(がしんしょうたん)とは、もともとは中国の故事成語で、十八史略の中の「春秋戦略」に書かれていました。「復讐するためにいろんな苦労に耐え忍ぶ」という意味です。これが転じて「目標を達成するためにさまざまな苦難に耐えてがんばること」の意味で使われるようになりました。こちらも座右の銘としてよく使われます。「私は司法試験受験に関しては、いろんな苦難に見舞われてきましたが、毎日、臥薪嘗胆の気持ちで勉強してきました」などと使われるのです。

\次のページで「「心が折れる」の英訳は?」を解説!/

「心が折れる」の英訳は?

image by iStockphoto

「心が折れる」の英訳は何でしょうか。

「break my heart」

「心が折れる」は英語では「break my heart」と表現します。あるいは「lose heart 」「not have any hope left」などと言うのです。

「My heart is going to break off」(私の心は折れそうだ)
「He lost heart」(彼は心が折れた)直訳すると「彼は心を失った」です。
「I don't have any hope left」(私は心が折れた)直訳すると「私は昨日が全然のこされていない」となります。

「心が折れる」を使いこなそう

この記事では「心が折れる」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「心が折れる」のを防ぐためには、自分自身を受け入れること、自分を信じること、自分の感性を大切にすること、小さな目標をたてること、目標に向かって計画をたてること、努力を怠らないこと、他人と比較するのをやめることです。また、早寝早起きをするとか、質の良い睡眠をとること、健康的な食事をとること、趣味を作ること、さらにスマホなどでSNSを見過ぎないこと、苦手なことには固執しないことなども必要ですね。

いずれにしても心が折れたままでは何も進歩がありません。気持ち入れ替えて反省点は次に生かすようにしてポジティブなライフスタイルを保つことが何よりも大切なのではないでしょうか。

" /> 【慣用句】「心が折れる」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの文章を扱ってきたライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「心が折れる」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの文章を扱ってきたライターがわかりやすく解説!

この記事では「心が折れる」について解説する。

端的に言えば心が折れるの意味は「くじける」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「心が折れる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「心が折れる」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「心が折れる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「心が折れる」の意味は?

ウェブサイトの辞書を検索すると「心が折れる」には、次のような意味があります。

気持ちや考え方がそちらに向かう。また、気持ちが弱る。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「心が折れる」

「心が折れる」(こころがおれる)とは、「心の支えをなくし、物事をおこなう意欲がそがれる」とか「困難にぶつかってくじけてしまう」ことです。本来は辞書にあるように「気持ちや考え方がそちらに向かう。また、気持ちが弱る」という意味でしたが、最新の意味として上記のものが生まれました。特に、2010年あたりから人気のスポーツ選手が「心が折れる」という慣用句をよく使うようになったので日本中に広まったのです。

「心が折れる」の語源は?

次に「心が折れる」の語源を確認しておきましょう。

なんと、「心が折れる」の語源は、女子プロレスにあると言われています。1987年の女子プロレスのメインイベントで神取しのぶとジャッキー佐藤戦で勝利した神取が試合後の井田真木子という女性作家の取材で「対戦相手の心を負ってやりたかった」と言ったのがはじまりです。この言葉は、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した「プロレス少女伝説」という小説で紹介され、全国で広まりました。

\次のページで「「心が折れる」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: