国語言葉の意味

簡単には勝ちを譲れない!「鍔迫り合い」の意味や類義語などを院卒日本語教師が分かりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。最近は生徒たちが積極的に質問してくるようになってなぁ、俺が話す時に使った言葉についても色々聞いてくる。これはとても良いことだ。分からないことは人に聞く。大切なことだ。

今日は「受験はライバルとの”鍔迫り合い”だ」という話をしたら、「鍔迫り合い」について質問を受けた。この鍔迫り合いっていうのは「緊迫した状況で激しく勝負すること」という意味で…

ここから先はプロにお任せしよう。院卒日本語教師の”むかいひろき”、「鍔迫り合い」の解説を頼んだぞ!

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「鍔迫り合い」の意味や語源は?

image by iStockphoto

「鍔迫り合い」という言葉、漢字だけを見てもよく分からないという人が多いかもしれません。「つばぜりあい」と書けば見聞きしたことがある人が出てくるのではないでしょうか。まずは、この「鍔迫り合い」について、意味と語源を確認していきましょう。

「鍔迫り合い」の意味は「緊迫した状況で激しく勝負すること」

最初に、「鍔迫り合い(つばぜりあい)」の辞書での意味を確認していきましょう。「鍔迫り合い」は、国語辞典には次のように意味が掲載されています。

1.打ち合わせた刀を互いの鍔もとで受け止めたまま押し合うこと。
2.緊迫した状況で激しく勝負を争うこと。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「つば-ぜりあい【鍔迫り合い】―ゼリアヒ」

「鍔迫り合い」は、辞書には2つの意味が掲載されていることが多いです。そのうち1番目は語源となっている大本の意味であるため、語源のコーナーで改めて解説します。

現在では、2番目の「緊迫した状況で激しく勝負すること」という意味で使われるのが通常です。スポーツの試合や、実際の戦い、勢力争いなどで使用される表現ですね。また、戦っている者同士の実力がほぼ同じであるというニュアンスが含まれていることが特徴です。

「鍔迫り合い」の語源は日本刀を使った戦い!

この「鍔迫り合い」の語源は日本刀を使った戦いです。日本刀の「鍔(つば)」は、刀の刃と柄(つか・握る部分)の間にある金属製の板のこと。日本刀で戦う2人が、相手に斬られないように互いに相手の刀の刃を鍔で受け止めて押し合う様子から生まれた言葉です。

当初は「互いに相手の刀の刃を鍔で受け止めて押し合う様子」という語源そのままの意味のみを表していましたが、徐々に意味が広がっていきました。

\次のページで「「鍔迫り合い」の使い方を例文とともに確認!」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: