

端的に言えば花を持たせるの意味は「名誉などを他者に譲ること、顔を立てること」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んだ。一緒に「花を持たせる」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/fleur
小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。
「花を持たせる」の意味は?
「花を持たせる」には、次のような意味があります。
人に名誉を譲る。その人を立てて功を譲る。「若い人に―・せる」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「花を持たせる」
仕事などでの成功や栄誉などの喜ばしいことを、他人に譲ったり称えたりして対象人物の株が上がるような行いをすることを指します。
特にお世話になった上司や引退する先輩など、気持ち良く巣立ってほしいという思いや努力に報いたいという思いが表現される温かい言葉です。
上下関係に縛りはないので状況により同期や後輩、家族にも使うことができます。
「花を持たせる」の語源は?
次に「花を持たせる」という慣用句の語源を確認しておきましょう。
語源は風流なものになっており、実は連歌の際の慣習から来ています。連歌とは誰かが上の句(五・七・五)を詠み、次の人がそれに付け加えて下の句(七・七)を詠むという遊びです。
このときに句に花を入れると雰囲気が出るため特別に位の高い人物に譲ることが多かったことから名誉を他人に譲るという意味で使われるようになったそう。
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